一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

7月2日の大野・植山教室(2)

2016-07-09 13:45:21 | 大野・植山教室

第4図以下の指し手。▲7六歩△6三玉▲7五歩△8六歩▲同銀△6五歩▲8二飛△7二歩▲4六桂△6六歩(第5図)

第4図で駒の損得はない。下手は玉の固さ、上手は玉の広さを主張している。しかし平手なのに、上手はいかにも上手らしい形だ。「これがホントの玉頭位取りだね」と植山悦行七段がおどけた。
現在は手番を握っている下手がいいはずだが、上手玉を△5三に逃がしたら下手の負けと認識していた。
第4図では▲8二飛を考えた。△7三玉なら▲8四角△8二玉▲6二角成で下手がおもしろい。
しかし▲8二飛には△7一竜があり、▲8三角△7三玉でどうにも攻めきれない。
ほかに▲2二歩のような手もあるが、本筋でない気がした。
盤の向こうではKaz氏が平手で挑んでいる。矢倉戦で、これはKaz氏の力が出る形だ。
私は結局▲7六歩。△7六桂を防ぎつつ敵玉に圧力を加えた手だが、軽く△6三玉と躱され、この取引はつまらなかった。
△8六歩には▲8三飛もあったが、私は▲同銀。▲同歩は△8七歩を嫌ったものだが、やや判断を誤った。
植山七段は△6五歩。▲同歩なら△6六歩▲同銀△7六桂があり、下手気分的に敗勢。
よって私は攻めるしかなくなったのだが、その前に△6五歩では△5三玉と逃げて入玉を見られているほうが、実戦的にはイヤだった。植山七段が7六に隙を見つけて、攻めたくなったのかもしれない。
私は▲8二飛。しかしちょっと焦り気味で、ここでも△7一竜と回られていたら、下手が劣勢だった。
本譜は△7二歩だったので、まだ下手も戦えると思った。
まあ、プロとアマが平手で指しているわけだから、ふつうに指せばプロが勝つ。だから上手がどこかで緩めてくれるわけだが、それが△6五歩であり△7二歩だったと思う。
私は手が分からず、▲4六桂。これに銀を逃げるのは利かされと見て、植山七段は△6六歩と取り込んできた。
次が、本局唯一の自慢の一手。

第5図以下の指し手。▲8四飛成△4三金▲5四桂△同金▲4三銀(投了図)
まで、一公の勝ち。

銀を取りたいところを堪えて、▲8四飛成とした。ここ、ふつうに▲5四桂では、△同玉で玉を大海に逃がす。黙って▲8四飛成がいいのである。これで上手の入玉がほぼなくなり、有利になったと思った。
植山七段は竜筋を通しつつ△4三金だが、私はありがたく銀を取り、▲4三銀。
ここで植山七段が投了した。

感想戦は、第1図の△4四歩▲同歩△同銀あたりから始めた。私は▲2四歩△同歩▲同飛△4三歩で指しやすくなったと見たのだが、植山七段の予定は△4三歩で△4一飛だった。
しかしそれには前述の▲4二歩があり、不可。この誤算が大きかったようである。
そのほか、植山七段の講義には、勉強になるところが多かった。白星を頂戴して、感想戦でも教えてもらえる。下手にとって最高の状況であろう。

時刻は3時10分を過ぎ、ここで3時休み。Fuj氏が先日の社団戦のことをしゃべるが、それは同日の打ち上げの時に、イヤというほど聞いた。
3時半におやつタイムが終わったが、ここから級位者向けに講座があるらしい。
例の、誰でも詰ませられる局面から遡っていくヤツだ。
今回は大野八一雄七段が、ある大会で見た局面をアレンジしたもので、これがまたすこぶるおもしろかった。大野七段ご自身のブログに掲載してほしいくらいのいい題材であった。
4時に再開。2局目は大野七段に角落ちで教えていただく。
相居飛車で、大野七段は△6二飛と回る。大野七段の常套手段で、上手はここで一歩を交換するのがいいらしい。
△6一飛に▲3七桂と跳ねたのがちょっと早かったらしく、数手後に△1二香~△1一飛とされた。
私は▲2六飛だが、自玉はまだ▲6九なので、強い戦いができない。これは失敗したと思った。

第1図以下の指し手。▲6八角△2一飛▲7九玉△2五歩▲8八玉△2六歩▲2五歩△同桂▲2六飛△3七桂成▲2一飛成△同玉▲6一飛△2二玉▲2三歩△2二歩▲4五歩△2九飛(第2図)

私は▲6八角と上がった。とにかく玉を入城させないとしょうがない。
△2五歩に▲2七歩と受けるのでは何をやってるのか分からないので、▲8八玉と上がった。
△2六歩に▲2八歩とも打てないので▲2五歩だが、以下下手が桂損になり、おもしろくなかった。
▲4五歩。△4七成桂なら▲2四歩△同銀▲同角△同玉▲1二竜で勝負だが、大野七段は△2九飛とおろし、すべての狙いを消す。

第2図以下の指し手。▲1五歩△同歩▲4四歩△同銀▲1五香△1四歩▲8一竜△4七成桂
まで、大野七段の勝ち。

私は▲1五歩。2歩を入手して▲2四歩からの攻めを実現させたいが、どうもうまくいかない。
▲8一竜と桂を取ったが、これでは上手玉への脅威がなくなってしまった。以下△4七成桂まで投了。
その瞬間気付いたのだが、▲8一竜では▲1四香△同銀▲1三歩△同香▲2四歩△3三玉▲1二竜で、下手もまだ戦えたのではないか??
しかし大野七段が局面を中盤に戻してしまったので、それを言う機会を逸した。
「▲3七桂が早かったからねえ。こちらは端攻めをするくらいしか手段がないんだ」
戻って△2四歩の時は、悔しくても▲2六歩と打つところだったという。これで一局。
プロに平手で勝って角落ちで負ける。これが将棋のむずかしさである。
3局目はSato氏とリーグ戦。久しぶりの対戦となった。
(つづく)
コメント
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