感染症診療の原則

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oral sexの歴史 その2

2012-04-16 | (ちょっと休憩)ほんとに休憩
日本ではすでに「問題だ」と学会などでも連呼されているため、このたび性感染症予防指針のなかに咽頭感染リスクが明記されました、、の話の続きです。

「【性感染症学会速報】 オーラルサービス提供する性風俗従事女性の3割に咽頭のHPV感染 」2003年 日経メディカル
「健康注意報:クラミジアの咽頭感染が増えています」 2004年 日経BPネット
「セフトリアキソン高度耐性淋菌分離例」IASR Vol. 31 p. 108-109: 2010年4月号

川崎市にある宮本中央病院院長先生のブログ記事に、事例が紹介されています(よくある診察室での会話パターンですね)。
フェラチオだけだと「セックスしてない」という認知の人はたくさんいます。

学会の先生方は「日本には独特の風俗産業がある」という言い方をします。
それは日本に特徴的なのでしょうか?だとしたらそれはなぜでしょうか?

日本のヘテロセクシュアル男性のコマーシャルセックスサービス利用について、調査を行った報告がハワイ大学のサイトで公開されていました。そこにこんな記載が。

"Non-traditional commercial sex workers work at ‘‘fashion health massage parlours’’ and ‘‘pink salons’’, where teenage girls usually provide oral sex and/or sexual massage. These venues also include ‘‘image clubs’’, where male clients can spend time acting out sexual fantasies with school girls (Kristof 1999). Non-vaginal sex services are relatively low in price and are legal because Japan’s anti-prostitution law does not prohibit non-vaginal sex (Louis 1992)."
Sex behaviour of male Japanese tourists in Bangkok, Thailand
Culture, Health & Sexuality, March–April 2006; 8(2): 115–131
Tulane Universityの方による研究です。

法律のためでしょうかね?

感染症の予防としては、バリア法、検査と治療が重要ですが、まず、予防としてのコンドーム使用率はたいへん低く(国立大学学生の調査6枚目のスライド)、風俗産業で流行しているクラミジアや淋菌は、場合に寄ってはすぐにgeneral populationでの感染拡大につながるおそれがあります。

クラミジアや淋菌の症状は出ない人も多く、特にノドの感染を自覚できる人は少ないので、性器での感染が疑われたらノドも検査ということを現場の先生が推めています(治療は基本的に同じ)。









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