一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

サンケイ将棋フェスティバル2016(後編)

2016-07-29 21:27:12 | 将棋イベント
フーッ、きつい。人生最悪の一日、か。

(昨日のつづき)

第2図以下の指し手。△3一香▲8三角成△3七銀▲同金△同歩成▲同玉△4五金▲3六歩△同香▲同銀△同金▲同玉△3五歩▲2七玉△3六銀▲1八玉△2七銀打▲同飛△同銀成▲同玉
△3六角▲3八玉△2六桂▲4八玉△4七金(投了図)
まで、一公の勝ち。

私は△3一香と打った。これが間接的に先手玉を睨んでいるのだが、先手に正しく指されれば負けだと思っていた。
先手氏は▲8三角成。次に▲2一飛を見てこれも厳しいのだが、私は一瞬のスキを衝いて△3七銀。以下先手の応手が大人しく、そのまま先手玉が詰んでしまった。

感想戦。私の△3五歩には▲同玉の一手と思っていた。私は△4三桂と打つ予定だったが、▲4四玉と潜ってどうか。しかしこれは先手玉が寄っていた。
そこで少し戻って、△3一香に▲3四角成はどうか。タダで飛車を取れるのに、あえて角金交換に出るのだ。いわゆる「終盤は駒の損得よりスピード」だ。
以下△3四同香▲3五歩△同香▲3四桂△3三玉▲4二銀なら、後手玉は寄っていそうだ。
いずれにしても、薄氷の勝利だった。
「勉強になりました。…お強いですね。三段はあるんじゃないですか?」
と先手氏。三段のお墨付きをいただけるとは、私も満更ではないんだな。

こうなったら3局目も指すしかない。3局目はやや中年が入った人と。俳優の光石研にそっくりだった。
私の後手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩。△8四歩なら横歩取り系に進むが、私はこれの後手方が嫌いなので、やや不本意ながら、△4四歩から四間飛車に振った。
先手氏は穴熊に組み、私は△5四銀と腰掛ける。以前植山悦行七段に、対イビアナに△5四銀型は損、と教えられたが、前日のNHK杯では、佐藤和俊六段がこの形を指していた。今日はこちらの説を採ったわけである。

第1図以下の指し手。▲3五歩△同歩▲同角△3二飛▲3八飛(第2図)

△3二飛に▲3四歩△5一角▲4四角は、△3四飛で後手指せる。
▲3八飛に次の一手は。

第2図以下の指し手。△1五角▲3六歩△5九角成▲2八飛△3四飛▲2四歩△同歩▲同飛△同飛▲同角△2八飛▲2二飛△2九飛成▲2一飛成△3二桂▲1一竜△2四桂▲5五桂△同銀▲同歩△9六歩▲同歩△9七歩▲同香△8五桂▲8六銀△9七桂成▲同銀引△8五桂▲8六香△7七香▲8五香△7八香成▲同金△6九馬▲7九香△4四角▲2一竜△9六香▲9四桂△7三玉▲8二銀△6四玉▲5六桂△5五玉▲4四桂△9七香不成▲同銀△9六歩(第3図)

甲斐智美女流五段―香川愛生女流三段戦が終わり、94手で甲斐女流五段の勝ち。
これは勝者予想クイズに加え、手数当てもあった。ダブル正解がただひとり(女性)いて、盛大に表彰されていた。なお、手数の近似値を書いた投函者にも、賞品が渡されたようだ。
関係者が、
「サンケイフェスティバルはよかった、とネットに書いてください! そうすれば来年もやります!」
と叫ぶ。指導対局の抽選はアレだったが、各所で工夫を凝らし、素晴らしいイベントになっていると思う。私も今は、清々しい気持ちでいる。
局面、私は△1五角とノゾいた。このユーレイ角が妙手で、先手はどう受けても味がわるい。結局▲3六歩と受けたが、私はゆうゆう△5九角成とし、一本取った。
だが後の△3四飛が疑問手。▲2四歩から飛車をぶつけられ、一編に優位が吹き飛んだ。
本譜は△3二桂から駒得を果たしたが、いかにも強引な手順で、これが本筋とは思えない。
ただし直後の▲5五桂では、▲7五歩の桂頭攻めがイヤだった。もっとも本譜の進行でも、先手がよい。
ただその後、先手に攻め急ぎがあったかもしれない。私は手に乗って玉を中段に逃げ出したが、△9六歩はしくじった。

第3図以下の指し手。▲8八銀△5六玉▲3五角△9七銀▲9八歩△8八銀不成▲同玉△4七玉▲4九歩△3四金▲6一竜△同銀▲4八金△3六玉▲3八香△2五歩▲2六歩△1四玉▲1六歩△3七歩▲3二桂成△3五金▲3三成桂△5五角▲7七桂△3三角▲3七香△9五飛(投了図)
まで、一公の勝ち。

ホールは棋士関係者が引き揚げ、向こう半分はガランとしている。今はフリー対局の愛棋家が指しているのみだが、その数も少なくなっている。
先手氏は▲8八銀と引いたが、逸機。何はともあれ▲5七香と打つところだった。これに△4四玉は怖すぎるし、さりとて△5六銀とも打てない。△5六銀に▲8八角(▲7七角)とでも打たれたら、後手はどう指せばいいのだろう。
本譜は△5六玉と突っ込み、完全に安全になった。
最終盤は△5五角のあたりで投了してほしかったのだが、先手氏はまだ指す。△9五飛にやっと投了してくれた。

が、私は「投了ですか?」と、やや懐疑的だ。
実は△9五飛が疑問で、先手はここまで粘ったのだから、もう一手▲8六銀と受けるべきだった。以下△9四飛▲3五香が、金を取ってまた角取りだ。
感想戦ではこれでも私が勝ちだったが、実戦ではどうなったか分からない。
何だか3局とも消化不良の内容で、ちっとも勝った気がしなかった。
ともあれこれで3勝。時刻は午後8時をすぎ、もう引き揚げる時間である。景品をいただいたが、筆記具っぽかった(後で確認したら、3色ボールペンだった。これ、買ったらけっこう高い)。
帰ろうとしたら、Tod氏が指していた。
局面はTod氏敗勢。相手は△3八金の王手。ここで▲1七玉と逃げればいいものを、▲3八同金と取ったから、早くなってしまった。
敗勢なのに悪手を指す、いかにもTod氏らしい手である。私は終局まで見届けず、会場を後にした。
コメント
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