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成長社会から成熟社会へ

2016-08-29 | 社会

成長社会から成熟社会へ
 最近、日本の社会を「成熟」社会と呼ぶ人が多い。厳密な定義はないと思うが、「成長」社会、それも「高度」が頭につく社会の成長とともに70年間を生き延びてきた老人の実感として、確かに今の日本は、物質的にも情報的にも制度的にも、そして心理的(心情的)にも成熟の極みにあると思う。
たとえば、「成長」社会では、
 ・勉強すればよりよい生活ができるとの確信を持ちながら勉強ができた
 ・満足な食事と安全確保の不安が次第に解消される
 ・ほしいものが徐々に手に入る
 ・どんどん満足感が高まる

ところが、今の社会は、勉強の苦労も、食事と安全の確保も、物質的な欲求も、さらに満足感の向上も、少なくとも生きていくための主要な目標にはなりえないのだ。なぜなら、すべて目の前にあるのだから。これを成熟社会と呼ばずしてなんと呼べばよいのか。
では、成熟社会で生きていく上での目標はなんであろうか。たぶん、それは、自分が生きたいように生きる、なりたい自分になることではないかと思う。いわゆる自己実現である。そして、学校では、そのように教えられる。