一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大山の名局・2

2013-09-08 00:21:33 | 名局
きのう、レオパレス21から営業の電話があった。今年は7月14日、8月3日に次いで3度目。ほかにも私の知らないところで営業があったかもしれないことを考えると、ここもかなりしつこい。ブラック企業に選ばれないよう、せいぜい気を付けることだ。

きょう9月8日は日本将棋連盟の創立日である。1924年、東京将棋連盟が結成された。1945年、日本将棋連盟に改称。1947年に社団法人となった。
そして9月8日は、「大山康晴賞」の授賞式の日でもある。ただ第20回の今年は日曜日にあたるためか、あす9日(月)が授賞式となる。
というわけできょうは、大山康晴十五世名人の名局を紹介したい。
将棋はいまから46年半前に指されたもの。王将戦七番勝負で、相手は若き日の加藤一二三九段。当時27歳だった(大山十五世名人は43歳)。
では、盤に並べてください。

1967(昭和42)年1月16、17日 於:東京「将棋会館」
第16期王将戦・七番勝負第1局
▲八段 加藤一二三
△王将 大山康晴

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△4二銀▲5六歩△5四歩 ▲6八玉△5二飛▲7八玉△6二玉▲5八金右△7二玉▲3六歩△8二玉▲4六歩△7二銀
▲6八銀△3二金▲5七銀右△5三銀▲3七桂△4二飛▲9六歩△9四歩▲1六歩△1四歩▲6六銀△6四銀▲5七銀上△1三香▲6八金上△4一飛▲4八飛△3一金▲7七角△7四歩
▲4九飛△8四歩▲8八角△7三桂▲1八香△8三銀▲4五歩△同歩▲同飛△4四角▲4八飛△7二金▲4五歩△2六角▲4六銀△1五歩▲2四歩△同歩▲2八飛△7一角
▲2四飛△3二金▲3五歩△1六歩▲1五歩△3五歩▲2五桂△3六歩▲3四飛△4二金▲1四歩△同香▲同飛△2六歩▲1二飛成△2七歩成▲3四香△5三金▲3二香成△6一飛
▲4二成香△3七歩成▲4四歩△6二飛▲4三歩成△同金▲5二成香△同飛▲同竜△5三金▲3二竜△3六歩▲6一飛△4七歩▲9七角△4八歩成▲6四角△同歩▲6二銀△5二角
▲7一銀不成△同金▲2一飛成△5八と▲同金△6二金打▲3三桂成△4一歩▲4五桂△6三金寄▲4四歩△6五歩▲7七銀△8五桂▲8六銀△4七と▲同金△3七歩成▲5七金△3一歩
▲1二竜寄△4二香▲同成桂△同歩▲3一竜△7五歩▲2一竜右△6一角▲7五銀△7七歩▲同桂△同桂成▲同玉△8五桂▲6八玉△3四桂▲6九桂△3六と▲8六歩△4六と
▲同金△同桂▲8五歩△5九銀▲7八玉△7四銀▲8四歩△7五銀▲8七香△8六銀打▲7五歩△8九銀▲同玉△8七銀成▲8三銀△9三玉
まで、156手で大山王将の勝ち。

後手大山の中飛車に、加藤は▲5七銀右から▲4五歩と仕掛ける。現在なら▲5七銀左から▲4五歩だろう。
大山は△1五歩の端攻め。これを加藤が逆用し、香得を果たしたところでは加藤が指しやすい。さらにその香を▲4四に打ち、飛車と交換する。わらしべ長者のような手順で、飛車得である。後手の主張は2~3筋のと金。ただこれだけではいかにも弱く、さすがに加藤持ちといっていいと思う。
ところがここから、受けの大山が本領を発揮する。加藤の角を切って▲6二銀に、△5二角と忍の受け。▲2一飛成と二枚目の竜を作られると、△5八とで金を入手し、それを△6二金打と補強した。
さらに△4一歩~△3一歩と、手筋を駆使して受ける。▲2一竜右には△6一角がギリギリの受けで、先手の攻めが切れ気味になってきた。気がつけば大山陣は、金銀四枚に角の堅陣である。攻められるほどに固くなってゆく大山の囲いの特徴が、如実に現れた。
ここから反撃に向かう。大山は少ない攻め駒だが、△8五桂~△3四桂が急所を衝いた攻めで、筋に入った。最後は教科書通り玉を下段に落とし、△8七銀成で受けなし。強者の寄せはいつも綺麗だ。
加藤▲8三銀の王手に△9三玉とかわし、それまで。大山の制勝となった。
本局は、大山の強靭な受け、的確な攻めが堪能できる名局と思う。
コメント
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