yamanba's blog

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那珂川市・アウトドア拠点「五ケ山クロス」~ダムサイト記念公園(12月27日更新)

2018-10-17 16:45:45 | 五ケ山ダム

先週末、那珂川市のアウトドア拠点「五ヶ山クロス」に建設中の「ダムサイト記念公園(仮称)」へ立ち寄った。あまりに工事が進まないのでいつもスルーしていたが、現地へ行ってみると、やっと公園らしくなっていた。現在、公園内にある商業施設の工事が行われている。ちなみに、総整備費は約11億6000万円。(そんなにかかるとは思えないが)

五ヶ山ダムは、平成28年2月末頃、ダム堤体が完成し、同年10月から試験湛水がはじまった。予定では今年4月に併用開始となり、「ダムサイト記念公園」もそれに合わせて営業される予定だった。ところが、昨年からの少雨でダムに水は貯まらず、皮肉にも西日本豪雨で満水となった。先が見えたところで、那珂川市は、先月末、キャンプ場や商業施設の営業開始を来年3月にオープンすると発表した。

商業施設の図面が公表されていないので、詳しいことはわからないが、報道によると、施設1Fはキャンプ・登山用品が販売され、ここにモンベルが入るらしい。 飲食コーナーもできる。屋上は展望台スペースになっていて、ダム湖を眺めることができる。建物外観デザインは景観に配慮したのか山の形になっている。まさに、ここが「五ヶ山クロス」の拠点となる。(かつての東小河内集落のへりにあたる)

今月1日、那珂川町は那珂川市になったが、市が最も力をいれているのが「五ヶ山クロス」だ。ダムを利用したアウトドアスポットだが、ここにどれだけの人を呼び込むことができるかが鍵だろう。その第1弾、来月11月25日には「五ヶ山クロスマラソン」が開催される。すでに参加者は満員となっており、人気が高まっている。どうやら「五ヶ山クロス」のデビューは、華やかなものになりそうだ。

来年3月、「ダムサイト記念公園」がオープンするころ、ここ五ヶ山では桜が見頃を迎える。きっと多くの人で賑わうことになるだろう。そういえば、かつて小川内にはそれは見事な桜の木があった。残念ながら、今はダムの底に沈んでしまったが。

 

《追記:2018.11.7》

那珂川市は、本日(7日)から、商業施設に入る飲食コーナーのテナント募集をはじめた。資料にも書かれているが、この地域は上水道がないため井戸水で、脊振山からの地下水を使用することになる。(ちょっと気になることもあるが)どんなお店が入るのか、期待したい。なお、平面図と立面図が公開されていたので、参考まで。(一番下に掲載しています)

 

《追記:2018.12.27》

那珂川市は、昨日(26日)、商業施設のテナント入居者の審査結果を発表した。見ると、該当者なしとなっている。市が希望するようなお店を提案する人がいなかったのだろうか。観光客がどれほど見込めるかわからないところで、応募する人もそう多くはないとは思うが。隣接するグリンピア那珂川もオープン当初は多くの人で賑わい、飲食店など入っていたが、来場者の激減とともに施設は衰退していった。それでか、那珂川市は五ヶ山ダムを活用したアウトドアを売りに、盛り上げようとしている。商業施設のオープンは3月に迫っているが、さてどうなるか。

那珂川市HP。五ケ山クロスベース商業施設のテナント入居者(飲食)を募集しています!【審査結果の追加】(2018.12.27)

 

撮影日:2018.10.12

対岸の展望台から「ダムサイト記念公園」を望む (写真中央左、右は無人管理棟)

 

 

 

 

 

公園はほぼ完成 

 

 

 

 

 

商業施設は工事中 建物の両サイド(階段状)から展望台へ

 

 

 

 

 

正面から(中に入れないので遠くから) 

 

 

 

 

イメージパース こうなるらしい

 

 

 

 

 

公園から見るダムサイト 

 

 

 

 

 

五ヶ山マラソンスタート地点

 

 

 

 

 

 

 

 来年3月完成予定

 

 

 

 

商業施設・立面図

 

 

商業施設・平面図

 入り口右側が物販スペース、左側が飲食スペース

 

 

 

《関連記事》

那珂川町:五ケ山ダム公園整備 アウトドア拠点に キャンプ用品の販売ゾーン拡大 来夏完成目指す(毎日新聞2017.11.16)

《関連資料》

那珂川市。五ケ山クロスベース商業施設のテナント入居者(飲食)を募集します!(2018.11.7) 

 


「小川内の杉」移植から2年半~これまでをふりかえる

2018-10-16 16:22:11 | 五ケ山ダム

先週末、脊振山中の枯葉剤調査後、久しぶりに「小川内の杉」に会いに行った。早いもので、「世紀の移植」から2年半の歳月が過ぎた。今では話題にも上らなくなったが、杉は皆、元気な様子だった。この日、偶々、管理者(森造園)の方が見えていたので、お聞きすると、根は少しずつ伸びているとのことだった。どうやってそれを確認するのか尋ねたところ、杉の根元に点検口があるのでそこから確認するのだと、場所を教えてもらった。(下写真参照)

2016年4月の移植後、何度ここを訪れたか知れないが、根をチェックするための点検口があったとは知らなかった。確かに2016年11月に点検口のようなものができていたが、それが根の点検口だとは思わなかった。昨年1月には、杉を保護する鉄枠の外にフェンスが張られ、看板が設置された。それは、点検口に人が入らないようにするためのものだったのだ。今年3月には、東屋や駐車場が整備され、移植場所は立派な公園になった。来年3月には、キャンプ場やダムサイト記念公園がオープンする。きっと多くの観光客が「小川内の杉」を見に訪れることだろう。かつて小川内集落の人たちが、この杉を”ご神木”として親しんだように。

移植から2年半、杉は順調に育っているが、それも職人さんの努力があってこそ。この日も下草を刈り、丁寧に土の手入れをされていた。根は伸び始めたばかりなので、(杉を保護している)鉄枠が外れるのはまだ先のこと。これからも地道な作業は続く。

 

撮影日:2018.10.12

お~い、元気

 

 

 

 

 

点検口(中央の四角い箱) ここから根の状態を確認(うしろで職人さんが土の手入れ中)

 

 

 

 

 

 

 根付いておよそ半年、よくがんばったね

 

 

 

 

移植から2年半、これまでをふりかえってみる(未公開写真あり)

2016年5月14日(移植から約1ヶ月) 点検口の設置部分を掘削していた 

 

 

 

 

 

2016年7月24日(移植から約3ヵ月) まわりは土で覆われていた

 





2016年11月16日(移植から約7ヵ月) 点検口が設置されていた 

 

 

 

 

 

2017年1月28日(移植から約9ヵ月) フェンスが設置された 杉の根元は筵で保護されていた 

 

 

 

 

 

2017年1月28日(同上) 看板が設置された ※左の看板は移植前のところから運ばれたもの

 

 

 

 

 

2017年4月24日(移植から約1年) まだ根付いていない

 

 

 

 

 

2017年8月1日(移植から約1年4ヵ月) 緊急時用の井戸が掘られた

 

 

 

 

 

2018年3月10日(移植から約1年11ヵ月) 公園整備中、まもなく完成

 

 

 

 

 

2018年3月10日(同上) 五ヶ山ダム建設によって移転を余儀なくされた小川内の人たちのことを伝える看板が設置された

 

 

 

 

 現在の状態

2018年4月8日(移植から約2年) 立派な公園になった(もとの看板の枠が塗り替えられていた)

 

 

 

《参考資料》

・ 五ケ山ダムの建設に伴う小川内の杉移設工事(宮地エンジニアリング㈱)※専門資料

 


【現地調査】脊振山中埋設、猛毒除草剤(245T剤)2ヵ所目を探して

2018-10-15 09:24:33 | 245T剤埋設問題

脊振山中に埋設されている猛毒除草剤(245T剤)問題について。21年前の福岡県議会本会議の議事録(入江議員と県のやりとり)から、245T剤は脊振山中に2ヵ所埋設されていることがわかった。そこで、2つ目の場所を確認するため、先週(12日)、枯葉剤の研究をされている北九州市立大国際環境工学部の原田和明氏に同行し、現地調査を行った。

まずは坂本峠から登山道に入り、埋設場所へ向かった。度重なる台風の影響だろう、山の中は木々が散乱していた。ほどなくして埋設場所に到着したが、そこは大きな変化はなかった。前回は気付かなかったが、かつて塀として使われていたのか、丸太の一部がフェンスの外側に残っていた。出入口は1ヵ所あるが、扉の錠(スライド棒)は錆びついており、開けられた形跡はなかった。この状況からして、林野庁の検査がフェンスの外からの目視であることが推察できる。(下写真参照)

議事録に記載されている「二カ所に分けて埋設」には、2つの仮説が考えられる。一つは、この埋設場所に2ヵ所に分けて埋められている場合。もう一つは、別の場所に埋められている場合。そこで、今回は後者の仮説を検証するため、(枯葉剤を運ぶには林道が不可欠なため)、埋設現場から永山林道を経て、登山道と合流する地点まで調査を行うことにした。(下地図参照)今回の調査でわかったことだが、埋設場所横の道は永山林道ではなかった。この道は坂本峠には繋がっておらず、国土地理院地図にも表示がない。坂本峠方面(上り)は行き止まりで、そこには高圧送電線の鉄塔がそびえ立っていた。つまり、埋設場所横の道は、永山林道からの脇道だった。

その脇道を少し下るとすぐに永山林道に出た。そこから蛤岳方面へ10分くらい歩くと林道は二手に分かれていた。(左が永山林道だが、山を下るようになるので)分岐点を右に巻いてしばらく登っていく。すると登山道との合流地点に出た。そこには登山標識が立っていて、資材置き場のような空き地があった。念のため確認をしてみたが、それらしきものはなかった。この道は、九州自然歩道とほぼ並行して走っているが、途中、埋設場所と思われるようなところは見当たらなかった。道は荒れていて(轍は残っているが)、車が通っているような気配はなかった。というわけで、来た道をもう一度確認しながら、埋設場所まで戻った。

やはり、別の場所は存在しないのだろうか。確かに作業する人の気持ちになれば、1000キロ近い汚染物をわざわざ2つに分けて、別の場所に埋めるような面倒くさいことはしないだろう。その場で半分に分けて埋めるほうが楽だから。議事録をあらためて見ると「二カ所に分けて埋設されてありますが、どちらも中央部のくぼみが大きくなって…」とあり、同じ場所を見ているような情景も浮かばなくはない。それに、もう一つの場所を特定するような文言も出てこない。今回の現地調査でも、2つ目の場所は見当たらなかった。

ところで、今回の調査には、朝日新聞社の記者さん、わざわざ東京から(ゼミの課題が枯葉剤らしく)中央大学の学生さんも同行された。埋設現場の近くには、福岡市民の生活用水となる五ヶ山ダムがあり、環境への影響が懸念されるが、当事者である福岡市民の関心は薄い。そんな中、このような方々がおられるのは励みになる。今後、林野庁を取材されるようなので、ここはひとつプロの記事に期待したい。もっと多くの市民が声を上げないと、この物騒なものは動きはしないだろうから。

 

撮影日:2018.10.12

猛毒除草剤(245T剤)埋設場所 

 

 

 

 

 

 開けられた形跡はない

 

 

 

 

 

埋設場所は左側の道を登ったところ(白い看板が見える)その先は行き止まり、右側は永山林道

 

 

 

 

 

 途中、アサギマダラに遭遇!

 

 

 

 

 

九州自然歩道との合流地点に到着 あたりにそれらしきものは見当たらない

 

 

 

 

 

九州自然歩道 坂本峠方面

 

 

  

 

 

ふたたび埋設場所へ やはりここに2ヵ所埋められているのか

 

 

 

 

 

今回、調査した場所(紫色部分) 埋設場所(位置)は坂本峠登山口からの距離をもとに想定(国土地理院地図使用)

 

 

《余談》

その1:永山林道分岐点から九州自然歩道合流地点までの写真を取り忘れ、あしからずご了承を。(テンション上がっていたのかな、、)

その2:衆議院議員の城井たかし議員(福岡県10区)が林野庁へのヒアリングを行っている。その際、林野庁が提出した資料をみると、脊振山中での調査は、西日本豪雨直後の7月9日に行われている。

林野庁が城井議員に提出した資料(写真は城井議員ブログより)

 

 


高島市長3選阻止なるか、神谷貴行氏立候補

2018-10-08 15:44:22 | 福岡市政

一縷の光になるか。福岡市長選(11月4日告示、11月18日投開票)で、共産党市議団事務局長で漫画評論家の神谷貴行氏が今月5日、無所属(共産党推薦)で立候補を表明した。記者会見では「現市政は大型開発や国家戦略特区などの規制緩和一辺倒だ」と述べ、「1%のためでなく99%のための市政を」とのスローガンと34の公約を掲げた。会見では、なぜ高島市長に代わって新しい市政をつくらなくてはいけないのか、その理由をわかりやすく述べている。報道で初めて知ったことだが、この方、実は紙屋高雪(ペンネーム)さんだった。時々、ブログは拝見していたが、よもや高雪さんが神谷さんとは初耳だった。すでに多くの方がコメントされているが、神谷氏はなかなかの知識人で鋭い分析力の持ち主、しかも政策に長けている。申し訳ないが、高島市長とは比べものにならないほどレベルは高い。というか中身が詰まっている。それでいて柔軟性がある。(共産党支持者ではないが)期待は膨らむ。

神谷氏がいう、高島市政の最大の問題は、経済成長はしたが、その果実は一部の人間にしか行っておらず、市民が貧しくなっていること。それは、福岡市が出しているデータ(市民経済計算)を見れば一目瞭然だという。確かに、実際にもうかっているのは、市内にある大企業だけ。高島市政になって大企業の法人所得は60%増で、内部留保は1兆円も増えている。ところが、市民の家計の可処分所得(もうけ)をみると、1世帯あたり10%近くも減っている。しかも、福岡市民の半分が低所得層(年収300万円未満)という状況になっている。

高島市政をふりかえれば、交付金漬の人工島事業にインバウンド頼りのウオーターフロント開発。さらに、安倍首相が進める国家戦略特区による規制緩和による大型開発、「天神ビッグバン」など、いわゆるトリクルダウン(富裕層が潤えば富が全体に行き渡る理論)政治だ。ところが、現実にはいびつな成長によって貧困家庭が増えている。それなのに高島市長は”私の夢”だといい、博多駅~ウオーターフロント~天神を結ぶロープウェー計画(推計最大400億円)を押し進めようと企んでいるから、たまらない。このまま高島市政が続くようなら、福岡市の二極化はさらに進むに違いない。果たして、これで住みやすい都市(まち)と言えるのだろうか。

ところで、神谷氏は「市民の皆さんにいろんな形の争点が見えてくるから」と言って、高島市長との公開討論を要望している。「高島さんの方が経験や知恵もあるし、ベテランだと思うんで、ちょっと私の方が不利かもしれませんけども、ぜひやりたい」と相手を尊重しつつ。高島市長が公開討論を受けるかどうかわからないが、逃げずに受けてほしい。きっと多くの市民が望んでいるはずだから。かく言う私も。



公開討論会を訴える神谷貴行氏 (写真:西日本新聞より)


《神谷貴行氏プロフィール》

愛知県西尾市出身。48歳。京都大学法学部卒業。京大在学時に全日本学生自治会総連合委員長。共産党東京都委員会勤務を経て、2006~17年まで福岡市共産党市議団事務局次長を務める。福岡市長選は「市民が主人公の福岡市をめざす市民の会」から無所属で出馬。

ツイッターはこちら⇒@kamiyatakayuki1


《関連記事》

「市民にかけられた魔法を解きたい」共産党が推薦、神谷候補が主張した福祉や経済論(西日本新聞 2018.10.7)

出馬表明の神谷氏 現職と対決姿勢「幅広い市民の代表に」(西日本新聞 2018.10.6)

神谷氏が立候補正式表明 福岡市長選 共産県委員会が推薦(西日本新聞 2018.10.6)

【西日本新聞特設】福岡市長選(随時更新中)

《関連資料》

かみや貴行のブログ ※毎日更新中




高島市長 出馬表明

2018-10-03 11:31:33 | 福岡市政

昨日(2日)、高島市長は定例会見中に福岡市長選の出馬表明を行った。当初、4日からはじまる決算特別委員会で表明をすると言っていたが、安倍首相の内閣改造と同じタイミングでの出馬表明となった。これについて、高島市長は記者会見で「市民から選挙に出ないのか、東京に行かないでとの声を聞くようになった」から出馬表明を早めたと述べている。これで市議会での正式発表を反故にした形となった。尤も、議会軽視は今にはじまったことではないが。

これを受けて、2日、自民党福岡市議団は会派会議で市長選への対応を協議し、高島市長の支援を決めた。今後は推薦や政策協定について協議していくという。ところが、高島市長は記者会見で「自民党の公認はどっちでもいい」「私を推薦したいと党が思えば推薦していただければいい」と突き放している。この会見を自民党市議団が見ていたかどうかわからないが、見ていたなら気分を害しているに違いない。会派会議では全会一致で支援が決まったが、高島市長への不満はくすぶっている。「対抗馬も出せないので応援せざるを得ない」と漏らす議員もいる。今後、双方の関係がどうなるかわからない。ふたたび火花が散るようなこともないとは言えない。

一方、高島市長のほうは独走態勢だ。安倍首相を後ろ盾に、西鉄社長やJR九州など福岡の財界(七社会)を味方につけ、圧倒的な勢力で市長選にのぞむ。おそらく、3選は間違いないだろう。だから、市議団の推薦など必要ないと言っているのだ。だが、この強気な姿勢はいつまでも続くとは思えない。起業する若者からは絶大な人気を誇る高島市長だが、福岡市民はそういう人ばかりではない。あらゆる人に利益配分をと言いながら、現実には真逆な政策が横行している。目を向けていないところ、特に高齢者など弱者からは不満が噴出している。これらの人たちの声に耳を傾けないようなことが続けば、いずれ厳しい審判が下されることになるだろう。


10月2日記者会見の様子(RKBニュースより)




《関連記事》

高島市長が3選出馬表明 福岡市長選「引き続きチャレンジ」(西日本新聞 2018.10.2)

自民市議団、高島氏支援 「全会一致」もくすぶる不満(西日本新聞 2018.10.3)