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39度で正常の白血球数・・?

2011-01-15 | 青木語録
昨日は市立堺病院に伺い、感染症の講義や症例検討会を行いました。

症例は、初老の女性がハイキングなどを楽しんでいたら1週間の発熱(39℃)と皮疹で来院というものです。

Wildernessに曝露している人が皮疹で来たらやはりZoonosis的な病態を考えるのですが、特に比較的徐脈が著明な時にはRickettsia症などを考えます。

残念ながら症例は39℃で脈拍は130/分ありました。ここからFUO的なApproachや皮疹と発熱の鑑別などの話をしました。

検査Dataの検討では、白血球数の予測をしてもらいました。PGY1はやはりまだ素直ですから、白血球数の予想をしてもらうと1万以上の予想が多かったです。しかし、ここで微生物の固有名詞を考えると、いったいどのような微生物ならば1週間の発熱を生じながら皮疹だけ・・という病態を作るだろうか?
そのように考えますと、実は通常のPyogenicな微生物が作る臨床像とは異なる感じです。ならばウイルス性、Rickettsia性なども候補に挙がります。

そして予想通り、白血球数は6,000/mm3でした。

正解?

 ○本○斑熱でした。
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4 コメント

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白血球数不明 (motoyasu)
2011-01-17 17:28:55
血液検査がすぐにわかる環境を離れていると、白血球数は血液疾患や膠原病などを気にして測定するようになります(血液像も査定注意)。本当は診療所でもリアルタイムにわかる環境を整えなければいけないのでしょうが未だしていません。ということで予測もできないようになってしまいましたが、感染症では白血球数減少していないといいなあと思いながら血算を測定しています。
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白血球と感染症 (青木)
2011-01-18 18:39:44
motoyasu先生:

いつもコメントありがとうございます。

白血球数と感染症の間に距離を置くと安全というのが感染症コンサルタント人生が解答でした。恐らく左方移動も・・。
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刺し口見ました! (k1sh)
2011-01-18 21:34:47
初めまして。研修医一年目且つ青木先生の大ファンです。
初めてブログ拝見させていただきました。
Rickettsiaの記事を見て思わずコメントさせてもらいました。
私は九州の田舎病院で研修していますが、自慢できる事はあまりありませんが、刺し口を見ることができたのは自慢できるかもしれません。(笑)
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経験にまさるもの無し (青木)
2011-01-19 16:21:29
klsh先生:

コメントありがとうございました。臨床医にとって実地の経験にまさる学習はありません。

多いに自慢して下さい。
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