Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

人間の狩猟採集にある重要な意味

2018-04-21 | 水圏環境教育

人の狩猟採集には大きな意味があるそうだ。他の動物にはない特別な機能であると。その意味は,狩猟採集したものをシェアすることができるということのようだ。なぜそのような能力が発達したのか。

同じヒト科のゴリラに比較すると,子どもの離乳は早く,1年である。これに対して,ゴリラは3年かかるといわれている。これは生理学的にも明らかになっている。人間は,ホルモンの一種であるプロラクチンを抑えることによっておっぱいが出なくなるという。そのことで子供をたくさん出産できるようになる。そうすると母親が関係する親戚同士が子供の面倒を見る。人間独特の関係性が作られていく。そのことが人間の社会性をうみだした。

また,言葉が存在する前から音楽があったであろう。それは子供をあやすためである。そして,言葉ができあがっていくのである。このことからも,人間の人間としての文明の発達は,心と心の交流から生まれたものである。損得から生まれたものではないのだ。

 


世の中の経済は市場原理だけが支えているのではない。

2018-04-21 | 水圏環境教育

生産物をお金で取引する対価交換する場所が「市場」である。この市場原理によってこの世の中の経済の仕組みが成り立っている。だが,ここで注意が必要である。

 まず一つは,この世の中の経済の仕組みは、市場原理だけで成り立っているわけはないことだ。例えば,手作りの野菜やお魚を大学生に振る舞っていただくことがある。この振る舞いは,お金による対価交換の原理ものではない。森川海に住まう人々の「まごころ」によるものだ。大学生と地元の方々の間に心の交流が生まれる。心の交流によってまた来てみたい,あの方にお会いしたいと思うようになるものだ。このような交流は,市場原理よりもむしろ大事なのではないか。

 しかし,そのような心の交流ができるのは,豊かな自然があってはじめてできることだ。自然がない都会では,市場原理,損得勘定,私利私欲が優先され勝てば官軍のような勝者の論理が先行することは悲しいことだ。

 それから,もう一つは,市場原理に当てはまらない事柄によって支えられている事実があると言うことだ。それは,医療,教育,福祉など公共サービースなどだ。そして,この世の中のほとんど様々な事象は、森川海の自然環境によって支えられているのだ。農林水産業は当然であるが,工業製品もそうである。例えば,ハイブリッド自動車に使われているバッテリーは,レアアースでできており,アフリカの山林を切り崩して生産されている。切り崩す山がなくなったら,次はどこの国の山になるだろうか。残念ながら市場原理だけに目を奪われると自然環境はあっという間に破壊される。