感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

拠点病院

2008-02-06 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
青木編集長は昨日は石川県立中央病院のHIV外来と研修医対象講義のため金沢出張でした。
(注;大人数があつまる公開セミナーでは混乱防止のためにサイン対応はしていませんのでご了承ください byセミナー事務局)。

HIV陽性の患者さんはエイズも拠点病院が診療していますが、全国に300以上あっても実際に診療をしているのは3分の1から半分といわれています。
拠点病院ではなくても第一線の診療をしている病院も複数あります。

奈良県のように1つしかないところもありますが、静岡や愛媛のように「なぜにこんなにたくさん」という県もあります。

どこが拠点病院かを知っておく必要があります。針刺し事故をしたときに予防内服を行う場合がありますがその薬をもらいにいく先だからです。
(院長間で申し合わせがあり、救急にいけばすぐに薬がもらえるように提携をむすんでいる病院もあります)

保健所や一般病院でHIV陽性とわかった場合は最寄の病院リストの中から患者さんと相談して紹介先を決めます(すぐに情報がほしい場合は保健所に電話するとファックスなどで地域で診療をしている医師の名前とあわせておしえてくれます)。

ブロック拠点病院と2007年から選定された「中核拠点病院」は年に数回研修会を開いています。案内は病院宛にいくので医局レベルまで情報が速やかにおりていかないこともあります。
地域で無料で開かれますので、いちどお出かけになるのもいいかもしれません。

〔北海道ブロック〕
http://aidsweb.med.hokudai.ac.jp/
〔東北ブロック〕
http://www.tohoku-hiv.info/
〔関東甲信越ブロック〕
http://www.kkse-net.jp/
〔東海ブロック(名古屋医療センター)〕
http://www.nnh.go.jp/med_guide/clinic/dept31/hiv/index.html
〔近畿ブロック〕
http://www.onh.go.jp/khac/
〔北陸ブロック〕
http://www.ipch.jp/aids/
〔中四国ブロック〕
http://www.aids-chushi.or.jp/index.html
〔九州ブロック〕
http://www.kyumed.jp/kansensho/

国立国際医療センターACCにはe-ラーニングもあります。
http://www.acc.go.jp/accmenu.htm

この制度の問題のひとつは「うちは拠点病院じゃないから患者はいない/診ない」という誤解をうんだことです。
患者さんは最初から専門病院にはきません。入院時や手術前検査で偶然感染を知るひともいます。
HIVの治療は専門病院で、しかし糖尿病やその他の基礎疾患はもともとの病院で診る時代です。

患者医療者双方気づかずに診療はされているとおもいます。針刺し事故にはくれぐれも気をつけましょう。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東大ではワクチン無料接種開始 | トップ | 大腸菌専門弁護士 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました (suzuki(左から4番目です))
2008-02-06 13:26:04
学生の頃から金沢で青木先生に教わり約4年が経ちました。今年で初期研修が終了しますが、先生には多くの診療におけるヒントをいただきました。特にG染色など、検査室に足を運んで学んだことはかけがえのないものになりました。青木先生のいらっしゃる拠点病院で研修することができ本当に幸せでした。これからも正しい診療ができるよう勉強を続けます。

また、レクチャーに参加した当院の研修医は全員サインをいただき、写真左端の後ろにまだ5人ほど並んでいました。お忙しい中本当にありがとうございました。
返信する
元気で (Aoki)
2008-02-06 14:46:59
鈴木先生:

コメントありがとうございました。

金沢Regionの学生、研修医の先生がたとのお付き合いも既に10年を越えました。

自分がTeachingをした先生の先輩がたには色々な専門領域に進まれた方がいますが、どの領域に進んでも感染症診療の原則を守って下さり教え甲斐のある地域だと改めて思います。
返信する

毎日いんふぇくしょん(編集部)」カテゴリの最新記事