Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

UCバークレー校アーキオロジー(考古学)研究室を訪問

2009-02-26 | 閉伊川調査
 バークレー校のアーキオロジスト(考古学者)を訪問し,意見交換した。アメリカでは日本の縄文遺跡への興味関心が高く,こちらでは青森県を中心とした縄文遺跡に頂点をあて,研究が進められている。

 プロジェクトは毎年4週間の発掘とソーティングを現地で行う。その後,サンプルをバークレー校に持ち帰り種を同定するという。同定作業は,学生がワーキングとして分析に当たる。

 私が訪問した際は,10台程の実態顕微鏡で植物の種の同定を学部生が実施していた。このワーキングは,3時間実施することで1単位が与えられるという。ある学生にインタビューすると,大変日本の文化に興味を持っており,日本語を勉強し将来は日本で研究をしたいという。

 ある大学院生は,三内丸山の魚類の骨を分析し,縄文人がどのような魚類を食べていたのか分析をすすめている。マグロなどは,縄文時代の食べ物としてよく知られているが,現在でも普通に見られる湿地帯や汽水域に生息する身近な魚類も食べられていたという。ワカサギを食べていた可能性がありそうだ。年内にThesisとして発表される。楽しみである。

 それぞれの国々における生活の歴史は,現在の食文化や自然認識に大きく影響を与える。日本の海洋認識もこうした縄文時代の生活様式が影響を与えている。日本人の私たちは,このあたりをもっと認識を深めていく必要があろう。

 岩手県沿岸も縄文遺跡が多く,未だその当時の影響を残している食生活がある。例えば,クルミをお正月によく食べること,私の叔母がドングリを食べさせてくれたことなどを紹介し,岩手県沿岸部の調査と海外への情報発信に期待を寄せた。