Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

県の津波シミュレーションは大手コンサルが作成

2011-10-22 | 水圏環境教育
津波被害にあった沿岸域では復興のための住民説明会が始まった。

「県が行った津波シミュレーションの結果,別紙資料の方になっています」と説明したのは,役場職員の防災担当者。「防潮堤は14.5mで今回の津波に耐えられます。」と淡々と語った。その脇には,コーディネーターという大学教員が鎮座し,その隣に組長,役場の重鎮が座る。

今回の住民説明会では,防潮堤を基本とした災害に強いまちづくりという県の方針を受け,それぞれの地域ごとに同じような説明が繰り広げられるのだろう。

こんなリアス式海岸の狭い町に14.5mのすり鉢のようなものを作っていかがなものか,人の心情を考えない計画を一体誰が考えたのか,と疑問に思う。早速,県に聞いてみる。すると,はやり,この津波シュミレーションは県が作ったものではないのである。調べたところ,土木関係の協会が受託し,大手コンサルが作成したものであった。おそらく,県の命を受けコンピューターで作成したものであろう。5月に問題となった地形の問題などは一切触れられていない。

この津波シミュレーションにはどれだけ,地元の住民の意見が反映されているのだろうか。コストの面が強調されるが,地元の人間の心情を考慮した津波シミュレーションを提示して欲しかった。時間がないのはわかるが,ここはじっくりとかけるべきである。

安心して暮らせる環境づくりには,学術的な計算結果と共に住民の意見をしっかり反映した,何より作成した人間が住んでもいいと思えるような計画を作成していただきたいと切に思う。

「東日本大震災からの復興-岩手県沿岸域の生の声をきく会-」のご案内(転送)

2011-10-14 | 水圏環境教育


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「東日本大震災からの復興-岩手県沿岸域の生の声をきく会-」のご案内
            《日本財団助成事業》

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東日本大震災の被害を受けた地域の人々は、一日も早い復興が実現し、
ふるさとで安心で豊かな暮らしを取り戻せることを望んでいます。
しかし、関係者の懸命な復興への取り組みにも関わらず、
被災地の復興は思うように進んでいません。
いま改めて、被災地の関係者が自らの声で、
現地のニーズや復興の取り組みの重要性について
東京で発信していくことに意味があると考えます。

そこで今般、当財団では、岩手県沿岸域の皆様と協力して、
海と陸を一体にとらえた地域の復興に関心を有する中央の関係者のほか、
広く一般に向け、直接被災地の生の声を届けるための報告会を開催し、
被災地の実情について関係者が相互に理解を深め、
協力のあり方について議論を行う場を提供することと致しました。

つきましては、沿岸域における東日本大震災からの復興に関心の深い
皆様方の積極的なご参加を賜りたく、下記のとおりご案内申し上げます。

お手数ではございますが、下記の参加申込みフォームにご入力の上、
E-mailにてお申し込み下さいますようお願い申し上げます。                                    
                     
=================記=================

1.日 時:平成23年10月19日(水)13:00~16:00
     (受付開始12:30)

2.場 所:東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル 1階バウルーム
      (http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)

3.報告発表の次第
 ・開会(13:00)
 
 ・開会の挨拶
 
 ・岩手県沿岸域からの報告発表
 (岩手県)
   岩手県沿岸広域振興局長 中村一郎
 
 (宮古市)
   宮古市長 山本正徳
   岩手県指導漁業士 山根幸伸
   NPO法人 いわてマリンフィールド理事長 橋本久夫
 
 ・質疑応答
 
 ・閉会(16:00)

4.お申し込みについて
 (1)申し込み受付のご連絡はいたしませんので、当日直接会場にお越し下さい。  (2)定員になり次第締め切らせていただきます。(定員250名)  (3)参加費は無料です。 5.お問い合わせ先   海洋政策研究財団   担当:政策研究グループ 市岡、塩入   Tel:03-3502-1965 Fax:03-3502-2127 E-mail:t-shioiri@sof.or.jp                                      以上 **************************************************************** ◎個人情報の取り扱いについて なお、個人情報については適切に管理され法令による場合を除いて 第三者に提供や開示は致しません。 **************************************************************** (ここから下を返信してください) ---------------------------------------------------- ◎「東日本大震災からの復興    -岩手県沿岸域の生の声をきく会-」に参加します。 ・平成23年10月19日(水)13:00~16:00   日本財団ビル1F バウルーム ご芳名: フリガナ: 会社名: 部署名: 役 職: 〒: ご住所: TEL: FAX: 通信欄: ----------------------------------------------------

可溶性鉄(Fe2+)の存在が真核生物の進化に大きな影響を与えた(ネーチャー1月号より)

2011-10-10 | 里海探偵団
ご存知のように,海の化学組成は地球の表面の酸素によって大きく変化しました、そして海の化学組成は生命進化、エコロジーの歴史に影響を与えました。初期の地球は海ー大気システムによって特徴づけられたのに対して、先カンブリア代以降の顕生代Phanerozoicの長い時代(5億4千2百万年)は動物拡散に貢献する酸素生物圏として知られています。先カンブリア代原生代Proterozoic(10-18億年)の表面環境の酸化還元の特徴はそれほどよく知られていません。原生代は世界的規模でsulphidic(硫化物に満ちた状態=ユーキニック)が深海に存在していたと一般的に言われています。

ここで本研究において期の海の泥岩層からの鉄のデータが得られています。すなわち,上述のポピュラーなモデルに反して、原生代の海における多様な古地理学的な環境においてはferruginous(無酸素でFe2+に富んだ状態=可溶性鉄)が時空間的に広大であることから,eukaryotic(真核生物)進化のために重要な入り口となる鉄の層群の時間的分布と生物進化に重要な微量元素に関する新しいモデルが立てられました。

Geochemical evidence for widespread euxinia in the Later Cambrian ocean 後期カンブリア海における広範囲にわたるユーキシニアの地質化学的証拠
Benjamin C. Gill,, Timothy W. Lyons,, Seth A. Young, Lee R. Kump,, Andrew H. Knoll & & Matthew R.Saltzman
Nature 469, 80–83 (06 January 2011)