一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第3期女流王座戦、準決勝の2局を振り返る

2013-09-02 00:11:53 | 女流棋戦
うああー、参った。ホントに参った。自分のバカさ加減に呆れる。バカなんだよ、バカ。オレが間抜けだから、こういうことになる。まったく…。


第3期女流王座戦の準決勝2局を振り返る。

第1局は里見香奈女流四冠対伊藤沙恵奨励会1級。反対の山は本田小百合女流三段と渡辺弥生女流初段が準決勝に進出しているが、両者とも本局の相手が最大の難関とフンでいただろう。
里見は奨励会二段。ということは、伊藤奨励会1級とは香落ちの手合いだ。しかし本局は女流棋戦だからもちろん平手である。そう、女流棋戦だからオール平手だけれど、里見に大駒を落としてもらって初めて勝負になる女流棋士が何人いることだろうか。女流棋士は、里見に追いつくべく、彼女以上の努力をしなければならない。
将棋は相振り飛車。後手伊藤は△8四歩。私だったら、この歩を何とかタダ取りできないかと腐心するのだが、プロはこんな歩、相手にしないらしい。
しかし里見、自玉頭に駒を集中され、角銀交換の駒損を甘受せざるを得ないようでは、さすがに劣勢に陥ったと思われた。
ところが90手目△5八歩成が伊藤の逸機で、ここは△5六桂がよかったらしい。私などは、盤上から攻め駒が少なくなるのに抵抗があるタイプなので、ここは△5六桂と打つ。伊藤は運がなかった。
とはいえその後も見事な攻防が続く。131手目▲7六角と王手飛車がかかり里見の勝勢に見えたが、よく考えたら飛車を取っても駒の損得はまったくなし。依然としていい勝負で、さすが奨励会員の対局だと思った。
次△5九飛では、△5七飛がよかったようだ。ただその後もむずかしい戦いが続き、最後は里見の勝ち。やはり出てくる人が出てきたのだった。

第2局は本田女流三段対渡辺女流初段。今年最も株を上げたのが、渡辺である。本棋戦、まさか渡辺が清水市代女流六段と上田初美女流三段を破ってベスト4に駆けあがってくるとは思わなかった。まったく己の不明を恥じるが、この結果は渡辺当人がいちばんビックリしているのではなかろうか。
将棋は、後手番渡辺の角道開けっぱなしの四間飛車。
本田女は13手目▲6六歩。さらに23手目、▲6五歩と伸ばして角交換を挑んだので、うれしくなった。しかし渡辺も、△3三角と上がっていたのにも関わらず、角を換える。手損には一切こだわらないらしい。
本田は▲6七金と高美濃囲いを構築する。私なら▲6七銀として中央を厚くするところだが、ここは好みの範疇だろう。
渡辺は金銀を盛り上げ、△3七桂成。先に桂損したがのちに取り返し、と金が残った分だけ渡辺が指しやすくなったと思った。さらに△3七角~△4六角成。これはもう、渡辺ペースである。本田は▲1八飛の遊びが痛い。
89手目▲5五銀に、渡辺は△3七角。再び角を打ち、馬を作りにいったのだ。ここは何となく、丸山忠久九段が指しているのではないかと思った。ただ、渡辺が本局に負けたからいうのだけれど、△3七角は受けに勝ち過ぎだったのではあるまいか。将棋は受けてばかりでは勝てない。大山康晴十五世名人は受けの達人だったが、単に受けていただけではない。そこにはいつも「反撃の受け」が秘められていた。少なくとも渡辺の前2局は、反撃の受けがあったのに…。
93手目本田▲7五歩。渡辺は△4六とだが、いかにも悠長だと思う。続く▲7四歩があまりにも大きかったからだ。
△4六とでは、断乎△同歩と取りたかった。いままでの流れからいって、ここで△7五同歩と取れなければおかしい。
ここから流れが変わる。▲1六歩と突き、飛車の活用を図る。以下▲2八飛~▲2四飛~▲2二飛成と、あの飛車が竜になっては、いつの間にか先手持ちになってしまった。
その後渡辺も反撃に転じ、いくつか勝ち筋も生じていたのだが、勝ち運は本田女流二段あったようだ。激戦を制して、本田勝ち。2年連続の挑戦者決定戦出場を決めた。
渡辺はもう少し攻めの姿勢を見せたほうがいいのではないか。また勝ち進んできてほしい。

挑戦者決定戦は6日(金)。
本田女流三段はマイナビ女子オープンにおいて3年連続で初戦に敗退し、来期のチャレンジマッチ行きが決まった。
これ、来期はアマチュアと指してください、といわれたわけだから、食らったほうはかなりの屈辱である。そんな本田女流三段が、もうひとつの最高棋戦で挑戦者になれば痛快ではないか。
いっぽうの里見女流四冠も、最後のビッグタイトルを手に入れ、四段昇段へのハクを付けたいところ。
当日は熱戦を期待したい。
コメント (8)
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