To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

ラストキング・オブ・スコットランド ★★★★

2007-03-10 22:15:49 | 映画(劇場)
ラストキング・オブ・スコットランド を観ました。

見たくないものを、頭の中に無理矢理に詰め込まれてしまいました。
もう、いっぱいいっぱいです。
飽和状態で苦しい、気持ち悪くなりそう。
この世の中で一番恐ろしいのは、やはり人間なのかと思わされました。



原題: The Last King of Scotland
監督: ケビン・マクドナルド
脚本: ジェレミー・ブロック、ピーター・モーガン
撮影: アンソニー・ドッド・マントル
出演: フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン、サイモン・マクバーニー、ジリアン・アンダーソン
2006年アメリカ映画/2時間5分 R-15

アミンを演じたフォレスト・ウィテカーがゴールデン・グローブ賞最優秀主演男優賞(ドラマ部門)、
アカデミー主演男優賞を受賞!
あれっ?! 「X-ファイル」のスカリー捜査官、出演していたのですね。
結構テレビで見ていたのに、気が付きませんでした。髪型のせいかな・・・

ウガンダ元大統領イディ・アミンの物語。
アミン大統領に気に入られ、彼のお抱え医師となったスコットランド人青年の目を通して描かれています。

ウガンダ、アフリカの何所にあるの?・・・・・・ルワンダのすぐ北なんだ。
「ナイロビの蜂」という映画もあったけれど、ナイロビを首都とするケニアはお隣さん。
ついでに、4月公開予定レオナルド・ディカプリオ主演映画「ブラッド・ダイヤモンド」の舞台は、
西アフリカの海に面したシエラレオネという国だそうです。

最近アフリカを舞台にした映画が続々と公開されているけれど、その歴史や実情はほとんど知らないや。

8日の朝日新聞のコラム「ワールド クリック」から。
 「アフリカ舞台の映画がこれほど多いのは、人々がアフリカに関心を持ちはじめたからだろうか。
  だとすれば、アフリカ担当の記者としてはうれしいことだ。」
だが、国連で働く友人の意見は違っていた。
 「先進国にはないアフリカの不幸が映画を増やしている。大虐殺、腐敗、内戦、飢え、ダイヤ密輸、
  武器密輸。」

確かにね、いろいろに料理できるものばかり。
しかも、どこからも文句が出そうにないしねぇー

それにしても、フォレスト・ウィテカーのアミンは圧倒的な存在で凄まじかった。
あの堂々たる体格から来る威圧感、左右不揃いの目が何とも不気味。
最初は快活で親しみやすく、熱くウガンダの未来を語りかける皆の希望の星。
しかし、権力の座は人の心を変え、その安定を奪ってしまう。
誰も信用できなくなった大統領のむごたらしい行動といったら・・・・・・
最後ギリガンから目をそらす時に一瞬見せた涙は、最後の人間性の表れだったのかな。

ニコラス・ギャリガンを演じた ジェームズ・マカヴォイ もリアルで素晴らしかった。
小柄で華奢な体型も、アミンと好対照で役にピッタリ。
この人物の、ここまでの無知は救いがたい。
知ろうと思えば知り得る立場にいたのだから、知らなかったで許されるはずもない。
アミンの正体に気付いた途端、女に逃げ、見下していたイギリス人を頼って国に逃げ帰ろうとする。
美味しい部分だけ味わって、墜ちるところまで墜ちる度胸もない。
それでも救われちゃうんだから・・・ 救いの手を差し伸べた方はヒドイ目に遭うのにね。
さて上手く脱出できるのか、このへんはサスペンスタッチで、ちょっとドキドキ!

見応えはあるし、知っておくべき事実なのかもしれないけれど、
人間の本性が丸出しになり、残酷さや愚かしさが強調される映画は、観ていて相当シンドイ。