心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

挨拶

2021-06-23 | ポジティブ心理学
① 挨拶の意義
・ 社会の安全な一員であることの宣言
・ 心のファーストタッチ、そして、ボティタッチへ

② 挨拶が面倒なのはなぜ
・ TPOが難しい
   近隣の聴覚障害者との出会い
・ 相手が挨拶返しをしてくれない不安

③ あいさつの仕方
・ TPOを心得る
・ 先にあいさつ
・ 親しい人には目をみて
・ 見知らぬ人には目礼で

食事「心を元気にするもの

2021-06-16 | ポジティブ心理学
食事「心を元気にするもの

「腹が減っては戦はできぬ」

  • 食事は心身に強く影響する
日本の食事は、栄養的にも、味覚的にも世界に冠たるところがあるようです。
日本食そのもののすばらしさに加えて、世界の料理の一流どころを取り込んでいるのですから、それはそうだろうという思いは、日本人なら誰しもが持っているのではないかと思います。自分の限られた海外生活でも、日本の食事そのものも、食事文化は飛びぬけているように思います。
それは、さておき、食事からだにも心にも強く影響します。その影響の仕方は、医学的にかなり広く深く解明されています。
ここでは、その話は脇において、食事と心の元気について、心理学の観点から少し考えてみたいと思います。

  • 心を元気にするコツ
  • 気持ちと食事を連動させておく
だいたい食事の大枠は習慣化されています。
自分の場合は、朝はバン、昼や弁当、夜は晩酌しながらとなります。その時々で変わるのは、パンや弁当や酒の種類ということになります。
 この習慣は、食事メニューをまっさらから考える面倒を省いてくれますので、助かります。
 これはこれで大事なのですが、心の元気という点では、この習慣やぶりも必要です。
うれしいことがあったときの、とっておきの外食やメニューを決めておくのです。これによって、心の元気を倍加させるのです。この日常的な習慣破りの習慣が心の元気にはおすすめになります。お祝いごとには食事はつきものですね。それを自分スタイルでやることになります。
  • 仲間と一緒に
 実は、私は昼食を一人でとるほうなのです。誰かと一緒だと、どの店にするか、相手とメニューを調整するとかの気づかいが面倒だからです。
 でも、食事は、やはり誰かと一緒が一番です。食事ときの相手は、食事に誘発されて、表情の話す内容もポジティブになりますし、友達づくりにもなります。
  • この一品はというものをもつ
 グルメを自称する方々に共通するのは、あそこのあれがうまい、というものを持っていることです。それを語る時のうれしそうな顔。
 あなたもそんな一品をもつことをおすすめします。考えただけでも、元気になれます。
最後に例によって引用です。
「北野武氏が言っていたことであるが、回転寿司を3回がまんしても、おいしい寿司を食べない限り、貧乏を脱出する気にも頑張る気にもなれないということがある。」(和田秀樹)

身体「心を元気にする文化」

2021-06-14 | ポジティブ心理学
身体「心を元気にする文化」

「身体あってのものだね」

  • 心と身体
 心身問題にまともに立ち向かおうとすると、大変なことになります。心の哲学の解決不能問題の一つだからです。
 それでも、心を研究する者は、心身問題には、それなりに見識が求められますから、自分なりの答え、立場はしっかりとしておく必要はあります。
 自分の立場は簡潔に言うなら、「心は脳を超える」となります。
 脳がなければ、心は存在しませんが、脳をとことん研究しつくしても、なお、脳では説明できない心の世界は残る、という立場です。この立場でないと、心理学の研究者としてのアイデンティティがなくなってしまうからです。
 いずれにしても、心身問題、これくらいにします。
 心の元気という観点から身体のことを考えてみたいと思います。その前にちょっぴり寄り道します。

  • 身体の役割は多彩 
 身体には、心との関係から眺めると、3つの働きがあります。
一つは、認識の道具としての身体です。身体を動かすことによって世の中を知る働きです。
2つは、状況に働きかける道具としての身体です。頭で考えて動くことで状況を変えることができます。
3つは、知識の貯蔵庫としての身体です。これは比ゆ的な表現になりますが、知識は頭の中にだけあるのではなく、手足のような身体の末梢のあちこちに、あたかも埋め込まれているかのごとく存在しています。「手は脳の出店」といった人もいるくらいです。

  • 心の元気にする身体の活用のコツ
  •   
  • 「動かす」
身体の最大の特徴は動くことです。この特徴を生かせばいいのです。あれこれ難しいことは抜きにしてともかく動かすことです。
逆を考えてください。身体拘束です。介護の現場でこれがしばしば問題になるのも身体の自然に逆らっているからです。
動きたいときに動ける、動く、これが心の元気になります。それほど根拠があるわけではありませんが、こんなことも心がけるといいかもしれません。
心がつらいときほど激しく動く。
心が元気がないときは、のんびりゆっくり長く動く。
心が元気なときは、活き活き動く。
  • 新しい喜び、楽しみを開発する
これまでやりたくてやれなかったのがダンスです。きれいな女性(である必要はないのですが)と、手と手をとり華麗にリズムにのって踊りまくる。これほど楽しくもうれしいことはないのではないでしょうか。
ダンスは一つの例に過ぎません。できれば、こうした動く楽しみをいくつか用意することをすすめます。
人間は横着ですので、動くのが自然で楽しいと言われても、ついついおっくうになってしまいます。そんな時の救いに、動く楽しみがあれば大丈夫です。
それには、上達する楽しさも伴うようにしておくことも効果的です。
ここで、ポジティブ心理学者の言説を引用しておきます。
「身体が生み出すほとんど無限の楽しみの可能性は、多くの場合、未開発のままとどまっている。(チクセントミハイ)」
これは、一時的で安易な快楽主義への導くになりがちですが、確かに、もっと身体で楽しむ、喜ぶ機会を意図的に多くしてもよいと思います。IT社会は何かとリアルな身体をおろそかにさせがちだからです。
動く喜びだけでなく、感ずる喜びもあります。
ニュース番組の定番になっている、グルメがその典型ですね。味覚の開発です。







マネジメント「心を元気にするもの

2021-06-11 | ポジティブ心理学
マネジメント「心を元気にするもの

「組織にも感情がある」

●「感情で職場は変わる」
この見出しは、高橋克徳氏が講談社現代新書につけた書名です。そして、内容も、まさに、働く人の気持ちの持ち方次第で、職場の雰囲気――これを「組織感情」という言葉で呼んでいますーーーが変わることを教えてくれます。
 この本を読んでいただけば、あえてここで取り上げる必要もないくらい、ポジティブな組織感情の作り出し方について、創意に満ちた提案をしてくれています。それを横目で眺めながら、このキーワードについて自分の思いを書いてみたいと思います。

●感情マネジメントは個人の幸せ第一で
 マネジメントの心理学的な研究はごまんとあります。がまんとはあっても、それらに共通しているのは、組織パフォーマンス(企業利益)を向上させるにはどうしたらよいかです。そこに、安易に、組織感情の話を持ち込むと、組織に個人のもっとも私的な世界さえもささげて、組織パフォーマンスを挙げさせようとするなんて御免蒙る、ということになりかねません。
 したがって、高橋氏が言う「組織は、そこに関わる人たちを幸せにする一つのツールでしかありません」という前提が、ここでは絶対に必要です。この前提があっての組織感情のマネジメントです。

●組織感情を元気にするマネジメントのコツ
①組織感情のマネジメントは慎重に
 仕事は、頭かからだを使ってします。感情だけでは、仕事はできません。
 極端なことを言うと、感情は、仕事には無関係です。かりに、接客の仕事でも、笑顔だけでは仕事になりませんね。
 それでも、組織感情が問題になるのは、仕事のために頭とからだを適切に動かすのに、感情が潤滑油になっているからです。
 気持ちうつうつより、元気なほうが仕事ははかどりますし、仕事の質もあがります。
 しかし、繰り返しますが、あくまでそれは、個人の問題という認識はあったほうが良いと思います。
 なぜなら、感情は極めて私的な世界だからです。そこに、組織や他人が介入すると、個人のあらゆる心の世界が組織や他人によって支配されることになるからです。
 「いつも元気で***ビタン」を強制されて仕事をするのは、たまりません。
 とはいっても、心を病む人続出の企業からすれば放置できない、という現状もあるようです。それへの対策は、仕事とは別の、メンタルヘルスの専門家にまかせるのがよいと思います。
 今日の朝日新聞朝刊で「今オフィスで;ココロを元気に」という小コラムの連載を見つけました。
 凸版印刷の社員向けに行われている「臨床美術」の実践講座の紹介です。「絵筆握って脳を活性化」との見出しがあって、大変興味深い内容です。今後の記事が楽しみです。
 こうした試みの内容そのものは大変、結構だと思いますが、前述した前提「組織のためより一人ひとりの幸せのため」ははずさないでほしいと思います。

②平常心こそ感情マネジメントの王道
 感情は時々刻々、日々、波があります。興奮することも沈み込むことも、あるいは、幸福感に満ち溢れることも失望に打ちひしがれることもあります。しかも、それを自らのコントロールの下におくのもなかなか大変です。
 ましてや、組織マネジメントとして、働く人々一人ひとりの感情をコントロールするのはかなり技術的に難しいだけでなく、前述したように、果たしてそこまで踏み込んでいいかどうかも判断が難しいところがあります。
 やはり王道は、平常心です。
 たんたんと仕事をするためには、感情が極端な状態になっていては、うまくいきません。
 極端にポジティブな感情状態では、ミスも増えます。
 極端にネガティブな感情状態では、進行速度が遅くなります。
 したがって、感情マネジメントとして考えるべきことは、平常領域に感情を囲い込むことになります。
 そのために心すべきことは、極端な感情表現の抑制です。とりわけ、ネガティブ感情に関わるところは特段の配慮が必要となります。たとえば、日常的なところでは、
・叱るときも、知的に冷静さを失わない
・攻撃的言動は絶対に避ける
・一言、ポジティブを入れる
③カウンセリング・マインドを身につける
 やや手前味噌の提案になりますが、カウンセリングの基本的な考えと技術についての知識は、職場で必須だと思います。それが、組織感情を作り出すベースになります。
 カウンセリング・マインドの3原則
 ・相手を受容する
 ・傾聴する
 ・共感する
 この3原則をしっかりと自分のものにして日常的に誰もがそれなりに職場で実践できたら、組織感情が格段に変わるはずです。
 我が大学では、国分康孝・副学長がカウンセリングの大家ということもあり、この3原則が陰に陽に実践されていて、教員、職員、さらに学生が共有する組織感情の質がかなり高くなっています。我学科の学生対象の満足度調査でも、対人関係のそれは、5段階で4と5が8割以上でした。

④周りを元気にするキーワードを思いだす
 たとえば、
挨拶

会話
感謝
寛容
競争

傾聴
親切
世間
尊敬

自律

チームワーク

拍手
励まし

人助け

ポジティブ・コミュニケーション
ほめ言葉 
連帯感

友人
ユーモア
笑い



言葉「心を元気にするもの

2021-06-09 | ポジティブ心理学
言葉「心を元気にするもの

「心と周りを操る魔法の手段」

  • 言葉が心を作る
 ヒトが人になれたのは、言葉を獲得したからだと言われるくらい、言葉の存在は大きいと思います。人類の歴史をみれば、心の誕生のほうが、言葉の獲得よりはるかに前になります。したがって、心の世界は、言葉によって表現できる世界以上のものですが、しかし、言葉によって心の機能は格段に多彩になり強力になりました。
 そのあたりについては、言語心理学の膨大な知見があります。ここでは、心の元気という観点から、言葉の働きを考えてみたいと思います。
 その前に一言だけ、心と回りの元気づけに関連のある大事なことについて、のべておきたいと思います。
 それは、言葉は、心と現実を仲介する強力なインタフェース(仲介物]だということです。図式的に描けば、次のようになります。
  
  心              周り(現実)
  心<――>言葉<ーー>周り(現実)
  心<―>イメージ <―>周り(現実)
  心<――>からだ <->周り(現実)
  心<――>??<――>周り(現実)

強力なだけに、言葉が心と周り(現実)を作り出し、さらに動かします。
なお、言葉以外にも、イメージやからだも言葉と同じような役割を果たしています。  

●元気づけのための言葉の力
 まずは、暗示力です。
 言葉には、自分の心とからだを元気にする力があります。
 たとえば、「がんばるぞー」と自分を叱咤激励すれば、心もからだもその気になります。
 このような言葉の暗示力、思いのほか広範に及んでいることに気がつきます。
 ①心への暗示力。
 ・信念づくり  心を元気にするための名言や知識を自分の信念にすることで、心を変えることができます。
 ・気持づくり  気持ちをポジティブにするためのポジティブ感情言葉を使うことで、気持ちを元気にできます。
 ②からだへの暗示力
・気合いれ 気合入れ言葉でからだが元気になります。
・動きのコントロール  言葉によってからだを意のままに動かすことで、自己コントロール感を高めます。
もう一つは、誰もが知っている、周りを元気にする言葉の力です。
  これは、あらたためて言うまでないし、すでに、ポジティブ・コミュニケーションとして取り上げていることと重複しますが、大事なことでもありますので、もう一度、確認整理しておきます。
  • 組織のポジティブ雰囲気づくり
  • 周りの人の元気づけ
・励まし効果 がんばれ、さすがなどです。さらに、これには、評価(よくできた、よくやったなど)が含まれます。
・感謝 ありがとうです。

  • 言葉の元気力を活かすコツ
  • 元気語彙を豊かに
 となると、心を元気するためには、頭の中にある言葉の倉庫(語彙)をそうなるようもので一杯にしておいて、状況に応じてタイミングよく使うことです。
 これを、元気語彙と読んでおきます。
 気持ちを元気にするには、ポジティブ語彙です。たとえば、
  「うれしい、楽しい、気持ちよい、豊か、元気、――――
 周りを元気にするには、ポジティブ・コミュニケーションで取り上げた語彙です。たとえば、
  「ありがとう、助かりました、立派、さすが、よくがんばったーーー
②元気語彙を使う機会を高める
 これには、そういう習慣をつけてしまうのが一番です。
 どんな状況でも、自分も周りも元気にしてしまう言葉を発する習慣をつけてしまうのです。
 言葉は、使わないと、どんどん語彙の倉庫の下のほう沈んでしまいます。いざというときになかなかつかえません。いつも、使える状態にしておく必要があります。そのためには、元気語彙を折に触れてつかうように習慣づけてしまうことが一番です。
 ただ、使いすぎると、自分にも相手にも、おそっぽさがみえてくることもあります。そのためには、できるだけ元気言葉の語彙のレパートリーを広げておくことです。
③効果をチェックする
 元気言葉が自分、あるいは周りに及ぼす効果をたえずチェックする気持ちが大事です。相手がうれしそうに反応する言葉はどれか、自分が元気になれる言葉はどれかを、状況との関連でチェックするようにすると、より効果的な元気言葉の活用ができるようになります。


時間「心が元気なときは時間を忘れる」

2021-06-08 | ポジティブ心理学
時間「心が元気なときは時間を忘れる」

●時間の心理学
 時間の不思議にとわれてしまう人、研究者も含めて、いわば時間マニア、時間おたくとも言うべき人々がいます。
哲学者カント、物理学者アインシュタインも時間と空間を最重要課題としました。
あるタイプの発達障害者には、カレンダー丸暗記している人がいます。
何百万もする腕時計をして喜んでいる?人もいます。
時間に魅せられた心理学者もたくさんいますし、「時間の心理学」という本もあります。
まさに、「時間、その不可思議なもの」です。
時間の森に迷い込むのが本稿の趣旨ではありません。時間と心の元気について、少し考えてみたいのですが、それでも、時間についてのこうした背景は頭においておく必要はあります。

●時間と心の元気
 ポジティブ心理学のおもしろいテーマの一つに、フロー体験というのがあります。熱中体験、没頭体験です。時間を忘れて何かに熱中してしまう、没頭してしまうような体験。誰にも、それなりにあるはずです。
 大好きなことをしているとき
 仕事が波にのっているとき
 使命感に駆られて何かをしているとき
 いかがでしょうか。四六時中、こんな状態は無理だとは思いますが、誰にも一日に一度くらいは、こんな体験があるのではないでしょうか。
 もっとも、TVドラマに熱中して時間を忘れるというようなのはなしです。自分から積極的に何かをしていてそれと自分とが一体になっている状態での時間意識の消失です。
 自分の場合は、書き物をしているようなときと、テニスに興じているようなときに、こんな状態になることがあります。
 あれ!もうこんな時間か!となります。
 そして、そんなときは、自分でもびっくりするくらいスムーズに原稿がかけて、テニス絶好調です。
 そして、そんなときは、頭を働かせているとか、気持ちがよいとか、からだがうまく動いているとかいった意識はまったくありません。

●心を元気にするための時間との関わり方のコツ
 フロー体験ができるようになることが一番なのですが、それについては、「熱中」の項ですでに提案していますので、ここでは、時間だけに限定していくつかコツを書いてみます。
①時間から自由になる/なれる環境を設計する
 約束時間を守れないのは人間として失格、という日本の仕事文化ですから、時間から離れるのは難しいことはわかります。
今自分がみている画面の左上には時計が常時表示されているのも、画面を設計したエンジニアからすると顧客サービスの一つとの思いがあるはずです。
 でも、その時計がなにかと気になります。時計が、仕事そのものよりも仕事の管理のほうに頭を使わせることになります。熱中、没頭とはほど遠い状態で仕事をすることになります。
 フロー体験での仕事のためには、時間から自由になれることがまずは大事になります。そのための環境づくりの一つとして、時計をみないでもすむような環境を作ることが必要です。あるいは、そんな環境に身をおくような時間帯や一日があってもよいと思います。

②時間意識をルーズに
 社会生活をしている限り時間から逃れることはできませんが、それでも、心の世界でなら、時間フリー、つまり、心のままに過ごすことはある程度は可能です。たとえば、
・休日などは時間フリーに過ごす
・予定なしの日をできるだけ多くする
 そして、相手の時間のルーズさを許すのも、自分の時間意識をルーズにすることになります。
 時間を意識すればするほど人生窮屈になります。

③時間決めではなく分量決めで仕事をする
 スケジュールには時間はつきものですが、できるだけ、その時間はおおまかにしておいて、日々の仕事をするときには、今日は、ここまでやる、これが終わったら次を、というように分量スケジュールでやると、時間から少し自由になれます。時間に頭を使うエネルギーを仕事のほうに向けることができます。
④締め切りをうまく使う
 やや逆説的になりますが、締め切りを意識することも、時間から自由になって仕事に没頭できる一つの方策です。
 意識の仕方には、両極端があります。
 一つは、自分はこちらのほうですし、また、仕事への没頭という点では、あまり好ましくないほうから。
 締め切りを守ることが絶対、そのために、いついつまでに何をどこまで、という工程表を設定してそれに従って仕事をすすめるやり方です。これだと、熱中や没頭にはほどとおいことになります。常時、時間を意識しながら仕事をすることになります。手堅いので、世の中の信用を得る仕事にはかかせませんが、これだけではさびしいですね。
 時間の意識の仕方のもう一方の極端は、締め切りだけを意識してそれが迫ってききて自分が追い込まれるまでじっくり?待つというものです。
 いわゆる締め切り効果をねらうものです。ここでの没頭ぶりについては、皆さんの周りにも語り草になっているなっている人がいるのではないでしょうか。
ただ、性格的なものもありますので、無理にはすすめません。さらに、締め切りを守れない、あるいは、仕事が未完成、中途半端となってしまうリスクがありますから。
たとえば、大学での卒論などでは、こんな人がいました。
・徹夜で仕上げたものの、寝過ごして、提出時間を過ぎたしまった人
・完成のあまりのうれしさに、保存するのを忘れて全部パーになってしまった人
・印刷する時間がなく、フロッピーを提出しようとした人




 



寛容ーー周りを元気にするキーワード

2021-06-04 | ポジティブ心理学
寛容ーー周りを元気にするキーワード

「寛容は相手目線に立つところから生まれる」

●寛容になれる
 この一連の連載を書いているうちに、自分の心が次第にかわってきたことに気がつかされました。その一つが、何事にも寛容になれるようになってきたことです。
 これまでなら、お店の店員さんのちょっとした不親切な応対に腹を立ててしまうようなことがしばしばありましたが、最近では、「店員さんも大変なんだ」という寛容な気持ちになれます。感謝の気持ちさえ沸いてくるようになりました。 
 こういう内容の原稿を書くことが気持ちの変化をもたらしたようです。まさに、知は力なりです。もしかして、この連載をお読みいただいている方々も、そんな気持ちになっていただけたらうれしい限りです。

  • 寛容であることは気持ちがいい
寛容になるとどういうことが起きるのでしょうか。
周囲に対する共感性が高まります。
最近よく使われる「相手目線」。これは、心理学で言う「視点取得」です。相手の立場(視点)から事態をみつめることができます。結果として、相手を肯定的に受け入れることができます。
そして、周囲に対する見方、振る舞いが変わります。周りが善意に満ちてみえます。
おおらかでゆったりした振る舞いをするようになります。結果として、相手もまた同じような見方、振る舞いをしてきます。場全体がポジティブ感情に満たされます。

  • 寛容になるためのコツ
①許しの心が必要
何か気に入らないことがあっても、それにまともに立ち向かう気持ちがあっては、寛容とは逆の方向、反抗、攻撃の方向にいくことになります。
許しの心というと大げさになりますが、あるがままに人と場のすべてを受け入れ、さらに流してしまう、といったような気持ちが必要です。いわば、柔道の受身のような心ですね。
②忍耐も必要
不快や不条理に耐えられないと、寛容にはなれません。
ややしんどい心の作業になりますが、これも、習慣にしてしまえば、なんとかなります。
育児や介護の経験が、忍耐を身につける格好の現場ではないかと思います。
 忍耐力をつけるためのコツの一つとして、状況に即応しないようにすることがあります。
 気に入らないとき、不快なときに、一拍おく心がけです。
 攻撃、不快といった感情は、その発生源に対してすぐに対応するように心はできています。そうしないと、生き残れなかったからです。しかし、幸か不幸か、今私たちの生活している場にそうした厳しさは、もはやありません。だから、その感度を低めるのです。「どうということない」くらいの感じですね。
③適度の優越感も
 相手の不機嫌、不快には何か理由があってのこと、その理由に思いをはせてみるようにします。接客のまずさは、もしかすると給料の安さや疲労のためかも、と考えてみるのです。
これには、相手や場に対する優越感、あるいは鳥瞰図的な視点が暗に含まれます。へたをすると、見下すことになりますが、適度なら、相手への同情、さらには共感へと心をポジティブにすることができます。
 
 45行

対人関係のポジティブ度評定尺度例

2021-05-30 | ポジティブ心理学
対人関係のポジティブ度評定尺度例

       非常に やや どちらでもない やや 非常に
思いやりのある 1 2   3   4 5 自己中心的な
社交的な    1 2   3   4 5 非社交的な
人気のある   1 2   3   4 5 人気のない
ざっくばらん  1 2   3   4 5 堅苦しい
穏やかな    1 2   3   4 5 怒りっぽい
ユーモアのある 1 2   3   4 5 ユーモアのない
人情味のある  1 2   3   4 5 人情味のない

●人間、その遊び好きなる存在 2011-04-22 |

2021-05-07 | ポジティブ心理学

●人間、その遊び好きなる存在
2011-04-22 |

●人間、その遊び好きなる存在
 ホモ・ルーデンスなる言葉もあるくらい私たちは、遊び好きなようです。でも、遊びが好きなのは、人に限らないようですが。
当たり前かもしれません。だって、遊びには、その心理的効果だけに限定しても、びっくりするくらいあれこれあるからです。ざっと挙げてみます。
まず、気持ちに対する遊びの効果。
・ストレス発散効果
遊んでいやなことを忘れる、心につもる思いを発散してしまう。
・気持ちをポジティブにする効果 
遊ぶと気持ちが活き活きしてきます。本稿で取り上げます。

次は、頭に対する遊びの効果。
・頭の解放効果
仕事ばかりだと、頭がそれにとらわれてしまいます。遊んで頭のリセットをします。
 ・発想触発効果
  遊びのなかにこそ斬新な発想を促すヒントが隠されています。これも、本
稿で取り上げます。

最後は、周りに対する遊びの効果。
・対人関係の解放
ここでも、いつもの仕事の仲間や家庭の対人関係のしがらみからの解放をします。
・親密さの強化効果
遊びには対人関係をより親密なものにして、対人関係の質を一段アップしま
す。





楽観主義]名言の心理学

2021-05-02 | ポジティブ心理学
楽観主義

楽観主義者とは、絶望的な状況に目をつぶって、危機を見ようとせず、楽観論を説く人間のことではない。
 自分がいかに絶望的な状況にあるか理解できる冷静な目を持ちながら、なおかつ希望を持ち続けることのできる人間のことである。 
[出典]
ホイジンガ[ヨハン・ホイジンガ]
 (オランダの歴史家、1872~1945)

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楽観主義と悲観主義。
おりにふれてどちらもあってよい。
いつも楽観、いつも悲観が問題なのだ。
絶望的な状況にあって、それを冷静に認識し、そして悲観的になる。
ここまでは当たり前である。
そこからさらなる悲観へと落ちこんでしまうか、そこから抜け出る道を見つけ、歩みだせるかが問題なのだ。
それを分けるのは、冷静に状況を分析できる強い知性と、状況を超えた大きな希望があるか否かである。
希望は、個人的なものでもよい。しかし、できれば、大義のある希望であってほしい。そこには、必ず、あなたを待っている人々、あるいは、助けてくれる人々がいるからである。



スポーツを心の元気づくりに活かすコツ

2021-04-30 | ポジティブ心理学
スポーツを心の元気づくりに活かすコツ

①なにか一つ見つけて上達しておく
 スポーツはレパートリーが豊富です。早く自分にあったスポーツを見つけることです。なんといっても、時間のたっぷりある学生時代に見つけで、一定のレベルにまで上達しておくことです。
自分は、中学時代にたっぷりとやった卓球が、今でも楽しむことができます。からだで覚えたものは、一生覚えているものです。
②仲間と一緒に楽しむ
 スポーツは一人でやれるもの、楽しめるものもありますが、できれば、仲間と一緒のほうが、なにかとプラスです。スポーツを一緒にした仲間は、仕事仲間とはまた一味ちがって、親密さも格別です。
とりわけ、高齢者は、ともすると孤立しがちですので、地域でのスポーツ仲間を作ることが大事になります。行政の支援も結構ありますので、公民館あたりに出かけてみるとよいと思います。
③スケジュール化する
自分は、週末にテニスをします。「いつも時間にいつもの場所でいつものように」がスポーツをするための余計なコストを低減してくれます。おかげで長続きします。1週間の楽しみ目標にもなります。


小説「心の元気づくりのための文化」

2021-04-28 | ポジティブ心理学
小説「心の元気づくりのための文化」

「仮想世界で遊んで元気をつける」

「仮想の力はすごい」
IT技術の進歩のおかげで、仮想世界が爆発的に拡大しました。その特徴のいくつかを挙げてみると、
  • 仮想世界の新たな表現が可能となった
  • 仮想世界へのアクセスが容易になった
  • 結果として、仮想と現実との区画があいまいになった
かつては、小説と映画が仮想世界で遊ぶための唯一の道具立てだったの
が、IT技術のおかげで様相が一変したのです。
 ところで、私たちは、どうしてこれほど仮想世界が好きなのでしょうか、あるいは求めるのでしょうか。(なお、ここで言う仮想世界は、小説や映画のような物語性のある仮想世界に限定します。これ以外の仮想世界も多彩です。)
 一つには、日常生活のつらさ、しんどさ、めんどうくささから逃れて、自分の好きな世界に逃げ込みたいたいというということがあります。仮想世界のネガティブな側面です。自室でパソコン相手に毎日を過ごす引きこもりの若者が、この典型です。
 2つには、逆にポジティブな側面になりますが、祭りと似て、普段とは違ったハレの世界としての仮想世界です。
 昔、田舎では野外映画会がときおり開催されていました。夏の風物詩の一つで、いつも楽しみでした。まさに、お祭りにいくような、わくわく気分を味わえました。仮想世界には、こうした側面がありますね。
 これには、もちろん、仮想世界の内容も影響してきますが、それよりも、仮想世界に没入できることのほうが、大きいと思います。集中して物語を追うことで我を忘れる、時には、登場人物に感情移入をする経験は、日常とは違ったハレの世界を実感させてくれます。

「小説は頭を鍛えるには必須」
IT技術の仮想性の大きな特徴の一つは、ゲームにみられるように、仮想世界との相互交流です。仮想世界に「身体的に」働きかけることでその世界を自分なりに変えることができるのです。ここにおもしろさがあり、また有能感も高まります。ITオタクへの道まっしぐらとなるほどの強力な仕掛けです。
ところが小説には、それがありません。いや、あるのですが、仮想世界との相互交流は、「頭の中」だけで行われます。
この違いはかなり重要です。
 小説を読む、味わうためには、かなりの知識量と、その運用力が必要です。これが頭を鍛えることになるからです。
 反射神経だけが鋭い若者ばかりになってしまっては困ります。認知能力の高度化は、これからの社会では避けて通ることはできません。小説を読むことは、頭を鍛えるには必須です。
 やや心の元気づくりから話がそれましたが、こうした背景を念頭において、心の元気づけのための小説の活用を考えてみたいと思います。

「小説で心を元気にするコツ」
  • 好きな作家、シリーズものを見つける
小説を楽しんで心を元気にするには、国語の授業のような微に細にいっての読書は避けたいですね。それは、頭を鍛えるための読書です。
となると、できるだけ、認知的なコストは下げたいところです。そのための一つは、好きな作家や、シリーズものがおすすめです。
なぜかというと、関連知識が頭の中にありますから、どんどん読めるからです。登場人物も同じ場合もありますね。安心してストリーを楽しめます。すぐに没入できます。

  • 読書を習慣にする
それでも、読書は、TVなどよりは向っていく気持ちが必要です。「さー、
本でも読むかー」という気持ちが必要です。
 そういう気持ちになるのを待つのもありだとは思いますが、できれば、その時間、その場所では読書、というようにしておければ、すんなり読書に世界に入り込めます。電車での通勤、通学をされている人は、電車の中は格好の読書場所ですね。
 一日一回の読書の習慣。癒しとしても心の元気づくりとしても、ぜひとも考えてみてください。
 最近は、電車の中でも携帯いじりばかりで読書している人が極端に減ってしまいました。心配です。

  • 内容はそれほどこだわる必要はない
 心を元気にするための小説もあるとは思います。
 以前、仲間の心理学者が、その日の気分にふさわしい本を探すシステムを開発したことがあります。今日は気分が沈んでいるから、こんな小説、今日は心を元気にしたいからこんな小説、というわけです。
 おもしろいシステムだとは思いますが、実際には、なかなか難しいですね。それよりも、本は、積読(つんどく)が必要です。読みたいと思ったときに本を買っておいて、机に積んでおくのです。そして、読みたいとき、読めるときに、そこから1冊引き出して読むのです。
  積読のための本の選択、そしてその中から1冊を選ぶところに、あなたの好み、その日の気分が影響するようにするのが実際的です。
 



買い物「心を元気にするキーワード」

2021-04-22 | ポジティブ心理学
買い物「心を元気にするキーワード」

「さまざまな欲求が満たせて楽しい」

●女性の買い物好きはなぜ
近くのショッピングセンターを、散歩も兼ねてぶらぶら歩きするのが好きです。でも、結局買うものは本と惣菜くらいです。
驚かされるのは、女性用品のお店の多さです。7割くらいは女性用です。したがって、お客の7割くらい、いやもっと多いかも、が女性です。
女性の買い物好きはつとに知られています。なぜなのでしょうか。
女性だけではなく男性も含めて、買い物は、さまざまな欲求を見たいしてくれます。
生理的な欲求の満足がまずあります。食べ物を買うのがその例です。
所有の欲求満足もあります。買うことで自分だけのものにできます。
自己顕示の欲求満足なんてのもありますね。ブランドものを買うのがこれです。
まだまだありそうですが、このあたりでやめて起きます。
女性が買い物好きというのは、一つは、家庭内での役割分担で、家族の生理的な欲求満足を担うということがありますが、それ以外に、所有と自己顕示の欲求が男性よりも強いということがあるように思います。
それはさておき、買い物をするという行為の中に、欲求満足に伴う気持ちの元気づけ効果もあります。

●買い物で気持ちを元気にするコツ
①買い物の現場に行く習慣をつける
 近くに大型のショッピングモールができてから、ほぼ毎週のようにでかけます。買うものはたいしてありませんが、人がたくさんいて、はなやかな陳列商品をながめるだけでも元気になれます。散歩も兼ねることができますから、絶対におすすめです。
ぶらぶらしながら、何か気に入ったものでも見つけて買えたら、もうけものです。
さらに、ちょぴりよそいきの格好をしてはつらつと歩いてみるのも、いいものです。
疲れたら、コーヒーでも飲んで、ゆったりとした時間を過ごすこともできます。
 思い切って、銀座あたりまで遠出してみるのもありですね。
②高いものも時折は買ってみる
 デフレで安さのほうに目がどうしてもいってしまいがちです。しかも、価格を比較するサイトなどもあって、ますます、安さにばかり目がいきます。
 でも、「安もの買いの銭失い」ということもあります。 
 それに、安いものはそれなりの品質ということもあります。時折、値段の高いほうを買って、自分なりに比較してみるようなこともあってよいかと思います。
良いものにめぐり合うには、それなりのコストをかけなければだめです。そして、良いものに触れてそれを愛でることが、心を元気にしてくれます。