感染症診療の原則

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予防内服

2009-08-27 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
いろいろな病院がいろいろ対応を考えていますが、現時点で「積極的には予防内服に貴重な抗ウイルス薬を使わない」という原則のもと検討されている情報をまとめてみました。

(注意)これが一番いいという意味ではないですが、参考情報を載せてほしいという意見があったので・・・

■最初に徹底すべきこと

-症状のある患者がマスクをつける(最初のトリアージ)
-症状のある患者をケアするスタッフがマスクをつける(標準化・サプライ確保・配置の工夫)
-リスク因子のあるスタッフの把握(管理部門)

予防内服を処方可能な医師・部門を限定する(ER、感染症専門医、ICD、呼吸器、総合診療など)。薬局との連絡を密に。
リレンザを優先するかタミフルを優先するか委員会で検討。

■予防内服を検討する基準

新型インフル患者について、「患者:マスクなし かつ スタッフ:サージカルマスクなし」状況で

-近距離(カウンター越し対応程度)で問診等の会話をした
-個室内で問診・診察を行った
-咳そう反射につながるような処置をした

場合のみ検討。

患者はマスクをしていなかったが、スタッフはサージカルマスクをしていた、
あるいは
スタッフがサージカルマスクをしていなかったが、患者はマスクをしていた、
場合は除外。

■症状がありマスクのない患者と、サージカルマスクなしで接触してから48時間以上を経過していたら内服対象外。
(妊婦などリスク因子がある場合は別)

■上記のような「予防内服をする接触者」と接触した場合、その人は内服は不要。

■内服をすることになった職員の勤務の扱い

無症状:サージカルマスクをして勤務。
有症状:発症から7日間、勤務から離れる(7日の時点で症状がある場合は症状が消えるまで延長)。

■費用負担
自費のところが多い印象です・・・

もっといい方法があるんだぜ、という方はアドバイスもよろしくおねがいします。

(写真はアインシュタインが教えた教室。画面左上の窓。何の変哲も無い教室。)
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3 コメント

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離脱 (グラム染色道場師範手前)
2009-08-27 19:46:54
5月に最初の入院事例を多く見ていた時の話ですが、予防内服について色々と意見が出ました。
①継続的にインフルエンザ患者を診る機会がある部署では防護具不十分の場合を除き予防内服をしない。(ICTの提案)
②継続的に服用すると却って副作用が怖い。(実際対応した病棟のスタッフ意見)
③インフルはやっぱり怖いので予防内服したい。(たまにしか対応しないスタッフの意見)

今では、スタッフの家族などで発生した場合に、スタッフが妊婦であった場合など除き予防内服をしていない現状です。
情報提供します。
返信する
Unknown (mako)
2009-08-27 21:09:14
4,5月の新型発生時には、厚労省もマスコミも直接病院には行かず、保健所などに連絡して指定された医療機関に・・という事を盛んに言っておりましたが、基本的に全ての医療機関で受診できるようになった今、連絡なしで直接受診していいという事でよろしいのでしょうか?

なんとなく、そこが曖昧になっているような気がするのですが。
返信する
Unknown (編集部)
2009-08-29 19:10:14
情報ありがとうございます。
妊婦さんやリスク因子のある人以外は何もしていないという病院の話も複数きいています。

そもそも同意をどうとるのか(その後問題がおきたときにどうするのか)などいろいろな課題も指摘されています。

「お金がそんなにかかるならいいや」とあきらめる人が多いという話もききました。

受診ですが、、、地域によっては、4-5月は電話をかけてもつながらない(らちがあかない)ということで不安な人たちは「行けばなんとかなるだろう」と予告なし受診を余儀なくされたときいています。

通常は「予約要りますか?」と聞いたりもするのでしょうし「今からいきますけど」電話くらいはほしいところです。
でも感染が広がればいろいろな人が受診をしてくるので医療側の期待通りにはいかないかもしれませんね。
一箇所に集中させると負荷が大きくなりすぎますし、もともと選ぶほど病院がない地域では皆が行くところはどのみちひとつ、という状況があるそうです。
返信する

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