心の風景 認知的体験

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認知的体験
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●表情」心理学基本用語

2021-06-17 | 心理学辞典

●表情(facial   expression)
表情は気持ち(情動)のあらわれであると同時に、他者への無言のメッセージ、たとえば、嫌悪の表情は他者を遠ざけるし、喜びの表情は他者の喜びを誘導する機能を果たす。
表情には、幸福、悲しみ、怒り、嫌悪、驚き、恐怖の6つの基本表情があり、その組合せで他の微妙な表情が作り出される。
6つの基本感情は、どの文化圏でも存在するが、その表出の仕方や強弱には微妙な文化差がある。


◆ヒューマン・エラー」名言の心理学

2021-06-16 | 心理学辞典

◆ヒューマン・エラー(human error)〔心理学〕
人は必ずエラーを犯す。エラーは人であることの証であるかのようである。機械・システムの設計は、このことを前提にしないと事故が発生してしまう。事故につながるような行為は努力しないとできないようにするフール・プルーフ(fool-proof)、仮にエラー(故障)をしても、すぐには事故につながらないようにするフェイル・セーフ(fail-safe)といった工夫が必要である。
ヒューマン・エラーには、大きく二つのタイプがある。ひとつはミステイク(mistake)。思い込みや誤解によるエラーである。もうひとつはスリップ(slip)。うっかりミスやしそこないによるエラーである。


◆ヒューリスティックス」心理学基本用語

2021-06-15 | 心理学辞典
◆ヒューリスティックス(発見的方法)(heuristics)〔心理学〕
問題を解くときにはアルゴリズムに従って、理詰めで1歩1歩解決に近づく方法と、失敗するかもしれないが、直観的に解に到達する方法がある。後者のような解き方をヒューリスティックスによるという。人は、このヒューリスティックスな解決を得意とする。ここには、制約された認知機能を有効に活用する知恵が反映されているものと思われる。しかし、ヒューリスティックスも、推論ミスに導く一定の認知的なバイアスの存在が知られている。



◆パターン認識]心理学基本用語

2021-06-15 | 心理学辞典

◆パターン認識(pattern recognition)〔1991年版 心理学〕
文字や図形、音声など空間的、時間的な広がりを示す対象が何であるかを認識すること。コンピュータによるパターン認識の性能が向上してくるにつれて、逆に、人間のパターン認識能力の優れている点が注目されるようになった。
機械でも人間でも、認識のモデルには二つある。特徴抽出モデルでは、あるパターンをそのパターンであると同定するのに十分な少数個の特徴との照合が強調される。鋳型照合モデルでは、パターンの定型的な鋳型との全体的な照合が強調される。

◆パニック神話(panic myth)」心理学基本用語

2021-06-13 | 心理学辞典
◆パニック神話(panic myth)
災害発生の警報や予知が一般住民にパニックを引き起こすとする、もっぱらマスコミの世界での通説のこと。
しかし、パニックの発生はむしろ稀で、危険からの脱出可能性に関するきちんとした情報が提供されれば、整然とした対応ができることが、いくつかの事例で確認されている。


◆認知発達」心理学基本用語

2021-06-06 | 心理学辞典

◆認知発達(cognitive development)
認知機能は誕生の瞬間から、生得的に組み込まれた機構を使って、活動を開始する。光りに眼球は反応するし、動く物体を追視することもできる。生後2カ月くらいで、すでに意味のある絵のほうをよく見る傾向を示す。環境から膨大な情報を取り込んで、知識として長期記憶に貯蔵していく。これが初期学習である。しかし、なんらかの理由で、しかるべき時期に、生得的な機構を開発する環境刺激が与えられないと、後の認知発達に障害が起こる。この時期を臨界期と呼ぶ。言語習得の臨界期は2歳くらいまでとされている。
一定量の知識が貯蔵されると、その知識を最大限に活用して、さらに学習が進む。J・ピアジェは、この過程を同化と調節ということばでモデル化している。
同化とは、与えられた情報を貯蔵されている知識のなかに取り込むこと、調節とは、貯蔵されている知識の更新・変更によって情報を取り込むことである。
同化できる情報のときは「よくわかる」、調節を促す情報のときは「はてな」という主観的な体験をもたらす。同化と調節がほどよく行われているとき、知的に適応しているという。

認知行動療法」心理学基本用語

2021-06-05 | 心理学辞典

  • 認知行動療法(cognitive-behavioral therapy)
行動療法は、20世紀前半の行動主義に立脚した心理学、とりわけ条件づけの心理学の知見を援用して編み出された行動変容の技術を援用する心理療法である。
これに対して、認知療法は、20世紀後半の認知主義に立脚した心理学の知見を援用して編み出された認知、思考変容の技術からなる心理療法である。
 この相反する心理学に立脚した2つの心理療法が、1990年頃になって認知行動療法として新たな展開を遂げてきた。
その基本的な考え方は、たとえば、うつ病などでは、自分自身に対するネガティブな評価を自ら作り出してそれに固執する(否定的自動思考)ことで、行動も不如意になってしまう。そこで、一つはそうした思考からの解放、もう一つは不如意となっている行動の改善、の両面から治療をしようとするものである。



思考スタイル」心理学基本用語

2021-05-27 | 心理学辞典
思考スタイル

「ひとそれぞれ

考え方には、ひとによって、くせがあります。そのくせを思考スタイルといいます。
さまざまな観点から、思考スタイルが提案されています。
昔やっていた自分の研究では、
分析型
全体型

スターバーグの思考スタイルでは、
立案型  創造的
順守型  記憶
評価型  分析的

さらに、
悲観型
楽観型 
というような思考スタイルもあります




◆認知的不協和」心理学基本用語

2021-05-27 | 心理学辞典
◆認知的不協和(cognitive dissonance)
たとえば、高価な買物をした人は、その買物の価値を高めるような情報は無批判的に受け入れるが、価値をおとしめるような情報は受け入れない。認知的な不協和(判断の一貫性への脅威)の発生による不快を避けたいからである。
認知システムは、そのときどきで、全体としての一貫性を志向する方向に変化する。

◆認知科学/認知心理学」心理学基本用語

2021-05-26 | 心理学辞典
◆認知科学/認知心理学(cognitive science/cognitive psychology)〔1991年版 心理学〕
1879年にW・ブントによって科学としての心理学の基礎が築かれて以来、心理学は、「科学」であろうとするために、あまりに多くの制約を受け入れてしまい、扱える対象が限定されてしまった。心理学の外から見ると驚くべきことであるが、心理学が心の働きの科学であると広言できるようになったのは、なんと20世紀も後半になってからである。認知科学、認知心理学が台頭し、研究の関心が、外から観察できる行動から頭の内部で起こっている認知(心)にシフトしてきたのである。
認知科学は、人間のみならず動物や機械も含めて、知の働きを、コンピュータのなかで表現できるようにモデル化すること(計算主義)をねらいとしている。知識をいかに論理的に表現するか、その知識をいかに運用するかが、主要な関心となる。認知科学の発展に呼応する形で、人間の知の働きに焦点を当て、新たな展開を見せたのが認知心理学である。
その成果の一端を、摘記してみる。
・人間の知の働きの多くは、「非論理的」過ぎて、現在のノイマン型コンピュータ上で実現するのが極めて難しい。
・しかし、人間のその「非論理性」は、状況に対して極めて適応的である。
・アルゴリズム(答えに至る筋道)が明確な知の働きは、かなりのところまで、コンピュータ上で模擬できる。

●認知的予備力」心理学基本用語

2021-05-24 | 心理学辞典
●認知的予備力(cognitive reserve)
脳活性化の話がにぎやかである。高齢者にパズルや計算などをさせることで、頭のボケ防止を測ろうとする話である。これに関連して、最近、脳生理学の用語ではあるが、心理学的にも興味深い認知的予備力という概念が提唱されている。
高齢になっての認知症などボケへの抵抗力は、若年期においてどれほど頭を使ってきたかに依存するとする考えである。若いときほど苦労せよ、は脳活動に関してもあてはまるようである。




◆認知的複雑性」心理学基本用語

2021-05-21 | 心理学辞典

◆認知的複雑性(cognitive complexity)〔心理学〕
人や社会的事象の認知は、見方によってまったく異なった様相を呈する。思い込み、偏見、ステレオタイプは単一の見方に固着したときに起こる。これに対して、同時にいくつかの見方をすることで、認知の妥当性を高めることができる。このような認知のできる人を認知的複雑性の高い人という。


◆認知的均衡理論」心理学基本用語

2021-05-20 | 心理学辞典

◆認知的均衡理論(cognitive balance theory)
親友と何か(x)についての意見が合わないと、2人の関係(自分P、他人O)は緊張する。このとき、Oとの関係を変えるか、Xについての考えを変えるかすれば、3者関係は安定する。POX関係をこのように考えることで、関係の均衡―不均衡をとらえる理論。

◆認知エキスパート」心理学基本用語

2021-05-19 | 心理学辞典

◆認知エキスパート(cognitive expert)
種々の認知機能において、並み外れた能力を示すもうひとつのケースが認知エキスパート(専門家、熟達者)である。雛の雌雄弁別の得意な人、計算機なみの計算技能をもつ人、円周率を4万桁も暗記している人、速読で30分で文庫本1冊を読んでしまう人などである。いずれも独特の方略を使っている。例えば記憶術者は、覚えるものを連合させるための符号表を使ったり、計算エキスパートは、頭の中でそろばんを動かしたりする。したがって、その方略を使うことを訓練すれば、だれしもが一定レベルの認知エキスパートになれる。


至高体験」名言の心理学

2021-05-18 | 心理学辞典
至高体験と芸術

九の外れがあっても、ひとつの至高体験を求めて人間は何かに向かっていくんだ。そしてそれが世界を動かしていくんだ。

(村上春樹「国境の南、太陽の西」より)

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はずれかどうかはわからないが、あれこれ一生懸命やっているうちに、我を忘れて没頭するものが見つかる。
しかし、それが九対一では、いかにも割が合わない。もっと確実に至高体験をしたいとなると、オカルトや宗教の世界に飛び込むことになる。
そこでは、至高体験の内容はどうでもよい。至高体験さえできればよい。
これでは、しかし、人間としての成長にはつながらないだろう。世の中を動かすことにもならない。
はやり仕事を通しての至高体験こそ、めざすべきもの。先に至高体験ありきではなく、あくまで最高の仕事をする過程で自然に体験されるものであろう。