6月26日(土)は都内某所で、第15期マイナビ女子オープンの予選が行われた。本戦トーナメントベスト16を懸けての戦いである。
これ、コロナ禍がなければアマチュア予選を行い、この予選対局も一般公開になったのだろうが、かような事情では仕方ない。ただ、プロだけの戦い(予選ではアマが1人だけ出場)は、これが本来のプロ棋戦の姿のような気もして、私としてはこちらのほうが好ましかった。
当日は私もいろいろあって、途中経過は一切分からず、夜に結果だけ確認した。すると、結構な番狂わせが何局もあり、私は「あんぐり」としてしまった。ではそれを挙げてみよう。
2枠決勝:●加藤桃子女流三段VS○里見咲紀女流初段
9枠1回戦:○脇田菜々子女流初段VS●加藤圭女流二段
9枠決勝:○脇田菜々子女流初段VS●室谷由紀女流三段
11枠決勝:○貞升南女流二段VS●清水市代女流七段
中井広恵女流六段が天敵の中村真梨花女流三段に勝った、中澤沙耶女流初段が充実している鈴木環那女流三段に勝った、など細かく挙げればキリがないが、私がビックリしたのは上の4局である。
まず、咲紀女流初段が桃子女流三段に勝ったことに驚いた。
咲紀女流初段は言うまでもないが、里見香奈女流四冠の妹さんである。ゆえに才能もあるのだろうが、いままではこれといった活躍がなかった。実際本局も、桃子女流三段の勝ちを10人が10人予想したであろう。
だが将棋は時として、万人の予想を覆す。本局がまさにそうで、ヒラの女流初段(失礼)がタイトル8期の強豪に勝ち切った。これは特筆に値する。
脇田女流初段もよく勝った。1回戦の圭女流二段は最近売り出し中の強豪で、女流棋士3年目ながら、複数のリーグ入り経験がある。そして第1期女流順位戦ではリーグ戦を全勝で駆け抜け、順位決定戦1回戦にも勝利。七番勝負登場まで「あと1」としており、いま最も乗っている女流棋士である。
これも、勝敗予想を行えば「圭ノリ」とするところ。そこを脇田女流初段が勝ったのが素晴らしい。
そして決勝では、室谷女流三段を退けた。室谷女流三段は最近不調のようだが、前期女流王将戦では「実力四段」の西山朋佳女流三冠相手に、タイトル奪取寸前までいった実力の持ち主である。要するに、脇田女流初段が容易に勝てない相手なのだ。そこを勝ち切ったのがすごい。
脇田女流初段は、2日の女流王座戦でも、真梨花女流三段に勝った。これはもはや、今回の2勝がフロックではなかったということだ。
11枠もかなりの番狂わせである。いつも女流順位戦を引き合いに出して恐縮だが、貞升女流二段は女流順位戦で7戦全敗。順位決定戦の1回戦でも負け、61位~64位が確定している。つまり、圭女流二段とまったく逆の星だから、ワースト4になってしまったわけだ。彼女とタイトル43期の強豪が戦えば、やはり後者の勝ちと予想してしまう。
しかし貞升女流二段は勝った。ここは勝った貞升女流二段を褒めるべきであろう。
もはやこうなったら、勝った3人に挑戦者までなってほしいが、咲紀女流初段は本戦トーナメント1回戦で、香奈女流三冠と当たることになったらしい。
なるほど……と、私はニヤリとしたのであった。
これ、コロナ禍がなければアマチュア予選を行い、この予選対局も一般公開になったのだろうが、かような事情では仕方ない。ただ、プロだけの戦い(予選ではアマが1人だけ出場)は、これが本来のプロ棋戦の姿のような気もして、私としてはこちらのほうが好ましかった。
当日は私もいろいろあって、途中経過は一切分からず、夜に結果だけ確認した。すると、結構な番狂わせが何局もあり、私は「あんぐり」としてしまった。ではそれを挙げてみよう。
2枠決勝:●加藤桃子女流三段VS○里見咲紀女流初段
9枠1回戦:○脇田菜々子女流初段VS●加藤圭女流二段
9枠決勝:○脇田菜々子女流初段VS●室谷由紀女流三段
11枠決勝:○貞升南女流二段VS●清水市代女流七段
中井広恵女流六段が天敵の中村真梨花女流三段に勝った、中澤沙耶女流初段が充実している鈴木環那女流三段に勝った、など細かく挙げればキリがないが、私がビックリしたのは上の4局である。
まず、咲紀女流初段が桃子女流三段に勝ったことに驚いた。
咲紀女流初段は言うまでもないが、里見香奈女流四冠の妹さんである。ゆえに才能もあるのだろうが、いままではこれといった活躍がなかった。実際本局も、桃子女流三段の勝ちを10人が10人予想したであろう。
だが将棋は時として、万人の予想を覆す。本局がまさにそうで、ヒラの女流初段(失礼)がタイトル8期の強豪に勝ち切った。これは特筆に値する。
脇田女流初段もよく勝った。1回戦の圭女流二段は最近売り出し中の強豪で、女流棋士3年目ながら、複数のリーグ入り経験がある。そして第1期女流順位戦ではリーグ戦を全勝で駆け抜け、順位決定戦1回戦にも勝利。七番勝負登場まで「あと1」としており、いま最も乗っている女流棋士である。
これも、勝敗予想を行えば「圭ノリ」とするところ。そこを脇田女流初段が勝ったのが素晴らしい。
そして決勝では、室谷女流三段を退けた。室谷女流三段は最近不調のようだが、前期女流王将戦では「実力四段」の西山朋佳女流三冠相手に、タイトル奪取寸前までいった実力の持ち主である。要するに、脇田女流初段が容易に勝てない相手なのだ。そこを勝ち切ったのがすごい。
脇田女流初段は、2日の女流王座戦でも、真梨花女流三段に勝った。これはもはや、今回の2勝がフロックではなかったということだ。
11枠もかなりの番狂わせである。いつも女流順位戦を引き合いに出して恐縮だが、貞升女流二段は女流順位戦で7戦全敗。順位決定戦の1回戦でも負け、61位~64位が確定している。つまり、圭女流二段とまったく逆の星だから、ワースト4になってしまったわけだ。彼女とタイトル43期の強豪が戦えば、やはり後者の勝ちと予想してしまう。
しかし貞升女流二段は勝った。ここは勝った貞升女流二段を褒めるべきであろう。
もはやこうなったら、勝った3人に挑戦者までなってほしいが、咲紀女流初段は本戦トーナメント1回戦で、香奈女流三冠と当たることになったらしい。
なるほど……と、私はニヤリとしたのであった。