●説明力とは
理解力はさておくとしても、表現力と説明力とは、やや言葉の上での差別化がしにくい。内容的に重複しているところもあるが、両者の違いの重要性から、あえて区別して使ってみた。
説明力とは、状況の応じて人にわかりやすく説明する力である。文でもよい、口頭でもよい。手振り身振りでもよい。ともかく、こちらの伝えたいことを相手にわかりやすく伝えられる力である。
教室で行なわれている教師による授業における説明を考えると、説明力とは何かがわかる。
同じ日蝕の説明をするのに、1年生と6年生とでは、同じ説明の仕方はしない。子供の興味関心、関連する知識がまったく違うからである。
ことば一つでも、太陽はお日さまになるであろうし、日蝕は影絵にたとえられるであろう。
このように、説明力とは、相手、および、相手の状況に合わせて説明の仕方を変えることで、説明の最適化をはかる力のことである。
説明力が勝負の仕事は、教師以外にもいろいろある。思いつくままに挙げてみると、TVのコメンテータや解説者、記者、編集者、保育者、医師、カウンセラー、店員などなど。 これに、技術情報をわかりやすく説明する新たな仕事師として、テクニカル・ライターが加わることになる。