一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

沖縄旅行2013・6「不満あり」

2013-09-12 00:43:23 | 旅行記・沖縄編
男性は女性の後ろの席に移動すると、カバンからデジカメを取り出し、それを彼女に見せ始めた。海岸や海中で撮影したものだろう。
ふたりはずぅっと一緒だったのだろうか。男性はカメラの画像の説明に夢中、女性もウンウンと頷いている。
ふたりの仲に水を差すつもりはないけれど、ヒトの撮った写真を鑑賞することほど辛いものはない。これは自己満足の代名詞で、写真は2、3枚見れば十分、ビデオは10秒も見ればよい。
バスは順調に平良に向かっている。ふたりは画像の鑑賞に夢中だ。ふたりは同じ宿なのだろうか。男性は宮古島でいい思い出ができ、来年もこのルートで来るだろう。なんだか来年も彼に会うような気がしてコワイ。
私は一足早く下地鮮魚店前で下車。このナナメ向かいに、私がひいきにしている喫茶店「ブルーメ」があるのだ。しかしこの2、3年は閉まっていた。閉店ではないようなので今年こそと一縷の望みを託したが、奇跡的?に開いていた。
2階に上がり、入る。店内はご婦人が好みそうなオシャレな装い。ここで頼むメニューは「アイスコーヒーとブルーベリーケーキのセット」(650円)と決めている。
アイスコーヒーはグラスが巨大で、これを鑑賞するだけでも、注文する価値がある。
お姐さんがセットを運んできた。
「ワタシ毎年宮古島に来てるんですけど、ここ2、3年はここ休みでした」
「…そうですか? 休みということはなかったはずですが…。私ひとりでやってるんで、いないときがあったかもしれません」
お姐さんはそう言うが、明らかにシャッターは下りていた。まあよい、今年はアイスコーヒーセットを賞味できたのだから。



大いに満足して、きょうの宿である、宮古島YHに向かう。途中、スーパーがあったが、昨晩買ったさんぴん茶がまだ残っていたので、寄らなかった。
YHにお邪魔する。元ミス宮古のペアレントさんは、元気そうだった。そして相変わらず、お美しい。いうまでもないが、私がこのYHを利用するのは、ペアレントさんに会うためである。
息子さんが帰ってきた。お互い「おおっ!!」と発し、挨拶。彼は若いが子供もおり、私と違い、しっかりした社会人だ。
部屋は3階の和室。YHは原則的に相部屋だが、ここ宮古島YHは数年前から、ひとり一室があてがわれている。いまの若者は、他人との交流を敬遠する。ゆんたくは1階の談話室でというわけだ。
汗びっしょりのTシャツ類を洗濯機に放り込み、シャワーを浴びる。ほかに客はいるのだろうが、館内ではほとんど顔を合わさない。
洗濯物が脱水された。というところで、Tシャツを一枚放り忘れたのに気付いた。なんか、ものすごい損をした気分になった。
夕食は西里通りの繁華街で。そこまでの散歩が、ほどよい距離である。いつもは「しきしま」に入るが、どうするか。
その前に私は、コンビニでお菓子のセットを買い、あるメガネ店に向かった。昨年、私のメガネの調子がおかしかったので、ここでツルとレンズの位置を直してもらったら、見違えるように快適になった。ご主人はお代を受け取らなかったが、それでは私の気が済まない。今回はその御礼というわけである。
店に入って挨拶すると、ご主人は私のことをすっかり忘れていた。まあ、そうであろう。私は事情を話し、強引にお菓子を渡すと、店を後にした。
さて、夕食である。「しきしま」もいいが、きょうは鰻より寿司を食べたかったので、近隣の寿司屋に入った。しかし、「いらっしゃい」の言葉がない。
おひとり様お断りの雰囲気があったが、座敷に案内された。私はにぎりの特上(1,500円)を頼む。
寿司が運ばれてきた。ネタ、シャリとも小さいが、これがいつもの大きさなのだろうか。でも味は確かだった。石垣牛のにぎりがあり、これも美味。それまでは、沖縄の牛は固い、というイメージがあったが、やや払拭された。
ところが会計で千円札2枚を出すと、おつりの500円がないという。そんなバカなことがあるか!
むかし日光のラーメン屋で、ゆばラーメン(800円。高い!!)とギョーザ(550円)を頼み、会計のときに1,400円を出したら、お釣りの50円がない、といわれたことがあった。
この店ではほかにもいくつか不愉快な出来事があり、私が訪れた最悪の飲食店のひとつだが、今回の寿司屋はどう評価したらいいのか。私はとりあえず100円玉を5枚かき集め、支払いを済ませた。
2回戦で、ラーメン屋に入る。以前も入ったことのある店だ。しかしやはり、「いらっしゃい」がない。
本島のうどん屋でもそうだったが、沖縄では、客を迎える習慣がないのだろうか。
お品書きに「大将ラーメン」とある。これは何か店の女の子に聞くと、揚げニンニクが入っているとのことだったので、それを頼む。そういえば、前もそれを頼んだ気がする。
「大将ラーメン」は麺も具も多く、美味かった。さすがにニンニクの臭いがするが、明朝のことは考えず、最後の一滴までスープを飲み干した。
YHに戻る。受付には娘さんの姿。もちろん顔見知りで、挨拶する。部屋に戻りクーラーを効かすと、気持ちいい。そのまま畳の上に横になったが、どうせ誰もいないのだからと、全裸になった。
私はいま、夏の沖縄を満喫し、幸せなのだろう。しかしそれは、私がいい歳をしてチョンガーだからできたこと。ふつうならば嫁をめとり、子供も何人か作って、貧乏だけれど楽しい生活を送っていなければならない。今回の沖縄は、そんな幸せを犠牲にした上に成り立っているのだ。そんな旅が、果たして楽しいといえるのか。私は一時の現実を忘れるべく、沖縄に逃げてきたにすぎない。私はバカなのだ。
そんなことを考えながら、そのまま眠りに落ちた。
目が覚めたら11時56分だった。今度は布団の上に移動し、本当に就寝。きょうは実に、よく動いた。

15日(木)。きのうの深夜は喉が渇き、さんぴん茶を飲み切っていたから、表の自動販売機でスポーツドリンクを買った。110円の出費は痛い。ここで、さんぴん茶を補充しなかった非が現われた。
朝食は食堂で。むかしはオシャレな内装だったが、数年前から本当に食堂を経営してしまい、やや大衆感が出てしまった。
同宿者は、家族1組、男性客2人だった。若い女性は不在。いまの時代、みなはオシャレな宿に泊まってしまうのだろう。
洋風の朝食を楽しみながら、ペアレントさんの話を聞く。沖縄は7月から雨が降らず渇水状態だったが、13日から雨が降り、潤ったという。なるほど、13日は宮古島でも雨が降ったのか。
まったく、私が雨を運んできたようではないか。
「おととい、千原ジュニアが泊まったのよ」
ペアレントさんがふつうに言う。
「ええっ!? チハラじゅにあって、あのお笑いの?」
「そう」
私たちは驚く。13日といえば、私が一瞬だけ、宮古島へ宿泊を考えた日ではないか! しかし夕方の便の飛行機代が高く、移動を翌朝にしたのだ。
ううう…。私は、おのが巡り合わせの悪さを呪った。
(17日につづく)
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