一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3月7日の4時から男(後編)

2021-03-17 00:05:49 | 新・大野教室
右のShin-女性戦は、詰むや詰まざるやの大詰めになっている。
W氏がOk氏との手合いを付けてくれたが、Ok氏は帰るとのこと。Taga氏も帰ってしまったし、年間パスポート利用の2人は引き際が潔い。
もうひとりの女性は佐藤氏と指している。私は三度Tod氏に対局をお願いした。3局目はさすがに異例だが、私が消化不良なのである。
だが時刻は午後6時を過ぎてしまった。現在大野教室は6時まで。これはのちの食事の時間を考慮しているためだ。だが早指しならということで、W氏が許可してくれた。
「持ち時間が短ければ、上手が有利です」
と大野八一雄七段。手合いは三たび二枚落ちとなり、私は今度こそ本当に負けられなくなった。もはやTod氏の温情にすがっている感じだ。
これも定跡通り指したが、私が盛り上がりに成功し、今度こそ勝ったと思った。△7五金△7六歩と抑え、△6五桂と跳ねているからだ。

が、第1図からTod氏の▲7九飛が好手。これで次の▲7六金△同金▲同飛の捌きが受からなくなった。▲8七金の形がここでは奏功しているのだ。これがあるなら私は早く△7七歩成▲同桂△同桂成▲同金△7六歩▲7八金の形にし、▲7九飛を間接的に防いでおくべきだった。
実戦もTod氏に捌かれて苦しくなった。しかも平凡な▲8五銀をうっかりするなど、私は防戦一方。それでも私は、一段目に金を2枚打ち付けて頑張る。こんなに必死なのも久し振りだ。

だがTod氏は的確に寄せの網をしぼる。第2図の▲5二桂成も好手。当然といえば当然だが、この手もうっかりした。私は驚いて△3二玉と逃げたが、▲4一成桂で負けを早めた。
ただ△5二同金も▲同成銀△同玉▲7一竜で上手負け。
本譜も以下、Tod氏の快勝となった。
悪夢の3連敗……。Tod氏に連敗したのは記憶にないから、3連敗は想定外だ。これは実力差なのか、それとも私の棋力がサビついているのか。
「いつもは大沢さんに、こう指されたらイヤだなあ、っていうのがあるけど、今日はそう思っても、大沢さんが指してこなかった」
とTod氏。そうか……。
今日は出だしで連勝したのに、その後は悪い夢を見てしまった。
さて、食事である。佐藤-女性戦の感想戦は長引いており、終わりそうにない。よって参加者は大野八一雄七段、W氏、Tod氏、私など5名となった。場所は近所の定食屋で、久し振りだ。密を避けるため、予約も入れた。
入店すると大テーブルをゆったりと使えたので、5名だが問題なしと判断した。
私は唐揚げ定食を頼む。外食も久し振りで、これも前回の大野教室以来となる。
唐揚げは衣が厚いパターンのやつで、ホクホクして、美味かった。
それにしても熱いのが、Tod戦の3連敗だ。今日が土曜日だったら明日もTod氏を誘って再戦を申し込むのだが、日曜日では適わない。
W氏は「12,000円を出せば月に6回来られるよ」と勧めてきたが、そこまで将棋に熱中したくないところもある。思い立ったときにふらりと来るのがいいのだ。
と、Tod氏が「いつも大沢さんのブログを楽しませてもらってるから……」と、私にFRIDAY図書カードをくれた。デザインはグラビアアイドルの久松郁実で、Tod氏には以前も彼女のカードをもらったことがある。
私にくれるくらいなら自分で使っちゃえばいいのにと思うが、遠慮なしにいただく。
さっき雑談が始まったのにもう8時で、会計である。私は財布から千円札を取り出す。……あれっ?
お札が、2万2千円しかない。昼の時点で2万8千円あったのに、どういうことだ?
あっ! 大野教室で、2千円を払うところを、6千円払ってしまった?
そうだ、暗がりで、しかもお札の中ほどのところから抜いたのが、五千円札だったのだ。
私はそれをW氏に申し出る。するとW氏は「オレも確認しなかった(のが悪い)」と、あっさりと4千円を返してくれた。
これが信用というやつである。ふつうに考えたら、私の言い草はまったく根拠がない。せいぜい数日前からの金銭出納を述べるしかないが、信じてもらえなかったらそれまでだ。私が逆の立場だったら「もう一度財布をよく見ろ。勘違いだろ?」とでも言って返金しないだろう。
最近はこの世がイヤになって、半分自暴自棄になっているのだが、こういういいこともあるのだ。
ただこの4千円は、大野教室で使わなければならないだろう。また顔を出すしかない。
とか言って、いつになるか分からないが。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする