石川県の真脇遺跡の土器です。祭祀用の土器で「イルカ」を送るためのものと仮定しています。
土器の異質な面や模様に注目します。「ふくらむ」のあることに意味があるとしました。土器に「貝塚」を現す時に「削る」ことを行っているのです。理由は「魂の無いモノを送る」(死者を送る)という事で削ったり壊したりする行為があるように思います。
今回は「死者を送る」というのでなく「イルカ(生)を送る」というのは、生きたモノの命を預かるという行為になり「死者」の扱いと反対の行為になり土器面を高く盛っているとしました。縄文ヒトはどのような意識で高く盛ったのでしょう。
・「天界」は以前「天空」としました。あの世の世界という意味です。
・「天道」は「天空」に行く道です。模様のない無地の所ですが、二段になっているのが問題です。「空中」と「水中」の二段が無地でしょうか。意味が有るはずです。
・「地界」(水中)は地面であり海であるとします。地界には「漁網」を張ってイルカを捕るのです。天界にも重円がありますが「地界」と同じ「漁網」です。地界の虚像が天界に描かれていると考えます。
生き物の命を奪う行為は「全てが生きる」という「縄文の心」に反します。
アイヌの「熊送り」のように、何らかの行為で償いをしなくてはなりません。
それが儀式ということです。
儀式に使う重要な土器だと思います。
縄文楽 浄山