先月27日からの秋雨前線による大雨で、五ヶ山ダムでは洪水時最高水位にあと4mのところまで水位が上昇した。一時はどうなるかと思って見ていたが、28日午後、雨は小康状態となり、大事には至らなかった。あれから2週間、五ヶ山クロスキャンプ場上の土砂崩壊の状況がずっと気になっていたので、五ヶ山へ行ってみることにした。
生憎、山の上はガスがかかって視界は不良だった。キャンプ場上の駐車場から望遠レンズを使って見たところ、土砂崩壊はじわじわ進んでいるように見えた。キャンプ場横の道路を挟んで山側には砂防ダムがあるが、そのそばに林道らしきものがある。その道を少し上ってみたが、変わった様子はなかった。先月、那珂川市に確認した際、国は7月14日から来年1月17日までの期間に工事を行うという話だったが、現地周辺を見る限り、まだ着手はされていないようだった。
五ヶ山ダムに着くと、洪水調節ゲートから勢いよく水が放流されていた。選択取水設備に設置された水位表示をみると、ダムの水位は常時満水位を超え、およそ407.6mだった。ピーク時からすると1.9mほど低下しており、満水位をキープしていた。この状態だと、もう一度、先月末のような大雨になれば、あっという間に洪水時最高水位に到達してしまうのではないだろうか。先日、五ヶ山ダムのおかげで浸水の被害が出ていないという、県土整備部部長のインタビュー記事を目にしたが、今、五ヶ山ダムを評価するのは時期尚早ではないか。
そういえば、坂本峠から佐賀県側は土砂崩れのため、通行止めとなっていた。毎年、この時期、脊振山のどこかで土砂崩れが起きている。ここ数年の雨の降り方は昔と比べものにならないほど、破壊力が増している。それゆえ、キャンプ場上の土砂が大規模崩壊しないうちに、早く工事をしてほしいと思っているのだが、、(9月12日記)
《追記》
本日(13日)、状況を確認するため、福岡森林管理署に問い合わせたところ、キャンプ場上の土砂崩壊場所に至るまでに、林道が4ヵ所崩れているとのことだった。そのため、現在、そちらの工事を進めている(測量を行っている)とのことで、それが終わり次第、来年度の予算でキャンプ場上(山腹)の工事を行うとのことだった。聞くと、やはり2年前の九州北部豪雨と昨年の西日本豪雨でやられていた。というわけで、来年工事が終わるまで豪雨が起きないことを祈るしかない。
撮影日:2019.9.12
コンクリート塊が砕けながら落ちている 白く見えるのは光が当たっているから(森林管理署談)
キャンプ場上の駐車場から崩落現場を見る(写真右上)
キャンプ場横の道から崩落現場を見る(写真中央上)
キャンプ場近くにある砂防ダム 水量が多い
崩落現場は倉谷林道上にある(紫丸)。この林道ではこのほか4ヵ所で崩壊が起きているというが、五ヶ山ダムができてから林道にゲートがつくられ、鍵がかかっているので入ることはできない(この林野庁国有林図面は古いため、五ヶ山ダムは記入されていません)
五ヶ山クロスキャンプ場 平日午前中は閑散、、
五ヶ山ダムへ
ちょうど洪水調節ゲートから放流中
近づいてみる
ゲート真上から
常時満水位を超えている
今の水位は407.6m 先月28日には409mを超えていた
ダム堤体から
ダム堤体付近
どこまでも続く水面の先にわずかに残った那珂川が その先に背振ダムがある
坂本峠、通行止め
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