一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

5月16日の大野教室(後編)

2021-07-11 00:49:07 | 新・大野教室

第7図以下の指し手。▲9七角△7五歩▲5四歩△4三玉▲4七歩△4四銀▲4六桂△5五銀左▲3四桂△同玉(第8図)

第7図でも何を指していいか分からなかったが、▲9七角は△7五歩と換わって明らかに損だった。
それでも▲4七歩と足場を作り、▲4六桂から▲3四桂としたところでは、まがりなりにも金得になり、まだ指せると思った。

第8図以下の指し手。▲6五桂△同桂▲同歩△6六歩▲7七金△8五桂▲6四歩△7七桂成▲同銀△6七歩成▲5三歩成△5七桂(投了図)
まで、125手で大野七段の勝ち。

第8図では金より桂か香がほしい。それがあれば▲4六に打って下手好調だ。その桂を入手すべく、
私は恐るべき独善の読みを展開する。すなわち第8図の▲6五桂がそれで、△同桂▲同歩△同銀▲5三歩成で下手よし、という読み。ところが桂を跳ねると大野七段は待ってましたと△同桂。▲同歩の銀取りには目もくれず△6六歩。
何とこれで下手が潰れているのに愕然とした。私は▲7七金とよろけるが、△8五桂が激痛である。私は銀を取るよりなく、△6七歩成にはとりあえず▲5三歩成。
ところが大野七段が首をひねりながら△5七桂とし、簡単な3手詰を見落としていたことに自嘲した。もちろん投了である。

「▲1四金とは意地でも交換させたくなくてさあ」と大野八一雄七段。第6図からの進行のことを言っているらしい。「(下手の)飛車が窮屈だから、何とか取れないかと思ったんだけど」
「……」
私は惨敗したので、言葉が出ない。
「あそこは桂を取る前に▲4七銀でしょ」
整理すると、第6図からの数手後、△5五歩に私がすぐ▲4五歩と桂を取ったのが焦りで、△同金と金が威張って、上手がよくなったという。ここは黙って▲4七銀(参考図)と上がるところで、これなら次の▲4五歩△同金に▲4六歩が指せた。

「(第4図の)▲6七金と上がったのがいい手だったね。てっきり飛車を振るかと思ったのに、どうして振らなかったの?」
「やはり振るべきでしたか」
▲6七金は、そこまで深く考えて上がったわけではないが、下手はけっこう逼迫した状況だったらしい。
本局は下手が持ち直したときもあったが、全体的に息苦しい局面が続き、終始自信はなかった。最後は負ける運命だったと思う。

これで5連敗となり、ますますどん底である。時刻は午後6時半にならんとしている。現在緊急事態宣言下ということもあり、夕食の時間も考えると、もう指す時間がない。でも、三段格の少年と30秒将棋を指すことになった。前日に続いての早指し戦だ。
将棋は私の先手。相掛かり系になりそうだったが、私が強引に矢倉を目指す。ここまで彼とは何局も指してきたが、彼は対振り飛車には急戦、相居飛車戦では横歩取りや相掛かりを採用い、じっくりした戦法がない。そこでまったり系の矢倉に持ち込んだというわけだ。

私は▲4六角と出てから▲2八角と引いたが、飛車もいるので、カナケを渡すと両取りの危険がある。だが少年は部分1図で△3五歩と収めた。
これが少年らしからぬ逸機で、ここは△6二角の利きを活かして△3五銀とぶつけるべきだった。
私はやはり▲3八飛と逃げるしかないが、さらに△2六銀と銀交換を目指せば、少年が有望だった。
本譜は私が作戦勝ちになった。以下、少年の無理攻めを丁寧に受けて、少年の指し切りが確定。最後は力なく投了を告げた。大野七段いわく、少年の△4一玉型が最後まで祟ったようだ。

中年が若手に早指しで勝つのは自信になる。これで味よく終了となった。
今日は8局指して3勝5敗。あと1、2勝したかったが、ま、こんなものであろう。
食事は大野七段、W氏と、駅前のインドカレー屋に行った。私は食欲がなく、ライスはおかわりせず。でもカレーは美味かった。
(おわり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする