Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

いよいよスタート2年目の研究活動【エシカル生態系喫食プログラム】

2022-04-09 | 水圏環境教育

テーマ 生産と消費をつなぐ【エシカル生態系喫食プログラム】の実践
内容 東京の人口は1千万人を超え,食料の約90%を都外の生産地から取り寄せている。莫大な食料を外部に依存している。
 その結果,生産の現場とのつながりのない状態が存在している。このような状態は,食料供給の重要性の理解の障壁になっているだけでなく,
 自然とのつながりの中に存在する私達人間と食料である生物との関わり【関係価値】を十分に理解することが難しい状態を作る。
このような状態を続くことは,人間活動が自然環境への負荷を与える行動に歯止めがつかず,持続不可能な自然と人間との関わりを
形成することになる。
 近年,関係価値の概念が世界的に注目されている。人間と人間との関係だけでなく,人間と自然との間にある価値のことを指す。
本来私達は,自然と人間との関わりの中で生活を送り,自然を愛で大切にし,そしてその中から生み出される食料によって生活を
営んできた。里山や里海の概念が当てはまる。
 このような関係価値を大切にすることは,自然環境と人間との関わりのみならず,人間と人間との関わりにもよい影響を与える。
本実践では,消費者が食べる食料の一部(食品残渣)を再利用することで,消費者が生産につながって関係価値を高め,自然を大切にする意識を育むことで環境負荷のかからない消費生活を送ることができるようになることを願い,実施する。
方法 中学校において,9月の給食日に,BUIK餌料で養殖されたマダイを使い,事前学習(4校時)と事後学習(5校時)を行うことによって,消費者が生産に加わることによる認識の変容を調査する。その際,タブレットを用いた双方向の情報共有を行い,アンケート調査を実施する。BUIK餌料とは,50種の菌が混じり合った発酵微生物で食品残さを8時間で分解して餌料とするものである。東京海洋大学の昨年の研究で,養殖魚には害を与えず,水質を透明に保つ働きがあることが示されている。

必要とするマダイ:6月ー8月までBUIK餌料を重量比3%を添加し,3年もののマダイ(130匹)を育成し,9月に水揚げを行う。マダイは,調理加工し喫食プログラムに供する。

対象:中学校1−3学年(日にちを変え,学年ごとに実施),BUIK菌の有無,情報伝達の有無に対象を分ける。

調査項目:関係価値に関する質問紙に基づき調査を行う。