Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

ワカサギ博士デルタスメルト生息地へ

2009-01-18 | シーグラントカレッジプログラム
  デルタワカサギの生息地サンフランシスコ湾の奥にあるSuisun湾を訪れた。デルタスメルトは日本のワカサギの近縁種である。カルフォルニアワカサギと私は呼んでいる。サンフランシスコ湾の奥にあるサクラメント川河口域周辺が生息地であり,世界で唯一ここにのみ生息する。論文で見たことはあるが,現地へ訪れるは初めてだ。
 緑豊かなベイエリアのバークレーを離れ,80号線沿いにSuisun市へ向かう。Suisun市が近づくとたくさんの羊と牧草地帯が見えはじめた。見渡す限り草地である。「これが本来のカルフォルニアだ。」とエミングトン氏はいう。さらに続けて,「あの大木は入植後植えたもの。本来のカルフォルニアではない。」
 リオビスタロード沿いはあたり一面牧草地とウインドミル(風力発電)が目立つ。農家をやめて,風力発電で億万長者が出ているという。
 リオビスタロードを途中右に折れ,コリンズビレという小さな村に向かう。そこにはSuisun湾に沿って彼のプロパティがある。プロパティに到着し,Suisun湾を望む。湾と行ってもサンフランシスコ湾のさらに奥にある。ここは,デルタスメルトの生息地であったが,姿を見かけることはないようだ。現在はバスが目立つという。穏やかである。波一つない。バスを釣るためであろう,小型ボートが沖合に浮かんでいる。私もデルタスメルトを探して,水面をのぞく。透明度は非常に悪い。悲しさがこみ上げる。I'm really sad! 地元の住民に話を伺う。「かつてはこの上流にあるサクラメント川に数多くの銀ザケが遡上したんだ。もちろん,デルタスメルトもね。今は全くいない。バスがいるぐらいだ。」「子供の頃(50年前)はここで泳いでいたんだ。」「子供の頃,ここの水は飲むことができたんだよ。」「デルタスメルト?いないね。」「なぜいないか?それは,水路のせいだ。上流の水を南の方に持って行っているんだよ。」「淡水がなくなって,多くの魚がダメージを受けているんだ。」この50年の自然の大きな変容を物語っている。閉伊川第一堰堤でも,漁師E.M氏が「昔は飲めたんだよ。今はだめだが。」と話ていたことを思い出す。しかし,閉伊川のそれ以上の変容である。
 Suisun湾は広大で、穏やかだ。しかし,彼方にみえる対岸のピッツバーグまでこの状態が続いていると思うと,残念でならない。
 帰路はリオビスタロードを西へ走り,リオビスタ市へ。スペイン語で,川を見渡す,という意味だ。サクラメント川が坂の下に見える風光明媚な場所である。川の様子を探る。小山田橋下と同じような透明度である。川幅は200m程度であろうか?。今回の調査では,デルタスメルトの生息を確認できる情報は得られなかった。

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