感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

妊婦とインフルのパンフレット完成

2009-12-20 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
厚生労働省の研究班でつくった妊娠中・授乳中女性と新型インフルについてのパンフレットが完成し、12月17日にWebで公開されたとのお知らせをいただきましたので紹介します。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/ninpu_1217_2.pdf

最初のページで妊婦のリスクとして外国での数字が紹介されています。

データのとりかたじたいが違うものを直接比較は難しいですが、オーストラリアのデータでは妊婦はハイリスクとしてあがっています。

Eurosurveillanceの最新号にオーストラリアでのH1N1流行リスク因子のレポートが掲載されています。
Quantifying the risk of pandemic influenza in pregnancy and Indigenous people in Australia in 2009

--------------------
初期の推計では、感染リスクのある妊婦は237,215人で、人口の1.1%。
先住民は全体の2.5%, 534,350人。

4800例を越える入院症例で、ICUに入院したのは650例、H1N1での死亡は200例(5月~10月、2009年)。

複数の報告を検討すると、妊婦のICU入室相対危険度は5.2、先住民では6.6。
死亡の相対危険度は妊婦が1.4 (95% CI: 0.3 to 4.3)。(ただしサンプル数が3例と少ない報告もある)

妊娠していない15-44歳女性は4,492,701人で、入院は1,030例、これと比較をした妊婦の相対危険度は5.1 (95% CI: 4.5 to 5.8)で、一般人口との比較とほぼ同じ数字であった。
----------------------

妊娠を単独因子でざっくりみていいのか、他の因子がよくわからないので、のちのち出てくるデータなどでまた議論が深まるのではないかとおもいます。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 心のドレナージ | トップ | 任意接種で30%前後 »
最新の画像もっと見る

毎日いんふぇくしょん(編集部)」カテゴリの最新記事