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閉めたつもりで施錠

2018-10-17 | 安全、安心、
玄関ドアをまるごとリフォームする契約をした。
あとは、工事を待つだけ。

ゆうべは、これまで2,3度ある、「閉めたつもりで施錠」ミスという
とても危ないミスを犯してしまった。

多分、ドアの自動的に閉まる力が落ちてきているからか、
はたまた老化による行為不全のどちらかだと思うが、
きちんと閉まる前に施錠してしまったのだ。

そのつもりで見れば、戸があいているのは、見え見え。

危ない、危ない!!!
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看護、医療現場での目標管理とヒューマンエラー」再掲

2018-10-10 | 安全、安心、

「目標管理とヒューマンエラー」

はじめに
 目標管理と言う時には、2つの視点がある。
 一つは、組織など外部での目標(使命)管理である。本特集で使っているのが、もっぱらこれである。
 もう一つは、外部で設定される目標に従って仕事をする人々の「頭の中での」目標管理である。
 両者の間に微妙なギャップが存在するのが普通であるが、そこに目標を取り違えてしまうエラーの種が播かれてしまう。それをミスや事故につなげないための指針を提案するのが本稿のねらいになる。

●指針1 安全と仕事に関する目標とを葛藤させない 
 日常的な家事や車の運転、病院での業務などおよそどんな仕事をする時でも、それに安全がからんでくると、頭の中が「あちら立てればこちらが立たず状態(トレ-ドオフ状態)になってしまうことがある。
 仕事の目標を達成しようとしてがんばれば、安全がおろそかになり、逆に、安全を第一にすると、仕事のほうの目標達成に支障が出る。極端な場合は、仕事の放棄さえありうる。
 たとえば、遅刻しない(仕事上の目標)ためには車のスピードを上げなくてはならない。しかし、スピードが限度を超えると、事故の可能性が高くなってしまう(安全上の目標違反)。あるいは、緊急の手術が必要な患者が運び込まれた。しかし、自分の技量では無理とはわかっていても(安全上の目標)、緊急病院の使命(仕事上の目標)のためには、今ここで手術をしなければならない。さてどうする。
 こうしたトレードオフ事態を解決するには、仕事上の目標か安全上の目標のいずれかを優先するか、何もしないかしかない。
 前者に関しては、安全上の目標より仕事上の目標を優先させてしまうと、目標の取り違えエラーが発生する可能性が高まる。いくつか例を挙げてみる。
 ・患者の無理な要求に負けて外出許可をしたら、外出先で患者が  失神
 ・有能さをみせたい、あるいは、同僚に負けたくないために、無  理な手術をして失敗
 ・極端な合理化をしたため、ミスが続出
 トレードオフ問題の根本的な解決策は、その状況の中からは出てこない。せいぜいが、図に示すように、安全というパンドラの箱を開けさせない目標管理の重要性を認識するしかない。「事故を起こすより遅刻したほうがまし」であることを知ってもらい、組織としてもそれで良いとのメッセージを絶えず送る必要がある。

図1 安全というパンドラの箱を開けさせるもの

 大きくはリスク管理の枠組の中で解決していくしかないであろう。病院でのこうしたリスクが具体的にどのような場面で発生するのか、またその発生の高さと危険度を正当に見積もり広報する、最後は、保険でのカバーということになるであろう。
 トレードオフ問題のもう一つの解決策は、実は何もしないことである。もっと正確に言うなら、トレードオフ状態を抜け出て(事態を一時的に停止させて)、解決を状況の外に求めることである。上司や同僚などに解決策をゆだねるのである。
 ただ、これが習慣的な解決になってしまうと、まずいことも起こる。
 目標の取り違えエラーを引き起こさせる(パンドラの箱を開けさせる)背景要因の中には、職業人なら誰しもが兼ね備える好ましい特性、親切心、有能感、自己顕示欲、向上心、競争心などがある。これを極端に押さえ込んでしまうのは、人間にロボットになれと言うに等しい。技能向上への意欲を削いでしまうこともある。
 「角を矯めて牛を殺す」ことになってしまうのは避けたい。

●指針2 安全に関する目標は適度に具体的なレベルで明示する
 どの職場にも、安全衛生標語を見かけることが多い。定番は、「安全第一」「清掃、清潔」、「うがい 手洗い 感染予防の基本です」などなど(中央労働災害防止協会ポスターより。以下*は同じ)。
 これは、安全衛生に関する外部の目標管理の具体例であるが、ここで取り上げたいのは、そうした目標の表現内容の具体性についてである。
 安全衛生の領域に限らないが、どんな目標でもそれは、一つの階層構造をなしている。
 
図2 医療現場における階層構造の例

 上位には、「安全第一」という目標があり、それを達成するための下位目標(より上位の目標を達成するための手段になる)があり、さらに、その下位目標がある、というような構造をなしている。階層が下になるほど、末広がりになる。
 こうした構造を想定した時に、安全上の目標管理に関して2つの問題がある。一つは、目標の具体性(抽象性)のレベルの問題、もう一つは、目標構造の複雑さの問題である。後者については、指針3で考えてみる。
 目標の具体性のレベルとは、たとえば、最上位にある「安全第一」という目標は、非常に抽象的である。では、「きちんと休息 目・首・肩のコリをほぐそう」(*)はどうであろうか。こちらは極めて具体的な行動目標になっている。
 このように、目標構造は、抽象から具体という次元で上から下へと配列されているのが一つの特徴である。
 問題は、「安全第一」と言われても、やるべきことがたくさんありすぎて一体何をすれば、その目標が達成できるか皆目見当がつかない。そうかといって、休息に関する具体的な行動目標は、休息の仕方をガイドするが、それ以外についてはあまり役に立たない。
 このように、目標の抽象度(具体度)によって、それぞれ目標の持つ機能に違いがある。
 抽象的な目標も意味がないわけではない。「安全第一」をみたとたん、自分のするべき具体的な行動目標をあれこれ思い出し、それによって自分の行動を律することができる。また、具体的な目標もそれを見て、そこから「休息」の大事さを思い起こすこともできる。ただし、これができるのは、安全意識の高い人や安全知識の豊富な人の場合である。
 そこで提案する指針が、「適度に具体的なレベルの目標を提示する」である。
 階層構造の中間レベルにある目標を提示することで、それより上位(抽象)、下位(具体)両方の目標を思い起こさせる。ミドルアウト(真ん中から上下に思いをはせる)処理を期待するのである。
 「交通事故ゼロ運動」ではやや抽象的、「制限速度の遵守」では具体的過ぎる(間違いということではない。念のため)。「交通法規の遵守」あたりが適度の具体性のレベルになる。

●指針3 目標構造を単線型にする
 目標構造には、図2に示すような複線型のものと、上位から下位まで単線になっているものとがある。安全に関しては、単線型が望ましい。
 それでなくとも、指針1で述べたように、安全の目標単独で機能しているわけではなく、仕事上の目標と、並行して、あるいは、混在して頭の中では存在している。したがって、安全の目標を機能させるためには、それがあまり複雑ではまずい。うっかり忘れた、どれがどれとどう関係しているのかがわからないような状態になってしまう。
 そこで、せめて安全の目標のほうは、単線型にしておく。
 単線なら、仕事上の目標も含めて全体を思い浮かべることもできるし、どの目標がどの目標より上かがすぐにわかる。「患者を喜ばす」ことより「患者の安全を守る」ほうが大事であることが考えるまでもなくわかるような構造にすることが大事になる。

おわりに
 組織に主要な原因があると思われる事故や違反が多発している。言わずもがなの暗黙のルールが支配していた日本の組織のたがが弛んできているきざしがある。
 仕事上の目標も安全上の目標も、暗黙の状況の中に自然に埋め込まれていると思っているととんでもないしっぺ返しをくらう時代趨勢になってきていることを認識する必要があるように思う。
 目標管理、とりわけ、安全上の目標管理は、組織としてはっきり、きちんと提示し、そしてその徹底をはかっていくことが今求められている。
 そのためには、目標が働く人々にとってどのように機能しているかを知る必要がある。その一助に、本稿が少しでもお役に立てれば幸いである。

05/1/21 「看護」(日本看護協会出版会/北川)
2005年5月臨時増刊号特集
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●「不審な人を見かけたら110番」10年前の今日の記事

2018-10-08 | 安全、安心、
●「不審な人を見かけたら110番」
 我が家の近辺を散歩していると、こんな標語をあちこちで見かける。不審者でない自分のほうが、不審者に見られないかと緊張してしまうような時もあり、一人笑いしてしまうこともある。
ところで、本当に、不審者を見つけて110番する人はどれくらいいるのであろうか。
問題は2つある。一つは、不審人物であるという判断の問題。もう一つは、110番電話をするという行動の問題。判断も難しいが、さらに判断と行動の乖離もあるので、残念ながら、標語がすんなりと実践されることにはならない。そうかと言って、あとから、
「そう言えば、挙動が不審だった」では遅い。
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またまた台風直撃か!

2018-09-30 | 安全、安心、
すっかり災害列島化してしまったようだ。
あと3時間もすれば、風と雨が激しくなる予想。
我が家は安全圏と勝手に判断しているが、
災害は、予想もつかないところで意外な形で発生する。
とはいってもできることは限られている。
懐中電灯だけは万全だけでは、本当はどうにもならないのだが、
避難命令も出ていないし、そもそも、どうやってそんな命令を受け取るかもわからない。

無事に過ぎることを願いつつ、家の中でじっとしていることにしよう。

「その後」
現在、21時45分。
あまりの静かさに、表にでてみると、ぬわーとした暖気。
どうも、進路が外れてくれたようだが、
近隣には、警報がだされている。
まだ油断はできない。

それにしても、NHKの日曜番組、楽しみにしているものが
全部、キャンセルもねー。
でも、これがNHKの公共性を担保するやり方。
ごくろうさまですが、がんばってください。

「10月1日、午前2時40分」
きょう午後3時に日本のはるか南東海上のグアム島近海で台風25号が発生しました。

今後発達しながら台風24号を追いかけるように進み、来週の木曜日(10月4日)頃には沖縄の南海上に達する予想です。
(yafooニュースより)

「10月1日7時40分」
結局、我が家の被害は、ドアーフォーンが風にとばされていた。でもこわれてはいなかった。
被害にあわれた方々には、こころよりお見舞い申し上げます。
それにしても、台風接近、終電8時繰り上げを知らない人々が結構多いのには驚かされる。
災害は他人事と考えている人々が結構多いのかも。

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自転車にスマホ、やめましょう!!

2018-09-23 | 安全、安心、
電動自転車、1週間のって、これは自分には危険と判断してやめた。

歩道自転車が多く、
しかも、若者が多いのだが、耳にイヤホン、スマホいじりながらの自転車の多いこと。
しかも、かなりのスピードで、走る。
夕方など、無灯火自転車もある。

身近な危険の最たるものが、自転車ではないかと思う。

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定時運転の呪縛は安全の大敵

2018-09-17 | 安全、安心、
定時運転の呪縛は安全の大敵

 時間は誰しもがそれなりに利用している。時間のおかげで社会生活が円滑に営まれている。時間は、目に見えない重要な社会的インフラの一つである。そのインフラが至る所で極めて強固に構築されている日本において、定時運転が乗客のみならずシステム運行管理者から強く期待されるのも当然である。
 しかし、事が安全に関わるときは、定時の呪縛はネガティブな面をみせる。定時を遵守する以上に大事な安全がそのために犠牲にされてしまうことになるからである。
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エレベータのドアの開閉アイコン

2018-09-03 | 安全、安心、
エレベータのドアの開閉指示のアイコン

矢印だけで「開ける」「閉じる」を指示していることがあるので、戸惑うこともある。

矢印には、「指し示す」「動きを示す」「流れを示す」など多彩な意味があるので、
絵や言葉(漢字)を併記して、混同されないようにする必要がある。
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防災訓練の日

2018-09-02 | 安全、安心、
今日は、町内会主催の防災訓練の日。

全戸、11時から外から見えるところに、白タオルの掲示。

あとは、広場での消火器扱いなどの講習。

今年は、多数の参加者がいるだろうなー

来週早々にも台風襲来だし。
一昨日も、豪雨雷だし。

コントロールできない災害が今年は、多いという印象。
いやだんだん多くな来たなーという印象。

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 利便・快適機能を安全・安心機能と葛藤させない

2018-08-26 | 安全、安心、
 利便・快適機能を安全・安心機能と葛藤させない
 
 利便・快適機能と安全・安心機能とが一体となるのは、技術が成熟段階(完態)に到達したときである。そこに至るまでには、次のような段階を踏む。

第1段階「利便・快適も、安全・安心機能も低い」
 多くのイノベーション技術の開発当初が、この段階である。市場への投入の前段階。

第2.1段階「利便・快適機能は低いが安全・安心機能は高い」
第2.2段階「利便・快適機能は高いが安全・安心機能は低い」
 通常は、第2.1段階で、製品は市場投入される。多くのユーザ・インターフェース問題は、この段階で発生する。
 第2.2段階での市場投入は、数は少ないが、市場の欲求の高いインベーション技術、例えば、uberアプリのようなものでは、ありうる。安全・安心に関する法的な規制との兼ね合いが難しい。

第4段階「利便・快適も、安全・安心機能も高い」
 技術の完態であるが、市場の拡大に伴うユーザ層の拡大は、完態との思い込みを打ち砕くこともある。

     安全・安心軸
       高
       l
利  成熟  l  完塾
便      l
・ 低----------------高
快      l
適  開発  l  未熟
軸      l
       低


 利便・快適機能を考える際には、製品と投入する市場に配慮した、安全・安心機能との妥当な調和が大事なポイントとなる。
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ミスに強くなる」宣伝

2018-07-31 | 安全、安心、
ミスに強くなる!―安全に役立つミスの心理学 (中災防新書)
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中央労働災害防止協会


7月31日

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平成17年刊
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7章 行為管理不全と心理安全工学「最終回」

2018-07-30 | 安全、安心、
7章 行為管理不全と心理安全工学
「身体で覚えるのが一番。理屈をこねていないでやってみな。」

●はじめに
認知活動は最終的には行為として実現される。しかし、認知と行為の間には微妙なズレがある。そのズレがエラー、事故につながる。また、行為そのものも、機械ほどの信頼性はないので、思わぬエラー、事故が起こってしまう。行為は目に見えるので、認知活動よりも管理が容易に思えるが、それを支えている認知活動と一体である。行為だけでなく認知活動にも思いをはせ最適管理が必要である。

●行為を分類する---行為特性自覚支援
 ラスムッセンは人の行為を3階層に分けている。
 最下層は、技能ベースの行為。所定の刺激やサインがあると所定の行為が反射的に起こる。赤信号で停止するのが、この例。
 最上層は、知識ベースの行為。状況の解釈のために頭の中の知識が動員され、解釈のためのモデル---メンタルモデルと呼ぶ---が構築されて、それに従って行為がトップダウン的に実行される。見知らぬ土地でのナビゲーションや初対面の人物への振舞いなどが、この例。
 中間層が、規則ベースの行為。規則や手順に従って、一つ一つの行為が実行される。スキーの技能を覚えはじめるようなときの行為が、この例。
 それぞれに特有のエラー、事故が発生する。以下、技能ベースから規則ベース、さらに、知識ベースへとみていく。

●習熟してもエラーはある---習熟エラーの防止支援
 技能ベースの行為は、生得的な反射以外は、長期間の訓練(学習)によって獲得されたものである。
 訓練途上の行為は規則ベースの行為であるが、訓練が完成したあかつきには、行為を支えている知識(手続的知識)は、暗黙化し、所定の状況にシグナル存在すれば、行為は自動的に実行されるようになる。これが、技能ベースの行為である。
 技能ベースの階層にかかわるエラー、事故に関しては、話は2つ。
 第一は、うっかりミス。
 行為が実行されている途中で、自分の名前が呼ばれた、あるいは大音響がしたため、そちらに注意をとられてしまい、やるべき要素行為の一つをしなかった(オミッション・エラー)というようなエラーである。
 一連の行為系列の完璧な実行が大事なところでは、あえて、自動的で無意識的な行為系列を一つ一つを意識的に確認するためのメタ行為として、指さし確認などの義務づけが求められる。
 第2は、状況の変化に対応しきれない不の転移ミス。
 技能ベースの行為は、状況即応が一つの特徴である。同じような状況での長期間の訓練によって形成されてきたからである。
 問題は、状況変化への対応である。たとえば、システム変更や職場環境が変更したようなとき。しかも、前とちょっと違うようなときが危ない。状況の中にある、前と同じ、あるいは類似したサイン/シグナルが前と同じ行為を引き出してしまい、エラー、事故というケースである。
 これへの対処は、3章の記憶管理不全「負の転移防止支援」で述べたことを繰り返すことになる。

●規則に従わせる---規則遵守支援
 仕事には一定の手順(マニュアル)や決まりがある。手順や規則に従って行なう行為が、規則ベースの行為である。
 規則ベース階層にかかわるエラー、事故に関しては、話は3つ。
 第一は、訓練未熟によるミス。
 これについては多言を要しない。エラー、事故をそれほど心配しなくともよいところでは、on the job training(OJT)でも心配ないが、たとえば、移動体作業、医療現場、建築現場などではそうはいかない。訓練コストをリスク管理コストの中に組み込んだ組織的な配慮が必要であろう。
 第2は、時定数ギャップによる実行遅れによるミス。
 規則に従った意識的、熟慮的行為は時間がかかる。それが現実の進行に追いつかないとエラー、事故になる。
 車などの移動体では、この時定数ギャップは致命的である。
 規則ベースの行為の時定数は訓練の関数になるので、ここでも訓練未熟が決定的となるが、危機管理のような場面では、すべての人に十分な訓練を望むのは現実的ではない。
 となると、事態の進行を食い止める仕組として、フェース・セイフ(失敗しても大丈夫な仕組)や外部の専門家による支援が必須となる。
 第3は、手順違反。
 仕事に慣れてくると、手順に従って行為をするのは窮屈、多少の手抜きは大丈夫ということになりがちである。
 しかも、手抜きをするほうが、仕事が効率的になる(改善される)ようにみえてくる。これが人間の怠け本性、あるいは創造的挑戦心から発しているだけにやっかいである。
 これには、規則遵守態度の育成と、警備的な監視体制で対応するしかない。
あるいは、人間が介入しなくてすむ自動化システムを導入するしかない。

●勝手な解釈をさせない---誤解釈防止支援
 知識ベースの行為は、適切な状況認識と、状況に対処するための知識の運用があれば、妥当なものとなる。 
 誤った状況認識と知識の運用は、行為の意図形成を誤らせる。これが、ミステイクである。
 状況が定型化していればミステイクは起こらない。ひとたび事が起こったとき、いつもが定型化していればいるほど、状況認識が難しくなる。
 そのとき、知識がものを言う。しかし、事の発生は緊急を要することが多い。時間をかけて熟慮して合理的な判断を下す余裕を与えない。状況の中にあるそのときに顕著な手がかりに駆動された知識だけを使って、状況を解釈するためのメンタルモデルを構築する。
 このとき、不適切な手がかりによる不適切な知識に基づいた解釈が、ミステイクを発生させる。
 状況をわかりやすくすることで、不適切な状況認識が発生しないように、たとえば、インタフェースの情報環境を設計する。
 あるいは、適切な知識が引き出せるような知識管理、たとえば、頻繁な研修訓練やマニュアルの供覧などをする。
 さらには、ミステイクは、いったんその世界に入り込むと抜け出るのが難しいので、一人の解釈だけに依存しないで、お互いに自由に自分の思い(モデル)を語れるようにする。それによって相互チェックができるので、不適切なメンタルモデルによって事態が動かされるのを排除することができる。

「コラム」確認行為の形骸化
確認行為も、習慣になってしまうと、実際には確認しなかったのに確認したかのように錯覚してしまうことがある。
 それを恐れて、指差しという目に見える行為の形(外化)で確認をより確実にする工夫がある。ただ、人間は本当に横着でして、それさえも、習慣化してしまうと、実効性のない行為とありがちである。
 どんな行為でも習熟して習慣になると、それをしているという意識も努力感もほとんどなくない。だからこそ自動的に行為が進行するである。
 それはそれで大変にありがたい。一つ一つ意識的な努力をしなければならないとしたら、歩くことさえままならなくなる。
 ただ、確認を怠ると、事故に直結してしまうような現場では、これは困る。確認行為を実効性のある確認にするにはどうしたらよいかを考える必要がある。
 指差しでも、呼称を加えることで、より意識化しやすくするのも、その工夫の一つ。さらにその呼称を、災害予防研究所長・中村昌弘氏は、「--よし」ではなく、「---よいか?」と自問させることで意識化をはかる工夫を推奨している。


「連載、終わり」

愛読感謝です
なお、本内容は、「ミスに強くなる」中災防新書からの転載です
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第6 感情管理不全と心理安全工学

2018-07-28 | 安全、安心、
第6 感情管理不全と心理安全工学

「気持ちが高ぶっているから休ませてくれだと! そんなもの、仕事に熱中すればおさまってしまう。」

●はじめに
 感情の不安定は、注意を経由して認知活動に微妙な影響を及ぼし、ひいてはエラー、事故を引き起こすことになる。感情は一番触れられたくないプライバシーの領域なので扱いにくいところがあるが、エラー、事故防止に限定するなら、その自己管理だけでなく、外部管理の方策を考えることもあってよい。

●注意を管理するには感情から----注意と感情の一体管理支援
 気分がのらないときは仕事もしたくない、考えるのも面倒。こんなときは、エラー、事故も起こりやすい。
 一方、うれしいこと、楽しいことがあるときは、仕事も順調、頭も身体もスムーズに動く。
 このように、感情が行為や認知に密接に関係していることは経験的にはよく知られている。
 その関係の仕方は、「感情--->注意--->行為/認知」という間接的な形をとっているらしい。
 となると、前章で取り上げた注意管理不全も、感情管理にまで配慮しないと十分とは言えないことになる。
 そこで、ここでは、エラー、事故との関連で、感情管理の問題を考えてみる。

●過ぎたるはなお及ばざるが如し----強感情低減支援
 感情には強弱がある。
 うれしくてうれしくて舞い上がってしまうこともある。逆に、悲しみのどん底に落ち込んでしまうこともある。さらに、びっくり仰天ということもある。
 快をもたらすポジティブ感情しても、不快をもたらすネガティブ感情にしても、感情があまりに強すぎると、感情そのものに注意がとらわれてしまい、仕事のほうがおろそかに(注意不足に)なってしまう。
 冠婚葬祭への往復での悲惨な交通事故を時折見聞きするが、こんなところにも原因の一端があるかもしれない。
 強感情状態のときは、仕事の現場から一時的に離れさせるのがよい。強い感情状態はそれほど長くは続かない。
 
●やる気を高める---モラール向上支援
 集団の中でのメンバーのやる気をモラールという。
 モラールが高ければ、気持ちよく仕事ができて、しかも、遂行レベルも高い。さらに、エラー、事故も減る。
 モラールを高める方策は次の4つ。
 ・仕事の目標設定に参加できる
 ・自分の役割がわかる
 ・仕事に使命感が持てる
 ・仕事の進捗に自分が貢献している感覚(自己効力感)を持てる
 ただ、高すぎるモラール---日本の組織は集団としてのまとまり(凝集性)が高いので、そうなりがちなのだが---も、注意の過剰集中と似て、状況の変化や目標の吟味に必要な複眼的な視点を取らせなくなることもある。
 日常の仕事をするチームや組織は、戦闘する軍隊とは違う。適度かつ良質のモラールこそふさわしい。

●ストレスをやわらげる----ストレス緩和支援
 ストレスとは、弱いネガティブ感情が持続する状態である。善玉と悪玉とがあるのでやっかいものである。
 善玉ストレスは、仕事には好ましい影響をもたす。エラー、事故を起こす可能性も低まる。合格できないかもしれない不安感は、勉強へ駆り立てる。
 これも、しかし、善玉ではあっても、ストレスであることに変わりはない。あまりに強かったり長期間続くと心がやられる。休息管理が必要である。
 悪玉ストレスは、エラー、事故の発生にもろに関係する。
 仕事に注がれるべき注意が、ストレスの原因やストレス状態(不快な感情状態)のほうにとられてしまうからである。
 家庭や個人的な対人関係などプライベートなところに原因があるストレスも、仕事に関連したところに原因があるストレスも、隠しておきたい気持ちがあるので、対処には慎重さが必要である。
 心の健康自己チェックリストなどによる自己診断の機会を定期的に提供して自覚を促すのがとりあえずの方策としては、効果的である。
 さらに、カウンセリングの制度、あるいは、管理者にカウンセリング・マインドを身につけてもらうこともあってよい。最近、ようやくその大切さが広く認識されつつあり、カウンセラーの養成も急ピッチである。多いに活用したいものである。
 なお、エラー、事故をおかしてしまった人のストレスにも配慮しなければならない。後悔し、自責の念にかられ、無能感にさいなまれ、仕事への不安感も高まる。ここでも、カウンセリングが必要となる。

●感情状態を自覚する----感情自覚支援
 やや大げさな言い方になるが、感情は生き残りのためのセンサー的な役割を担っている。
 危ないものがあれば、恐怖感からとっさに逃げる。自分に快を与えてくれるものがあれば、幸福感から接近する。
 したがって、感情のおもむくままに行動することは、当座の生き残り戦略としては有効である。
 ということは、感情状態を知ることで、今の環境が生き残るのにふさわしいかどうかがわることにもなる。
 図に示すように、感情は、顔、行動、生理の3つの領域で独特の表出をする。
 外から感情状態を知るには、顔の表情と行動が手がかりになる。 みずから知るには、生理状態が有力な手がかりになるが、鏡を使えば、表情も自分で見ることができる。ある職場で、大きな鏡が入り口にあったのも、そんな鏡の効果をねらってかも。
 感情を知るもう一つの有効な方策がある。それは、メタ認知を使うことである。
 感情状態はメタ認知ができる。そして、その状態を言葉として表現することもできる。
 そして、自分の感情状態を言葉で表現できれば、あるいは表現しようと努力するだけでも---感情の知性化---、感情が穏やかになる。
感情の自己管理はまず感情の自覚にありである。

「コラム」興奮状態はミスを招く
 ケンカをすると、興奮する。今はやりの言葉を使うなら、気持ちがキレる。こうなると、自分で自分をコントロールすることもできなくなる。思わず暴力行為をしてしまうことさえある。
 それはそれでいろいろの問題があるがーーー運転中の夫婦ゲンカは事故のもとなどなどーーー、今問題にしたいのは、そのあとのこと。
 ケンカしたあとの興奮状態のまま、車の運転など注意の集中を要求される仕事をするとミスが起こりやすくなるのである。
 なぜなら、強い興奮状態は、注意を興奮状態そのもののほうに奪ってしまって、運転などの仕事のほうへの注意配分を減らすことになるからである。
 ケンカによる興奮状態は、時間が立てば治まる。生死にかかわる状況ならともかく、普通の(?)夫婦ゲンカくらいなら、その興奮状態は10分とは続かないのが普通であろう。
 したがって、その10分をじっと待って気持ちが静まってから、車の運転をすればよい。興奮していると、行動の水準も上がるので、この「10分のじっと」が難しいのだが、
  ・トイレにかけ込む、
  ・机の整理をする、
  ・鏡を見るなど
気持ちを落ち着かせる儀式を用意しておくのも一計である。
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古本の価値

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第5 注意管理不全と心理安全工学

2018-07-23 | 安全、安心、
第5 注意管理不全と心理安全工学
「注意しろだって!。それができないから、困っているんだよ」

●はじめに
 注意不足とエラー、事故との関係はよく知られている。しかし、単なる注意の不足だけで事を済ましてしまっては事の本質を見逃すことになる。注意の特性を踏まえた注意管理の方策を考える必要がある。

●注意の2つの側面を区別する---注意の特性認識支援
 注意には能動的な側面と受動的な側面とがある。
騒音中でも自分の名前が呼ばれれば自然に気がつく(カクテルパーティ現象)。これが注意の受動的な側面の1例。
 騒音の中で演説を聞き取るために懸命に耳を傾けるのが注意の能動的な側面の1例。
 注意の外部管理は受動的な側面に、注意の自己管理は能動的な側面に着目することになる。ただし、注意の能動的な側面の自己管理にも限界がある。いたずらに自己管理を強制するのは悪しき精神主義になってしまう。注意の特性を踏まえた外部からの支援が必要である。

●注意の受動的側面を活用する---注意の受動的側面活用支援
 注意を自然に引きつけるのは、「目立つもの」「よく知っているもの」「興味関心を引くもの」である。
 事故防止には、注意のこの受動的側面を活かすことになる。 
一つは、否が応でも注意を引きつけて注意喚起をする。
 「美人多し、脇見運転するな」という交通標語?は、この点では秀逸な?事例である。
 もう一つは、注意集中を乱す情報環境の排除である。
 走行中の携帯電話の禁止、作業中の無造作な呼び出し放送の禁止などなど。ここ一番での集中が求められる作業をしているときには、これらが決定的なエラー、事故原因になる。
 いずれも、注意配分の最適環境を提供するという観点からの作業現場の設計が求められるところである。

●注意量を増やす---注意活性化支援
 注意は自分である程度はコントロールできる。したがって、注意配分に失敗して事故を起こすと、「たるんでいる」として不当なくらいに責められる。
 たるみとは、仕事に必要な十分な量の注意を注がないことである。具体的には次の2つの場面で起こる。
 ・ぼんやり---注意の全般的な低下
 ・あきる---注意の時間的劣化
 「ぼんやり」も「あきる」も、実はごく自然な注意現象である。それだけにかえって、メタ認知を働かせることを怠りがちになるのか、自己コントロールがなかなか難しい。
 強制的に休憩を入れたり、バックグラウンド・ミュージックや指示など、外的な注意活性化の手段を用意する必要がある。

●注意集中度と注意範囲の兼ね合いを考える---注意集中・範囲の兼ね合い支援
 注意を集中すれば認知活動は活発になる。
 しかし、注意量には限界があるので、あれこれと注意を配る範囲が広くなれば一つ一つへの注意集中の度合いは低くなる。逆に1点に注意集中すると、集中した認知活動は活発になるが、それだけしか見えなくなってしまう(視野狭窄)。
 注意集中度と注意範囲と間にはトレードオフ(あちらたてればこちらがたたず)の関係がある。
 作業の内容によって、あるいは、進行状況によって、このトレードオフは微妙に変化してくる。
 たとえば、作業開始と終了時は注意範囲を広く、目標達成までは集中度を高く、といった調整が必要となる。 
 そうした自己管理に加えて、チームでの作業では、仕事に注意を集中する人と、広く注意をあちこちに配る人とを用意する、といった注意の集団管理もあってよい。

●管理用の注意を用意する---管理用の注意活用支援
 一つのことだけに注意を集中することで、認知活動をより活発にさせることは悪いことではない。
 ただ問題は、仕事に注意のすべてを使ってしまうと、メタ認知を働かせるための注意がなくなってしまうことである。
 注意配分の最適な状態は、複眼集中である。
 仕事に7割、メタ認知による管理用に3割の注意を配分するくらいが丁度よい。
 これによって、仕事の進行に応じた注意配分をしたり、自分の認知活動もモニタリングしたりコントロールしたりできる。
 管理用の注意が用意されるためには、あえて、注意を拡散してみるようなこともしてみる必要がある。道路の前だけに注意を集中していないで、時折は「あえて」周囲の景色にも注意を配ってみる。
 あるいは、一定時間ごとのアラームも、「我に返る」機会を提供する。

●集中の持続し過ぎに要注意---休息管理支援
 かつて、コンピュータ画面をみながら長時間の集中した仕事をすることから発生するストレスをテクノストレスと呼ばれ、その対策が話題になったことがある。現在、事態はもっと悪化しているように思うが、どういうわけか、話題性はなくなってしまった。
 これに加えて、日本の会社には、「ガンバリズム」の組織風土があるので、注意集中の持続を恒常的に働く人々に要求する傾向が強い。
 これでは心は持たない。自殺者年間2万人越えの原因の一端にもなっているはずである。
 決め手は休息である。休めば、無理なく注意資源が補給される。小刻みな休憩から、週単位の休憩、さらには年単位の長期休暇のきめ細かい組織的な休息管理が求められるところである。

●注意コントロールのタイプに配慮する---注意タイプ別支援
 注意には、集中と持続がある。両者は独立ではないが、あえて独立と考えて、2つの軸を直交させて、注意特性に基づいた人のタイプ分け(類型化)をしてみた。
 エラー、事故との関係で、各タイプ別に一言。
「真剣勝負型(集中度高いー持続力がある)」 
・常に緊張して仕事ができる
  ・管理用の注意をいかに用意するかが問題
「一発勝負型(集中度高いー持続力がない)」
・ここ一番で猛烈な集中ができる。
   ・注意レベルが下がったときの活動が問題
「気配り型(集中度低いー持続力がない)  
・いろいろのことに気がつく
   ・一つ一つの仕事をミスなくできるかが問題
「泰然自若型(集中度低いー持続力あり)」
・ じっくりと時間をかけた仕事が得意
  ・ここ一番での集中が求められたときが問題
 まずは、自分がどのタイプであるかを知ることで注意の自己管理をより効果的なものにしてほしい。
 さらに、チームで仕事をするようなときには、タイプにあった人の作業配置を考えることもあってもよいこと。

「コラム」第一のわき見と第2のわき見 
定位反射としての第一の脇見は一瞬です。したがって、高速
移動体での仕事でなければ、ミス直結とはならないのが普通で
す。ただ、通常は、さらにその意味を知るための第2の脇見を
します。
たとえば、「大音響→一瞬の集中的選択→元に戻る→大音
響の意味を知るための第2の脇見」となります。この第2の脇
見は、「能動的集中」を必要とします。その分、本筋の仕事へ
の集中力が減ります。ここで仕事を一時ストップさせての余裕
のある脇見なら問題ないのですが、移動体での仕事では難し
いところがあります。
危険表示などでも、第一の脇見をいざなうために「危険」を
目立たせるのはいいのですが、それだけでは十分ではありま
せん。第2の脇見用に、「なぜ危険なのか(why)」「どうすれば
よいのか(how)」の情報提供をする必要があります。
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危ない、危ない!

2018-07-19 | 安全、安心、
補聴器をつけたままシャワーを浴びてしまった。
たまたま頭にはシャワーをしなかったので、事なきをえた。
前は、つけたまま顔を洗い、洗面台に落としてしまった。

装着時間が長くなると装着していることを完全に忘れてしまうのだ。

洗面所の鏡とお風呂の入り口に、「補聴器なし確認」の張り紙をした。

なにしろ1月の月給くらいの値段なのだ。
落としたら、壊したら、買い替えはもうできない。
もっとも、1年くらいは保証があったと思うのだが。
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