一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

7月2日の大野・植山教室(4)

2016-07-11 00:03:28 | 大野・植山教室

第3図以下の指し手。▲4四桂△3七銀成▲同玉△7七竜▲5七歩△2六角▲2七玉△3七金▲1八玉△6八竜▲5八銀△同竜▲同飛△2七銀▲2九玉△3八金▲同飛△同銀成▲同玉△5八飛(途中図)

▲2七玉△5七飛成▲4七銀打△3七角成▲同玉△4七歩成▲同銀△2六銀▲3八玉△2七銀成▲3九玉△3八歩(投了図)
まで、U君の勝ち。

私たちのそばでは、先ほど入室した佐藤氏が戦況を見守っていた。
私は▲4四桂を詰めろをかけた。U君は△3七銀成から王手ラッシュだ。
数手後の△6八竜に▲5八銀合しかないのが痛い。▲4四桂で▲4一銀なら、ここで▲5八桂がピッタリだった。ただ、銀合でも先手玉は不詰だと思ったのだが…。
U君は清算して△5八飛。▲2七玉△5七飛成▲4七銀打に、△3七角成が継続手だ。手順中の▲4七銀打が痛い。ここでも桂があれば不詰なのに…。
以下△3八歩まで投了した。

感想戦は、佐藤氏とOg氏が加わって行われた。佐藤氏は、本当に先手玉が詰んでいたのか、懐疑的だった。
たとえば途中図の△5八飛に、▲2九玉はどうか?
以下△3七桂▲3九玉△4九桂成▲2九玉△3九成桂▲同玉△4八角成…で詰み。
また本譜△5七飛成に▲4七銀打とせず、▲2八玉や▲1八玉と逃げる手もあるが、どちらも容易に詰む。
また本譜△5八飛では、U君が発見した△4七歩成の軽手もあり、いずれにしても先手玉は詰んでいた。
やはり▲4四桂が、自らの馬筋を止めつつ、安い合駒を残さなかった大悪手だった。
「こういう時は▲4一銀と掛けるものです」
と、感想戦に加わった大野八一雄七段。それが結論に達した時、当の大野七段が、「そもそも▲4一銀と打たないでも、後手玉は詰むんじゃない?」
と言った。
何イ!? と周りは色めきだつ。すなわち本譜▲4四桂に代えて、▲2三金(参考1図)と打つ。

以下は感想戦と、後日の私の研究をまとめたものを記す。
まず△2三同銀は▲同歩成△同金▲3一銀△1三玉▲2二銀打△同金▲同銀不成△同玉に、▲2三金(参考2図)が妙手。

以下△2三同玉▲3五桂△2二玉▲2三金△2一玉▲4三馬で詰む。また手順中の▲3一銀に△1二玉は、▲2二金△同金▲2四桂△1三玉▲2二銀不成△同玉▲3一馬以下、これも詰む。
参考1図に戻って、▲2三金に△同金は▲同歩成△同銀▲3三金△同玉▲4四馬△4二玉(△2四玉は▲3三銀△1三玉▲2二銀不成以下)▲3三銀△5一玉▲4三桂(参考3図)以下詰み。


また▲2三金△同金▲同歩成に△同玉は、▲3五桂△1三玉▲2三金△同銀▲同歩成△同玉▲2四歩△同玉▲3五馬で、以下金銀が3枚あるから、やはり詰み。
以上の検討により、後手玉は詰んでいた。つまり私は、相手玉を詰まさずに詰めろをかけ、同時に自玉にも詰めろをかけてしまうという、最悪の手を指したというわけだった。
これだけ結論が二転三転した将棋も珍しく、感想戦もしてみるもんだと思った。

本日は棋聖戦第3局が行われている。羽生善治棋聖に永瀬拓矢六段が挑戦しているあれである。Fuj氏にお願いして、大盤に並べてもらった。
現局面は羽生棋聖がよさそうだが、最近の羽生棋聖は信用がまったくなく、予断は許さない。双方の時間はかなり少なくなっているが、どうなるか。
Hon氏はとうに帰宅。今日は1局しか指さなかったのではないか。
食事会にはまだ時間があるので、Kaz氏と指すことにする。Kaz氏は来席回数は少ないが、教室の一、二を争う強豪で、社団戦3部「星組2008」の中心選手でもある。
振り駒でKaz氏の先手となり、▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲2五歩△3三角。私は前局の経験を活かして中飛車に振るつもりだったが、▲2五歩が早かったので、向かい飛車にした。
Kaz氏は▲5七銀左から棒銀の作戦を採った。持久戦を好むKaz氏にしては珍しい。
私はドーンと△4五歩。しかしKaz氏に黙って▲4五同歩と取られ、アテが外れた。
私は角を換えて先手の玉形を乱したが、一歩損が痛い。
Kaz氏はお役御免の棒銀を引き揚げ、△3三桂に▲4六銀右(第1図)。何だかKaz氏好みの形になってきた。

私は指す手に窮し、第1図から△6四角。次に△4五桂と跳ねれば、後手十分となる。しかしそれをKaz氏が許すはずもなく、▲3七角と対抗してきた。

(つづく)
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