yamanba's blog

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【現地調査】脊振山中埋設、猛毒除草剤(245T剤)2ヵ所目を探して

2018-10-15 09:24:33 | 245T剤埋設問題

脊振山中に埋設されている猛毒除草剤(245T剤)問題について。21年前の福岡県議会本会議の議事録(入江議員と県のやりとり)から、245T剤は脊振山中に2ヵ所埋設されていることがわかった。そこで、2つ目の場所を確認するため、先週(12日)、枯葉剤の研究をされている北九州市立大国際環境工学部の原田和明氏に同行し、現地調査を行った。

まずは坂本峠から登山道に入り、埋設場所へ向かった。度重なる台風の影響だろう、山の中は木々が散乱していた。ほどなくして埋設場所に到着したが、そこは大きな変化はなかった。前回は気付かなかったが、かつて塀として使われていたのか、丸太の一部がフェンスの外側に残っていた。出入口は1ヵ所あるが、扉の錠(スライド棒)は錆びついており、開けられた形跡はなかった。この状況からして、林野庁の検査がフェンスの外からの目視であることが推察できる。(下写真参照)

議事録に記載されている「二カ所に分けて埋設」には、2つの仮説が考えられる。一つは、この埋設場所に2ヵ所に分けて埋められている場合。もう一つは、別の場所に埋められている場合。そこで、今回は後者の仮説を検証するため、(枯葉剤を運ぶには林道が不可欠なため)、埋設現場から永山林道を経て、登山道と合流する地点まで調査を行うことにした。(下地図参照)今回の調査でわかったことだが、埋設場所横の道は永山林道ではなかった。この道は坂本峠には繋がっておらず、国土地理院地図にも表示がない。坂本峠方面(上り)は行き止まりで、そこには高圧送電線の鉄塔がそびえ立っていた。つまり、埋設場所横の道は、永山林道からの脇道だった。

その脇道を少し下るとすぐに永山林道に出た。そこから蛤岳方面へ10分くらい歩くと林道は二手に分かれていた。(左が永山林道だが、山を下るようになるので)分岐点を右に巻いてしばらく登っていく。すると登山道との合流地点に出た。そこには登山標識が立っていて、資材置き場のような空き地があった。念のため確認をしてみたが、それらしきものはなかった。この道は、九州自然歩道とほぼ並行して走っているが、途中、埋設場所と思われるようなところは見当たらなかった。道は荒れていて(轍は残っているが)、車が通っているような気配はなかった。というわけで、来た道をもう一度確認しながら、埋設場所まで戻った。

やはり、別の場所は存在しないのだろうか。確かに作業する人の気持ちになれば、1000キロ近い汚染物をわざわざ2つに分けて、別の場所に埋めるような面倒くさいことはしないだろう。その場で半分に分けて埋めるほうが楽だから。議事録をあらためて見ると「二カ所に分けて埋設されてありますが、どちらも中央部のくぼみが大きくなって…」とあり、同じ場所を見ているような情景も浮かばなくはない。それに、もう一つの場所を特定するような文言も出てこない。今回の現地調査でも、2つ目の場所は見当たらなかった。

ところで、今回の調査には、朝日新聞社の記者さん、わざわざ東京から(ゼミの課題が枯葉剤らしく)中央大学の学生さんも同行された。埋設現場の近くには、福岡市民の生活用水となる五ヶ山ダムがあり、環境への影響が懸念されるが、当事者である福岡市民の関心は薄い。そんな中、このような方々がおられるのは励みになる。今後、林野庁を取材されるようなので、ここはひとつプロの記事に期待したい。もっと多くの市民が声を上げないと、この物騒なものは動きはしないだろうから。

 

撮影日:2018.10.12

猛毒除草剤(245T剤)埋設場所 

 

 

 

 

 

 開けられた形跡はない

 

 

 

 

 

埋設場所は左側の道を登ったところ(白い看板が見える)その先は行き止まり、右側は永山林道

 

 

 

 

 

 途中、アサギマダラに遭遇!

 

 

 

 

 

九州自然歩道との合流地点に到着 あたりにそれらしきものは見当たらない

 

 

 

 

 

九州自然歩道 坂本峠方面

 

 

  

 

 

ふたたび埋設場所へ やはりここに2ヵ所埋められているのか

 

 

 

 

 

今回、調査した場所(紫色部分) 埋設場所(位置)は坂本峠登山口からの距離をもとに想定(国土地理院地図使用)

 

 

《余談》

その1:永山林道分岐点から九州自然歩道合流地点までの写真を取り忘れ、あしからずご了承を。(テンション上がっていたのかな、、)

その2:衆議院議員の城井たかし議員(福岡県10区)が林野庁へのヒアリングを行っている。その際、林野庁が提出した資料をみると、脊振山中での調査は、西日本豪雨直後の7月9日に行われている。

林野庁が城井議員に提出した資料(写真は城井議員ブログより)