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自家製本「 わかりやすい表現――認知表現学への招待

2019-05-31 | わかりやすい表現


わかりやすい表現――認知表現学への招待

全9章


海保博之

2017/04/01



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目次
第1章 わかりやすさの認知心理学 p1
第2章 わかりやすい表現のための7つのポイント p13
第3章 効果的な研修を実施するための表現 p21
第4章 操作の説明は難しい p27
第5章 なぜ、人は、マニュアルがわかりにくいと言うのかp47
第6章 絵表示のわかりやすさ p52
第7章 効果的なプレゼンをする p55
第8章 わかりにくさに耐える p58
第9章 ネーミングは広告のトータル・メモリー・デザインの核で
    ある p60
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ポジティブキーワード

2019-05-30 | ポジティブ心理学

第一部  気持ちを元気にする(ポジティブ感情に溢れる。未来志向になる。生き生きしている。)   
・ 幸福感
・ 楽観
・ 使命感
・ ポジティブ感情

第2部 頭を元気にする(ふつふつと思いが湧いてくる。どんどん答が思いつく。時間を忘れる。どんどんうまくなる)          
・ 連想
・ 判断保留
・ 改善マインド  
・ ポジティブ認知

第2部 周囲を元気にする(お互いにポジティブ感情になる。話がはずむ。また会いたくなる。)
・ 会話
・ 寛容
・   ユーモア
・ ポジティブコミュニケーション


3つのマジカル・コンセプト---スキーマ、活性化、アフォーダンスに潜む危険性

2019-05-30 | 認知心理学
3つのマジカル・コンセプト---スキーマ、活性化、アフォーダンス   万能概念なのか無能概念なのか

「大きな問いに答えようとすれば、答えは必然的に大きな言葉になってしまう。」福岡伸一

●よくわかる説明?  
まずは、次のような説明を、スキーマ、活性化、アフォーダンス(注1)という専門用語に注意しながら読んでみてほしい。  

1)この物語文の理解が良かったのは(正答率が高かったのは)、スキーマがあったからと思われる。  

2)反応時間が早かったのは、関連知識が活性化していたからである。  

3)この製品で事故が起こったのは、製品にアフォーダンスが作り込まれていなか   ったからである。

いずれも認知研究者仲間でごく普通にかわしている会話の中に出てくるセリフではある。しかしながら、もしあなたが違和感を感じたり読み障り?だったりするとするなら、あなたは、行動主義的な訓練をたっぷり受けてきた方のはずである。  なぜなら、ここで使われているような3つの概念は、科学方法論的に問題をかかえているのである。

●説明概念がマクロ過ぎる  
説明概念がマクロというのは、説明できる範囲が広いということである。そのこと自体は説明概念として有効であることにはなるが、問題の一つは、あまりに有効過ぎて、実は、何も説明していないというパラドックスに直面してしまうことである。「すべて神の御心のままに」と同じことになる。これでは科学にならない。  

もう一つの問題は、こうしたマクロ概念を持ち出してしまうとそれなりに説明できてしまうために、研究者として最も大事なより深く、より緻密に思考することを停止させてしまいがちなことである。この概念を持ち出したとたん、すべて終り。また次の同じような研究が、となって一幕物研究のオンパレードになってしまう。  さらに関連するが、説明が常に後付け的になってしまいがちなことである。得られた実験結果がそれなりに意味のあるものになってしまい、次の新しい研究へのガイド、あるいは、予測をもたらさないのである。

●説明概念が実体化している  
さらに、この種の概念が問題なのは、心的概念、したがって、説明のための方便?として用意された概念であるにもかかわらず、それが実体として存在するかのように扱われてしまうことである。実体化には次の2つがある。  

1)心的な説明概念を脳生理的な基盤に還元するという意味での実体化  
活性度がシナプス結合の強さを反映しているかとか、母親スキーマがどの脳部位と対応するかを研究するといったようなこと自体を研究課題とすることは問題ではないのだが、しばしば、そんな研究の知見の有無に頓着なしに、心的活動の説明が、突然脳にまで話が飛んでしまうことがある。いかにも話しが唐突である。

2)因果関係において、原因に力を及ぼすという意味での実体化  
「活性度が高くなったから反応時間が早くなった」は、言うまでもなく、因果的な説明である。しかし、科学の世界での因果的な説明は、原因が操作可能でかつ結果に直接力を及ぼすことが絶対条件である。活性度は、単なる概念に過ぎない。操作もできないし、力もおよぼさないのに、それが原因というのは、おかしいことになる。

●それでも、使い方によっては捨てがたい  
行動主義全盛の頃は、逆に、ミクロでしかも物理的な概念・用語による記述が徹底していた。「750ミリミクロの光を1秒見せると、眼瞼が3回まばたいた」の類の記述ばかりであった。正確ではあったが、これでは心がまったくみえない。「心」理学とはおよそ無縁であった。  認知科学と認知心理学が、科学方法論的には問題を抱えていても、大胆に心的な説明概念の使用を流通させた功績は大きい。ようやく素人心理学を越える科学的な「心」理学をおおっぴらに語れるようになったからである。  

概念は、一般に、複雑な世界を整理したり、理解(説明)したりするのに有効である。というより、それがどれほどできるかによって、概念の有効性が決まってくる。その意味では、ここに挙げた3つの概念は、極めて有効な概念であることは間違いない。要は、はさみと同じで、使いようである。心の科学の日常的な語りの世界では、多いに使って、語りを豊かでおもしろいものにする。しかし、研究ベースの仕事ではできるだけミクロで精緻な概念、たとえば、計算論的な裏づけのある概念で勝負することであろう。

注1 スキーマとは、あるトッピクについて頭の中に構築される表象のこと。活性化とは、表象を構成する要素知識の使用可能性が高まること。アフォーダンスとは、環境のなかにあって適切な活動を自然に誘うもの。

●説明志向の認知心理学の危険性  
認知科学は、一方では人工知能という技術をにらみながら、他方では人の認知現象の説明を試みる。技術と説明がバランスよく研究されていれば、それほど問題は起こらないが、バランスが崩れると、科学としておかしなことになる。とりわけ、技術を忘れて、説明にのみ重点を移してしまう形でのバランスの崩れは要注意である。認知心理学は、ときおり、そのバランスの崩れをおこしやすい。

①十全な説明は不十分な理論を生む  
②後付け説明を生む  
研究では、予想とは違ったわけのわからない結果を生むことが多い。だからこその実証なのであるが、論文としてまとめようとする、その結果をどう解釈するかに頭を悩ます。そのときに、
③説明概念の安易な実体化 を生む
・心的な説明概念を脳生理的な基盤に還元するという意味での実体化  心にかかわる説明概念の脳生理的な基盤、あるいは対応を問題にすることがある。それはそれで価値のある試みではあるが、
・因果関係において、原因に力を及ぼすという意味での実体化  

こんな資格制度があります!

2019-05-30 | わかりやすい表現
●NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)専門資格認定センターが、2009年度から実施している「人間中心設計専門資格」の2018年度(第10期)試験が完了しました。既に合格者の発表は3月末にすんでいますが、今年度は76(昨年比+22)名の方々が「人間中心設計専門家」として、また2014年度から新設された「人間中心設計スペシャリスト」として82(昨年比+30)名と昨年比かなり多くの方が認定されました。
*早川 誠二 2009年からスタートし、現在は1,000名近い人が認定されています。

●3級 テクニカルライティング試験[TW]
使用情報の作成に携わる人々だけでなく、実用文の作成に役立つ日本語の文章表現技術を高めたいすべての方々を対象とする試験です。
営業やエンジニアなど文書を仕事の対象としてなくても、文書は作成します。仕事で扱うすべての文書は、必ず誰かに向けて発信されるものです。しかし、文法や文の知識だけでは文書は作成できません。何のために、何を、どう説明するか、もう一度日本語を見直し、伝わる文書力を磨きましょう。
*たとえば、3級受験者219名。合格率は、男28% 女53%


保育士募集!

2019-05-30 | 教育
月給24万
宿舎借りあげ
年休保証
@@

ブログに張り付いていたネット広告。

悪くはないとは思うが、何か裏があるのかなー
少子高齢化社会で
保育士不足
介護士不足
なんて、しゃれにもならないよなー
もっともっと待遇よくしないとねー
そのためには、入居費用をもっと高くしないとねー
うーん、むずかしいねー




「雑事」の熟達者を育てる ----大学運営の効率化のために(復刻原稿)

2019-05-30 | 教育
「雑事」の熟達者を育てる
----大学運営の効率化のために
 


●大学教官の仕事の多彩さ
 大学教官には、研究者としての仕事と教育者としての仕事に加えて、研究と教育にまつわるさまざまな「雑事」がある。研究管理業務はさておき、教育関連の業務、たとえば、入試業務、カリキュラム編成業務、学生指導業務などなど。こうした業務のほとんどが、多くの教官にとって、実は「雑事」感覚で行なわれている。
 ・本業は、研究と教育。更に、言う  なら、研究が本務
 ・できれば、やりたくない
 ・やるとしても、できるだけコスト  をかけたくない
 こんな「雑事」感覚で行なう仕事の質がどんなものになるかは、言うまでもない。仕事の質だけではない。やっている本人の精神状態もはなはだよろしくない。「アーアー。今日も一日無駄に過ごしてしまった」という気持ちの持続が何をもたらすか。想像するのも怖いくらいである。

●教官にとって雑事でも大学運営にと っては重要
 しかし、よくよく考えてみると---当時者の外から見れば、考えるまでもなく至極当然のことだと思うが---、「雑事」感覚で行なうこれらの業務は、大学運営にとっては、少なくとも短期的には、重要業務である。
 目の前で困っている学生がいたらなんとかしなければならない。入試問題を作り採点しなければ学生がこない。カリキュラムを作らなければ授業は成り立たない。
 これらを「雑事」感覚でやられては学生も大学も、そしてやっている本人も救われない。しかし、多くの大学教官にとっては、「雑事」感覚での仕事なのである。「そんなことはない」と異義を唱える教官がどれくらいいるか、実は知りたいところであるが。
 これでは、大学の管理運営の質は高まりようがない。管理職一人がむなしくがんばり、有能な事務官もまた教官の業務遂行能力を小馬鹿にしながら仕方なく自分達が仕事を抱え込むような図式が出来上がってしまう。
 この図式を変えることが、草の根から大学を変えることになると思う。

●「ローテーションだからしかたない」
 が問題
 誰もがやりたくない仕事を何とかやってもらうには、1、2年のローテーション方式が一番。「順番だから引き受けて欲しい」というものである。これを断るのはかなり勇気がいる。かくして、大学の「雑事」は、誰もがちょっとの間だけ我慢してやる仕事の一つとなる。
 たとえば、誰もがその大事さも大変さも知っている業務の一つに入試がある。問題作成から採点、種々の段取りなどなど、慣れない仕事に振り回されることになる。かくして、「1年のローテーションで順番で」となる。いつも忘れた頃に昔やった仕事が回ってくることになる。
 もっと上のレベルでは、管理職を誰がやるかさえも、なんらかのローテーション方式を取っているところが圧倒的に多い。筑波大学だけではなく、日本全国で状況は似たりよったりのようである。学会などで「順番でしかたなく***をやらされていて”仕事”(研究のことを指す!!)が出来ない」と微妙な(?)顔つきをして嘆く友人が、年代のせいであろうが、非常に多い。一般の社会で、「こんど課長にさせられて仕事ができない」などと言う人はいない。
 
●ローテーション方式から熟達者によ る管理方式へ
 そこで、提案は、大学の管理運営業務を、熟達者が行なう方式に転換すべしということである。
 事務組織、さらに、各教官の秘書機能をもっと充実させることも絶対に必要ではあるが、それでも、教育研究の現場を一番良く知っている教官がしなければならない仕事は、どうしても残る。その部分に限って、それをこなすことに熟達した教官を育てるような方式にしないと、大学の管理運営の質は高まらない。進学率50%の時代、大学の管理運営の重要性は、今後、高まりこそすれ低まることはない。
 そこで具体的な提案は、ローテーション方式をやめて、それぞれの教官の好みや得手不得手に応じた業務をせめて3年、出来れば5年くらいは持続的にやってもらうようにする。場合によっては、特権化したり、マンネリ化したりしないようななんらかの歯止めをして、もっと長期間やってもらってもよいと思う。
 ローテーション方式と組み合わせても良いが、1、2年で変わるような方式は絶対に止める。
 同じ事を3年もやればそれに熟達する。コスト・パフォーマンスも高まる。余裕を持って仕事が出来るし、それなりの使命感も沸いてくる。余裕と使命感が業務の質を変える方に振り向けられることが期待できる。
 さらに、ある業務分野に熟達化した教官が増えれば、情報とノウハウも組織の中に蓄積される。いつも素人論議で会議を浪費することもなくなるし、情報を求めてあちこち動き回らなくとも済む。 

●熟達化を支えるインフラ作り
 この提言を実現するためのインフラ作りは、てっとり早いのは、それぞれの組織で、「そうしよう」と決めるだけでよい。なんの規則改正も不要である。
 もう少し制度的なインフラ整備としては、採用昇進人事である。
 大学での採用昇進の審査では、圧倒的に研究業績重視である。教育業績や管理運営への貢献は、刺身のつまのごときものである。「この教官は、この分野の”業務”のエキスパートである」という評価も、積極的に---研究業績の不足を補う形で---採用昇進に使うようにすれば、強力な誘因にもなる。 こうしたインフラ整備によって、大学教官が、自分はどの業務分野で「もう一つの」専門を持とうかと考えるようになるはずである。そうなれば、大学の管理運営の質の底辺を高めることになる。



注意の自己管理を儀式化する  

2019-05-30 | 健康・スポーツ心理学
注意の自己管理を儀式化する  

注意は仕事に7割、自己管理に3割くらいが、適性配分であるが、3割確保が意外に難しい。  

そこで、それを保証できるような方策を生活の中に組み込んでおいて(儀式化しておいて)、否が応でも注意の自己管理に思いがいくようにしておくのである。スポーツ選手がやる集中儀式のようなものを自分なりに工夫してみるのである。

たとえば、

・パソコンをたち挙げたら、ともかく何か書 き出してみる。
・身体のちょっとした不具合を感じたらとも かく仕事を中断してみる

しかし、注意の自己管理には限界があのだから、もう一つの方策は、自分の周囲に注意管理を助けてくれる環境を作り出しておくことである。  
強制的な休憩・休暇もその一つだし、
周囲からの忠告をもらえるようにしておくのも有効である。

あちこち不気味ななぎ]10年前の今日の記事

2019-05-30 | 社会
日本社会、あちこち不気味ななぎ


・解散ありそうでない
・政権交代もありそうでなさそう
・北朝鮮、制裁前に攻撃がありそう?
・株値もあがりそうであがらない
・不況も底を脱したようでもあるし、そうでもなさそう
・新型インフルも収束したようでもあるが
・雨、ふるのかふらないのか<=テニスができるかできないのか

あれこれ、なんとなく不気味なまま推移

竹内薫「理系バカと文系バカ」

2019-05-30 | 教育
@竹内薫「理系バカと文系バカ」PHP新書 

これは、心理学書ではありません。
あえて、取り上げたのは、心理学は文型、理系という議論、疑問が実に頻繁に寄せられるからです。

結論を先に言うなら、「心理学は文理融合の学問」なのです。
ただ、誤解しないでください。
心理学は広い領域をカバーしてます。
一方の極には、数学や工学や医学に極めて近い領域があります。
実験心理学、神経心理学、認知科学などです。
そして、もう一方の極には、教育学、社会学に極めて近い領域があります。
教育心理学、社会心理学、臨床心理学などです。

つまり、心理学は、全領域を鳥瞰すると「文理融合」なのです。
それを学びたいあなたが文理融合である必要は必ずしもありません。
文系的な人にはそれにふさわしい領域が
理系的な人にはそれにふさわいい領域が用意されているのが心理学なのです。

本の内容そっちのけの話になってしまいました。
竹内氏は、日本ではめずらしいサイエンスライターとして最近、とみにその活躍がめだっています。
「99.9%は仮説」)(光文社新書)なんて、目からうろこの本です。

さて、この本の内容の紹介です。目次にある文系バカの10の事例を挙げておきます。
① 血液診断や占いが気になってしかたがない X
② 取扱説明書は困った時にしか読まない ○
③ たいていのことは「話せばわかる」と信じている X
④ ダイエットのために「カロリーゼロ」のドリンクをガブのみしてしまう X
⑤ アミノ酸、カルニチン、タウリンなどのカタカラ表示にすぐとびつく X
⑥ 「社会に出ると因数分解なんて必要ないよね」といったことがある ○
⑦ 「インド式算数」を学ぶより電卓を使えばいいと思っている ○
⑧ 何でも平均値で物事を判断してしまう X
⑨ 抗菌コートのトイレじゃないと入りたくない ○
⑩ 物理学と聞いただけで「難しくて分からない」と思ってしまう ○

末尾の○Xは海保の場合です。5対5ですので、自分は文理融合人間のようです。
心理学書ではない、といいましたが、中身は心理学者顔負けの鋭くもユーモアある筆致で書かれています。