一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋世界」8月号を読んだ感想

2016-07-18 10:38:49 | 将棋雑記
「将棋世界」8月号を読んだ感想。

「イメージと読みの将棋観2」は好きな連載で、いつも最初に読む。今号は、大山康晴名人対升田幸三九段の、第30期名人戦第7局が題材。
驚いたのは、回答者6棋士のうち3人が、この将棋を明らかに知らなかったこと。若手棋士が知らないのは無理もないとしても、郷田真隆王将や鈴木大介八段が知らなかったことは、理解に苦しむ。
実は残りの3人のうち、2人もこの将棋を知らないふうだった。唯一知っていたのは行方尚史八段だが、彼は大山十五世名人の弟子だから、これは知っていて当たり前。
今から45年前の将棋とはいえ、もう升田―大山戦は古典なのか。ちょっと考えさせられてしまった。

マイナビ女子オープン五番勝負は、最終局となった第4局。対局が行われたのは5月18日で、もう1か月半も前のことで、早くも懐かしい。
加藤桃子女王の防衛となったが、敗者の室谷由紀女流二段は写真の扱いが小さい。カラーグラビアに期待していたが、先月号にチラッと載っただけだった。「週刊将棋」の休刊が今さらながらに悔やまれる。

巻頭特集は、佐藤天彦新名人インタビュー。
私は勝者の弁より敗者の弁を聞きたいひねくれ者なので、興味半分で読んだが、なかなか面白かった。

「棋士に聞く本音対談」は、中原誠十六世名人×渡辺明竜王の後編。
ネットが発達しまくった現在、タイトル戦などの記譜速報では、月刊誌はとても敵わない。よって、将棋世界でしか読めない編集を目指すことになるが、それが講座や対談だと思う。
今号も、両者とも本音で話している。「いまの将棋はレベルがあがったといえるのか?」の問いに対する両者の回答が興味深い。
全体的に面白く読めた。

「かりんの将棋部屋」は、室谷女流二段が講師。アイドルと女流棋界きっての美形のコンビは、色香漂う。参考になる手筋が勉強になった。

門倉啓太四段による「最新定跡探査」。今月は「先手中飛車編」。私は指さないが、後手がダイヤモンド美濃に組む構想にはうなった。これ、斎藤慎太郎六段の研究らしいが、最近は棋士が新手(新構想)を披露しても、コンピューターからの拝借じゃねぇの? と、よからぬことを考えてしまう。

別冊付録は「塚田流角換わり△6五同桂革命」。「△6五同桂ストーリー」が手際よくまとめられていて、上質の論文を読むかのよう。単行本にしてもいいくらいの題材だ。
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