To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

容疑者Xの献身 ★★★★

2008-11-29 20:47:35 | 映画(劇場)
容疑者Xの献身 を観てきました。



公開されてから、だいぶ日にちが経つので、土曜日でも観客は30人くらい。
映画が終わっても、明るくなるまで席を立つ人は、誰一人として居ませんでした。

原作が面白いと、映画は観てガッカリ~ってことが多いので、ずっと敬遠していました。
でも、観た方のレビューを読むと、結構面白そう。
それにTOHOシネマズの「6本観たら、1本ご招待」のポイントが貯まったのでね

テレビドラマの軽さ、お笑い的要素を取り入れながら、原作の味わいを壊すことなく作られていた
ので、とても楽しめました。

冒頭のボート爆破事件は、確かテレビドラマで放送していましたよね。
おなじみの推理・実験シーンは、福山&柴崎ファンへのサービス?
テレビでしか知らない人でも、東野圭吾の世界にすんなり入れるようにとの配慮かな。

最初にまず違和感があったのは、母娘の暮らすアパートの室内がとっても綺麗なこと。
もっと貧しい感じ?こんな明るいイメージじゃなかった気がします。

堤真一は、石神にはハンサム過ぎると思っていたけれど、さすがに役作りが上手いです。
冴えない風貌、動かない表情、生きていても仕方がないといった様子が良く出ていました。
だから、ひたすら靖子たちの幸せを願う、最後の手紙には泣けました。
ただ、思いもかけず靖子が現れた時の心情の吐露は、ちょっと大げさ過ぎかなと思ってしまいました。

松雪泰子、フラガールの時も良かったけれど、こっちも適役!
いい女優さんになりました。
はかなげで色っぽい美人には、男性はみんな弱いみたいですね(笑)
今となっては、「白鳥麗子でございます」のキャラが信じがたい

原作では靖子は、湯川から真実を聞かされても、すぐに自首はしません。
弱さの反面、女のズルさ、したたかさがうかがえて、怖いなぁーって。
自首を決心させたのは、原作では娘美里の自殺未遂。
映画には、この件はありませんでした。

アリバイのトリックには、最後まで全く思いもよらず、お見事としか言いようがありません。
材料を小出しにして、捜査陣を翻弄する手口も巧妙。
でも、問題の核心は、そこにはなかった。
まさか命の恩人とはいえ、他人のために、ここまでやるとは誰も考えはしないと思いました。

本を読んでいる時も、母娘が警察の取り調べに対して、ぶれない証言が出来るのが不思議だったし、なにか妙な違和感を持ちました。
それはそう、真実を語っているのだから、ボロを出すわけが無かったのです。
彼女たちも不思議に思っていたのだから、それが読み手に伝わってくるのはもっともなことなのです
よね。

映画では、石神のトリックを暗示するカットがあるけれど、これで推理が出来たらスゴイよね。

文字で読んでいた時には、トリックにやられた感が強かったのですが、映画では、石神の思いの深さに打たれました。
本当にこれしかなかったのかと、やりきれない思いです。

結末には、せめてもの救いが見えてホッとしましたが、後味がなんとも・・・ね。



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2 コメント

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Unknown (一村雨)
2008-12-02 06:34:23
原作は読んだのでしたが、内容はすっかり忘れていました。
あの浮浪者が同じ場所にいなかったことが、大きな
ポイントだったのですね。
石神に同情できる場面もありますが、何の罪も無い
人を殺したということで、あの結末は仕方ないのかと
思いました。
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冷徹な殺人者 (アイリス)
2008-12-02 17:44:21
石神に感情移入して観ていると、殺人犯であることを失念しそうでした。
殺人なんかとは無縁の人生の筈だったのに・・・愛するが故? こわい、こわい

こんなんで、もし裁判員に選ばれたらと思うと、とても不安です。
通知が来ていないので、今回は大丈夫みたいですが。
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