感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

コロナ医療崩壊への処方箋 #1

2020-04-20 | Aoki Office

感染症指定医療機関も、その周辺も、溢れる患者、更に医療従事者の感染(これは院内感染とは限らず、山手線で通勤中の感染かも知れませんが・・)で崩壊中/崩壊直前です。
この処方箋シリーズでは欧米のExpert達と協同しながら、崩壊/崩壊直前の現場に少しでも役立ちそうな情報をUpして参ります。

本日は「登り」の症例、即ちコロナ感染が診断された、しかし元気であるためホテルなどに収容される症例の扱いについて。
「登り」症例は、一部が悪化するために油断できません。ホテルで収容したが気がついたら自室で意識が無くなっていた・・などということになったら大変。 これに対する1つのツールがCIDに紹介されている「悪化予想ツール:Tool to Early Predict Severe COVID-19」です。

具体的な悪化予想要素としては、高齢、LDH、CRP、RDW、DBIL、BUNの高値、ALBの低値が挙げられています。
編集長的に興味深いのは、LDH、RDWの高値。これは、凝固亢進>赤血球その他の組織障害>RDWの上昇、、といったことを示すものかも知れません。

ちなみに「下り」症例は、病院で治療を終えてホテルに収容される症例なので、まず間違いなく回復するので安心です。

詳細は以下をどぞ↓
A Tool to Early Predict Severe Corona Virus Disease 2019 (COVID-19) : A Multicenter Study using the Risk Nomogram in Wuhan and Guangdong, China
Clinical Infectious Diseases, ciaa443, https://doi.org/10.1093/cid/ciaa443

タイトル写真: 左から、現場を知る男、日本の全体像を知る男、コロナ検査の裏を知り尽くす男

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« COVID-19と皮疹 | トップ | コロナ医療崩壊への処方箋 ... »
最新の画像もっと見る

Aoki Office」カテゴリの最新記事