宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

300FN+ASI294MC_Proは使い易いにゃあ~

2021-04-20 16:52:00 | 天体写真(冷却CMOS)

性懲りもなく奥秩父へ行って来ました。
今回はワンショトカラーCMOSである、ASI294MC_Proを使いました。


ココは2年ぶりくらいです。懐かしい。
前回に引き続き、今回もスマホコンパスで真北を出しました。
まだ明るいうちからセットアップが完了。
かなりイイ線で真北が出ていました。

今夜は全く曇る気配が無く、朝まで快晴・微風・夜露無し。
300FNの斜鏡はオフセットされているため、光軸合わせが
厄介です。今回までにイロイロ試し、やっと完璧な手順を
Fixできました。

SkyFlat


SkyFlat超強調処理(四隅は16%程度減光)


・しっかりとした接眼部基準で斜鏡の繰り出し量を決める。
 オフセットされている斜鏡には、センターマークと
 オフセットマークをマジックで書いておく。

・コリメーションアイピース(センタリングアイピース)にて
 斜鏡スパイダーの重なり具合、主鏡に写るドローチューブ
 の位置を概ね合わせ込む。

・主鏡はセルベタ付けとしておく。

・主鏡センターマークと接眼部中心が合うように調整する。

--- ここで一旦CMOSカメラを付けてフラットを撮る---

・光量バランスを見ながら斜鏡の位置を修正する。

・センタリング精度が信用できるレーザを接眼部から照射し、
 主鏡のセンターマークへ落とす。
 コリメーションアイピースで合わせていても、1cmくらいは
 平気でズレている。

・レーザが接眼部中心に戻ってくるように主鏡セルを調整する。

これでOKです。
現地ではレーザのみで微修正してから撮影に入ります。
F4のパラボラ鏡は相当にシビアですから、星像を使った追い込み
をやろうとするとハマリます。ほんのサジ加減で微修正が決まれ
ばラッキーですが、適当な所で妥協します。

<ポイント>

初めからレーザーだけでやらないこと。
シングルレーザーは光軸が適当でも戻って来ます。
オフセット斜鏡のセンターとオフセット位置を明確に。
まずは、接眼部基準で斜鏡の位置をFIXすることが大切です。
ここが合っていないと光量が偏ります。
主鏡セルはベタ付けから始めます。普通、そんなに傾いていません。
ここから少しづつ浮かせて行きます。
主鏡脱落防止リングがある場合は要注意!
絶対にリングと主鏡を当ててはイケマセン。(超圧迫となる)
コリメーションアイピースと信頼できるレーザーを併用する。

但し接眼ユニットが斜めっていた場合、
APSC以上の素子ではスケアリング調整機構が
必要になります。小さな素子では目立たないだけ
ですけど・・・

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先週はASI183MM_ProのL画像のみでDSO狙いでしたが、
今回はワンショットカラーで撮りました。
主目的はオフセット斜鏡の光軸合わせが間違いないかなどの
確認です。なので、お月様が1時まで居ても問題ありあません。

NGC4244 , M63 , M106 , M101までは月明中の撮影です。
撮影データはほぼ共通。

NGC4244 , 11X180s , 33min Total , DarkAndFlat


M63 , 12X180s , 36min Total , DarkAndFlat


ダークのみ適用で2000X2000切り出し。OnlyDark & FlatAide


C-14にも負けないイイ感じの解像感が出ています。

M106 , 12X180s , 36min Total , DarkAndFlat


M101 , 10X180s , 30min Total , DarkAndFlat


ヘルクレス座銀河団(カラー等倍), 13X180s , 39min Total , DarkAndFlat


M27 , 8X180s , 24min Total , DarkAndFlat


M20 , 9X180min , 27min Total , DarkAndFlat


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撮影日時:2021/04/19-20
撮影場所:三峰ヘリポート 標高850m
天候:快晴、微風、夜露無し
気温:6℃→3℃
星空指数:80
シーイング:4/5→5/5

撮像鏡筒:300FN, 30.5cm , F4 , fl=1220mm
カメラ :ZWO-ASI294MC_Pro (Sony IMX294CJK Back Side Illuminated CMOS 4/3inch)
FilterWheel:ノーフィルター
コマコレクター:SkyWatcher_CCF4

Gain:250
冷却温度:-10℃
露光:1カット180sを基本とした
Dark:G250 , -10℃ , 10X180s
Flat:M101用SkyFlatを流用(10X180s , 30min Total)
ファイルフォーマット:Fits

赤道儀:SkyMaxエルボ改_E-ZEUSⅡ仕様
ガイド:50mmF4ガイドスコープ + QHY5L-ⅡM+PHD2_Ver,2.6.9_dev4(MultiStarGuide)
極軸合わせ:スマホのコンパスアプリ+PHD2のドリフトアライン機能

ASCOM Platform 6.4_SP1
撮像ソフト:SharpCap3.2_Pro
現像ソフト:SI7
微調整:PhotoShopCC_2021
撮像用PC:Lenovo_C340_Win10_64bit , USB_3.1C
ガイド&FilterWheel用PCもC340 , USB_3.0_Gen1

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コメント (5)
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