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ドイツの大規模O104アウトブレイクのレポート

2011-05-30 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
ドイツの病原性大腸菌での大アウトブレイク事例の報告がEurosuveillanceの最新号に速報で載っています。

生のトマトときゅうりへの注意喚起が行われています。
現在はまだ感染源や経路は特定されていないようですが。

野菜から大腸菌?と一般の方は思われるかもしれませんが、どこかの時点で汚染する可能性があります。

例えば、野菜を育てる畑のそばに牧場等があり、水が汚染されている、出荷のときに汚染する、冷蔵庫の中で肉汁と接触して汚染する、などです。

大規模になる場合は出荷の時点で汚染ポイントがあり、特定地域・流通ルートに限定されている場合はそのプロセスのどこかが疑われるのが一般的です。

Large and ongoing outbreak of haemolytic uraemic syndrome, Germany, May 2011
Eurosurveillance, Volume 16, Issue 21, 26 May 2011

(O104って、オーなんとかにはいったいいくつあるんだ!?という質問もよくコメント欄にきます)

1994年のMMWRに、O104:H21のアウトブレイクレポートが載っています。

ヨーロッパは陸続きで人や食べ物は日々越境しますので、他の国や地域にもひろがることへの専門家の危機意識は高く、食品のトレーサビリティ確立にも熱心です。

今回のEurosurveillanceの記事をみると調査チームの中心は日本の感染研にあたるRobert Koch Institute(ベルリン)。
英語ページに詳細があります。

日本でも感染症アウトブレイクがおきたときに自治体の疫学調査や対策を支援するFETPが感染研にありますが、これにあたるのは「EPIET」。ドイツチームは このコッホ研究所が窓口です。
EPIET
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