感染症診療の原則

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看護師が麻薬静注の手伝いをして町からエイズを減らす

2014-04-14 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
素晴らしいNewsがPBSにありました。(編集長、かなり感動)

ご存じのようにHIV感染者を積極的に治療するとウイルス量が減り、感染性が減ります。


未治療でウイルス量が多いままだと感染させる力が高い。


そこで積極的にHIV感染者を治療する工夫をVancouverの町がやったのです。
具体的には以下の流れ:


誰が何と言おうとIVDUはIVDをやります。放置すれば、これはHIV感染症の拡大と同義に近い。

積極的にIVDUの人々を検査して陽性ならばARTを投与する。でも、どのようにIVDUの人を集めるか?

それはIVDUをやりやすいように医療従事者が静注を手伝うのです。
(IVDUやると静脈潰れるのです。編集長も経験あるけど本当に彼らの静注は大変。だからIVDUの人は自分で静注できなくなります)

そのためのIVDUを手伝う施設を税金で作りました。(使用する薬物は持参)


勿論、「IVDUを税金で助けるとはけしからん」論争が起こりますが、最終的に最高裁判所でOKとなりました。

そして1990年頃、HIVのEpicenterであったVancouverで見事にHIV感染症を減らしたのです。



「IVDUなど、どうしようもない・・」と投げ出さない公衆衛生と現場の勝利です。

ProjectのLeaderの一人、DR. JULIO MONTANER


興味のある方は以下をどぞ。
http://www.pbs.org/newshour/bb/facility-works-curb-spread-h-v-among-intravenous-drug-users/

(写真:遊ぶトーマス)
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