宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

ミザールとアルコルの200%拡大とミザールの1100%拡大で検証

2013-05-16 15:46:00 | 撮影機材
・10cmF5.23 Newtonian , K-5Ⅱs(1620万画素 , ローパスレス機) ,
 0.5mm厚卍スパイダー , ISO100 , 60sec 1カットのみ , 中央部
 のみトリミング




・ミザールの離角は14.4"角

・二重星間のピクセル数 = 7.5個
 → よって、4.81 X 7.5 = 36.075[μm]

・k-5Ⅱsの 1Pixel = 4.81[μm]

・焦点距離523mmで4.81μmは、tan-1(4.81/523000)で1.9"角となる

・二重星間のピクセル数 7.5 X 1.9" = 14.25" 角で、離角とほぼ一致

・ISO100 , 60sec での最小星像は 3Pixel = 14.43[μm]、13.20 等星
 ISO1600 , 60sec での最小星像は 2Pixel = 9.62[μm]、15.06 等星

 2Pixel = 3.8"角 である

・K-5ⅡsはRGGBのベイヤー配列機だが、2 X 2 = 9.62μm角の
 分解能では無いようである。(この辺りは良く分からない)
 1620万画素の1ピクセルである4.81μmで実測するとつじつまが
 合うので、そのように計算した。

・8等星になるとスパイダー光芒は出なくなる。


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以上の結果より、
最小星像が9.62[μm] , 3.8"角であると実測できました。
8等星を境に光芒が出なくなり、ISO1600 の 60sec 露光では
15.06等星が検出できています。

例えば、これが5mm厚の4本スパイダーでも何ら変わらない
解像度になるのでしょうか?
輝星の光条やまとわり付く光芒の話ではありません。
微妙に像がボヤケて 2Pixel までの解像は出来ないような
気もしますが、このあたりはデータが無いので解りません。

ベイヤー機の真の分解能をどう定義するのか知りませんが、
この検証では 1Pixel = 4.81[μm] で考えて良さそうに見えます。
冷却CCDである ICX285AL は 6.45[μm]、KAF8300は 5.4[μm]
ですが、実はデジイチの分解能はこれ以上なのでしょうか?
ベイヤー配列で色を決定している訳ですから、2 X 2 = 4Pixel
の解像力だと思っていましたが・・・>?知識不足で分かりません。
配色アルゴリズムと分解能力は違うの?
う~ん、分からない。

今回の検証から分かることは、

・k-5Ⅱsは4.81[μm]分解能で考えて良いのではないか?

・薄い卍スパイダーは限界等級に寄与しているのではないか?

・ピクセル等倍処理で系外星雲の微細構造をあぶり出すような
 場合、少しでも遮蔽率と干渉の影響が少ない、薄いスパイダー
 が有利なのではないか?

・APS-C全画面で処理するような撮影では、
 特に薄いスパイダーでなくとも何ら変化が無いのではないか?
 むしろ輝星の光条が太く短くなるので好ましいかもしれません。
 ε180などは、実は強拡大時の解像力はあまり無いのでは
 ないか? そもそも、
 そのような使い方をする鏡筒でないのは承知の上です。

・APS-C全画面撮影する場合には、
 0.5mmスパイダーに黒い綿のようなモワモワを巻いちゃったりし、
 2/3型冷却CCDで撮像する場合にはソリッドに0.5mm厚で撮る。

こんな感じでどうでしょうか?

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