一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第79期順位戦の名人挑戦者と、昇降級者予想の答え合わせ

2021-03-14 00:34:58 | 勝敗予想
第79期順位戦は、11日のB級1組をもってすべてが終わった。
当ブログでは昨年の6月2日に昇降級予想を行ったので、その答え合わせをしよう。
まず、予想とそのコメントを再掲する。


■A級
名人挑戦:名人戦の敗者が渡辺明三冠だった場合→菅井竜也八段
名人戦の敗者が豊島将之竜王・名人だった場合→豊島竜王
降級:三浦弘行九段、稲葉陽八段

渡辺三冠が破れた場合、さすがに連続挑戦はないと思う。そこで、若干穴の気もするが、菅井八段の挑戦とした。前期B級1組での勝ちっぷりがあまりにもよかったからである。
豊島竜王・名人が破れた場合は、すぐにリターンマッチしそうだ。
降級は、誰も降級しそうにない。ただ、新A級の2名は落ちない気がする。よって、順位7位と8位の2名を降級とした。

■B級1組
昇級:木村一基王位、久保利明九段
降級:松尾歩八段、山崎隆之八段、近藤誠也七段

B級1組はA級2組なので、誰が上がってもおかしくない。久保九段は順位もいいし、昇級の最右翼だろう。
木村王位は微妙だが、順位1位とタイトルホルダーの実績を買った。
降級は、誰も落ちないと思う。

■B級2組
昇級:横山泰明七段、戸辺誠七段、藤井聡太七段

横山七段と澤田真吾六段を昇級候補に見ているが、両者が2回戦で対戦する。横山七段の勝ちと予想して、横山七段の昇級とした。ただ、横山七段のほうが10名の当たりはキツイ。保険を掛けるなら両者を挙げるのがいいのだが……。
藤井七段の昇級は当然。10戦全勝で上がるだろう。
残り1名が難しい。澤田六段にすれば簡明だが、ここは戸辺七段を推してみよう。ちょっとした勝負手である。

■C級1組
昇級:及川拓馬六段、石井健太郎五段、都成竜馬六段

及川六段は昇級の最有力だろう。
石井五段と都成六段も順位がよく、毎年高勝率で期待されるが、最終戦で直接対決がある。どっちが勝つか分からず、こちらは両者昇級の保険を掛けた。

■C級2組
昇級:佐々木大地五段、大橋貴洸六段、斎藤明日斗四段

佐々木五段は、そろそろ上がらないとしょうがない。4回戦の大橋六段戦が勝負だが、ここに勝つと見た。
その大橋六段は、ほかの9局に全部勝ちそうな気がする。8勝でも昇級できるだろう。
あとは分からないが、斎藤四段は意外にいい位置につけている。何となく上がりそうである。

以上が予想の17名である。8名当たれば、胸を張れるのではないか。


では、答え合わせである。左が予想、右が結果だ。正解は赤字にした。

■A級
名人挑戦:豊島将之竜王→斎藤慎太郎八段(8勝1敗)
降級:三浦弘行九段、稲葉陽八段→稲葉陽八段三浦弘行九段

■B級1組
昇級:木村一基王位、久保利明九段→永瀬拓矢王座(9勝3敗)、山崎隆之八段(9勝3敗)
降級:松尾歩八段、山崎隆之八段、近藤誠也七段→行方尚史九段、丸山忠久九段、深浦康市九段

■B級2組
昇級:横山泰明七段、戸辺誠七段、藤井聡太七段→藤井聡太王位・棋聖(10勝0敗)、佐々木勇気七段(9勝1敗)、横山泰明七段(7勝3敗)

■C級1組
昇級:及川拓馬六段、石井健太郎五段、都成竜馬六段→高崎一生七段(10勝0敗)、増田康宏六段(9勝1敗)、高見泰地七段(8勝2敗)

■C級2組
昇級:佐々木大地五段、大橋貴洸六段、斎藤明日斗四段→黒田尭之四段(9勝1敗・五段に)、出口若武四段(9勝1敗・五段に)、大橋貴洸六段(8勝2敗)

A級は斎藤八段が8勝1敗のぶっちぎりで名人挑戦を決めた。A級のこのメンバーで8勝は、素直に凄い。名人戦が楽しみだ。
降級2名はともに当たった。それにしても、三浦九段の1勝は意外だった。

B級1組は全然当たらなかった。ことに昇級の山崎八段を降級に挙げていたのだから、どうしようもない。
もうひとりの昇級は永瀬王座だったが、実は予想のとき、永瀬王座がB級1組にいたことをうっかりした。それに気付いていれば当然昇級候補に推していたのに、残念だ。
木村九段も、順位1位で8勝なら十分昇級の範囲内だったが、9勝が2名出現とは、運がなかった。
降級は行方九段ら3名。今期から降級が3人になったので、行方九段が泣くことになった。私見だが、B級1組の降級3名とB級2組の昇級3名は、ともに2名でよかったと思う。

B級2組は、藤井王位・棋聖が10戦全勝で昇級。これは予想していたので、全然驚かない。いや、驚いている。
佐々木七段の昇級も見事。佐々木七段は藤井二冠を意識していると思うが、同時昇級は実力を見せた。
横山七段の7勝で昇級は珍しい。第39期C級2組で伊藤果四段が7勝3敗で昇級昇段したことがあったが、これも「3人昇級」の恩恵である。

C級1組は、高崎七段の10戦全勝はまったく読めなかった。本人もびっくりしているだろう。
増田六段、高見七段は昇級候補に挙げなかったが、昇級して当然の実力者だ。

C級2組は大橋六段の昇級は当然として、黒田四段と出口四段の昇級昇段は、まったく読めなかった。ことに出口四段は降級点持ち。こんなことがあるのも順位戦なのだろう。
佐々木五段は、7勝3敗だった。大橋六段に負けても昇級の目があったのだが、9回戦で3勝の谷合廣紀四段に負けて、終わった。これも順位戦というべきか。

以上、第79期は17名中5名正解。いくら予想とはいえ、せめて昇級者のほうから、もう少し正解が取れなかったものか。
かくも予想は難しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする