宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

LPS-P2を外して色を出す。

2013-11-11 17:10:00 | 天体写真(冷却CCD)
11月8日の夜に撮影して来ました。
本当は7日が良かったのですが仕事が終わらずアウト!
8日は既に下り坂で、晴れたり曇ったり薄雲になったりと
慌ただしい天気でした。まあ、それでも約ひと月振りの撮影で
リフレッシュできましたよ。

で、

やはり遠出が出来ない為に少しでも高度を稼ごうと有間峠へ。
今回はLPS-P2を外して星の色を出したいと思いました。
本当は入笠山や富士山5合目へ行きたいところですが叶いません。
こんな所ではデジイチでは絶対に白トビしてしまいますから、
ワンショットカラー冷却CCDカメラに頑張ってもらいました。
当然東から天頂まではNGですから、僅かでも天頂を越えてから
の撮影としました。

雲が多いため、ボウズ対策でM27をチョロッと撮影。

6X5min , 30min Total


おお、M27の本当の色はこういう色だったのかあ~。
等倍切出し。


NGC7000ですが曇ってしまい、たったの1カット!(V)o¥o(V)
1X20min しかもか~なりの薄雲通過あり。


RAW画像を現地で見た時には、あまりの周辺減光と低コントラスト
な画像で完全アウトかと思っていました。
帰宅後に一応フラットを作成して適用したところ、ビックリする
くらい改善されました。やる気なしフラット撮りだったのでCCDを
結露させてしまい、左下部がスジスジになってしまった。
まあ、たった1カットなんだからこれでもいいやってなもんです。

M31(今回一番色を確認したかった対象)でも、時々薄雲通過。
8X10min , 80min Total


等倍切出し


この黄色から青系の色がLPS-P2を使うと出ないんですよねえ~。
デジイチ(私の場合はK-5系)だと、更に色飽和も速く、
明るい星がみんな白くなってしまいます。
モノクロ冷却CCDで撮られたM31を見ると、明らかにデジイチとは
次元の違う色の深さを感じていましたが、大画素のモノクロ冷却CCD
システムを持っていないため、私の場合はワンショットカラー冷却CCDです。
それでも16Bitの諧調は光害に強いことがハッキリしました。

今回の画像を16bit_fitsから16Bit_Tiffへ”ストレッチ”する際、
光害成分のゲタ部分をバッサリと切り捨てています。
それでも20分露光で飽和することもなく、明るい星で35000カウント
程度でした。ここで言うストレッチはSI7のストレッチではありません。
このM31の場合下は800カウント、上は21600カウントで切出しています。
これをTiff_16Bitへストレッチする訳です。

デジカメの14Bitだと16384カウントまでですから飽和領域ですね。
ちなみにM27とNGC7000は800-5000という狭い範囲で切出して
ストレッチしています。強い画像処理をやらなければ光害地でも
この程度の切出し(光害成分の切り捨て)でも何とかなるようです。

いや~、久し振りに綺麗な星の色を見た気がします。
LPS-P2に頼りすぎるのもどうかと思いますね。

尚、23:55にてベタ曇りとなってしまい撤収。明け方の彗星狙いは
儚く散ってしまいました。(ま、明るくないですけどね→アイソン彗星)

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撮影日時:2013年11月8日 18:53:33~23:48:33
撮影地:有間峠
星空指数:50点
気温:4℃
シーイング:4/5

冷却CCD:ORION StarShoot Pro V2.0(SONY SuperHAD ICX413AQ)
撮像鏡筒:10cmF6 Newtonian -> F5.48(AC No,3使用、卍スパイダー)
フィルタ:LPS-P2無し

撮像時間:5min , 10min , 20min
ダーク画像:3 X 10min
フラット画像:5枚(帰宅後に部屋で撮像)
フラット用ダーク画像:5枚

赤道儀:TS-90S
ガイド:5cm fl=250mm + SSAG + PHD

CCD制御&RAW現像:MaxIm DL Essentials Edition
画像処理:SI7 , cs5

処理プロセス:MaxImDLにてFITS_16bit Intで撮像。
       ダーク減算、フラット補正後にFITS 32bit Intで保存。
       カラー化、コンポジット後にFITS EEE Flortで保存。
       FITS EEE FlortのままSI7で画像処理を行い、最終仕上げを
       TIFF 16bitで書き出しSI7 , cs5で行った。

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特定のPCから記事へのコメントが書き込めない問題がまだ治っていない
ようです。私のこのマシンからはコメントが書き込めません。
なんのこっちゃ、自分のブログにコメントが書けんゾ!

 |
 +->IEキャッシュを削除すれば正常に認証確認画面が出るとの
      説明がありました。私は自動削除に設定しています。
      それでGMO_teacupへメールにて問い合わせたところ、
      明示的にIEキャッシュを削除するように言われ、やってみた
      ところ正常復帰しました。なんで?
      ま、いいや。

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2 コメント

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Unknown (demio)
2013-11-14 22:20:55
LPS-P2は天体本来の色をスポイルしてしまう・・・という事でしょうか。
確かに透過特性を見ると何カ所かカットされている帯域があるのでその影響は少なくないと思っていました。
デジカメの場合は関東近辺で撮影する場合はどうしても光害カットフィルタが必須となってしまいますが、冷却CCDの場合はワンショットカメラでも光害に強いようですね。
何時かフィルターが必要のない環境で撮影してみたいものです。
返信する
Unknown (eti_forest (☆男))
2013-11-15 12:56:33
demioさん今日は。
LPS-P2を使うと画像が相当程度青くなってしまいます。
そこで色温度を正常にしてみると、黄色や緑や青があまり出ていないことが
不満でした。多層膜干渉フィルタですから入射角依存性が強いと思いますが、
カラーバランスが崩れているように思うのです。
ORIONのSkyGlowFilterも使っていますが、私はこちらの方が好みですね。
見た目もLPS-P2の方が青みがかって見えます。
画像が青いので青を落としてカラーバランスを整えると、今度は青が足らなく
なってしまうのです。

そもそもデジイチで撮った恒星像は、飽和して白トビしていることが多いです。
ISO1600辺りから色味を失っていくような感じがします。
ISO800だとK-5系でも色が残っています。一見ISO1600~3200の方が星雲などが
ハデに見えますが、処理してみるとISO800(一見露出不足に見える)から
引っ張り上げた画と大差ないことが分かります。
むしろISO800で撮って色を残しながら”やわらかめ”の処理をした方が綺麗です。

C-MOSセンサのデジイチは、長時間露光や高ISOでの色再現性は苦手?
と感じています。私の使っているワンショットカラー冷却CCDはSONY ICX413AQで、
PENTAX istD , Nikon D70に使われていたものと同じです。
古いですが、16bit処理も合わせて発色の粘りがあるように感じます。
K-5Ⅱsは実にシャープな画を出してくれますが、長時間露光や高ISO時の発色は
満足できるものではありません。(アッサリし過ぎている。)
最新のCCDを使ったデジイチは出ませんかね-?
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