うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

平家の一杯水、平家ガ二、かに座...(b6-1)

2007年02月21日 18時26分27秒 | 史跡散歩
海峡の都市、下関は私の好きなところである。
国道2号線から下関市街にはいるところで、関門海峡を左手に見る。
壇ノ浦だ。
潮の流れが激しく、いつも動いている感じがいい。
800年前の戦いの時も、この潮の流れが白と赤の勝敗を分けた。
間近に関門橋を望む波打ち際に、小さな鳥居と井戸の囲いがあり、「平家の一杯水」と記された碑と説明板がある。
戦に敗れた平家の武将は全身に矢傷を受けて、瀕死で海岸に流れ着き、肩で息しながら、岩礁に貯まる水を飲んだ。
あるまいことか、なんとそれはおいしい真水だった。
思わず二杯目を口にしたときは、塩水に変わっていたという。
その一杯水を汲んだところが、件の海岸だというのである。

関門海峡には、“平家ガ二”という奇っ怪なカニがいる。
甲羅のしわが、苦悶にゆがむ武将の顔に似ているというので、いつしかそう呼ばれるようになった。
普通のカニがそんな姿に変身するなら、そのカニも、怨霊とともに一杯水を飲んだか。

春の星座に「かに座」がある。
星座神話では、ヘラクレスが、うみへび“ヒドラ”と戦っている最中に、のこのこ穴からはい出て、
一瞬で踏みつぶされた“お化けがに”となっていて、あざやかなストーリーを抱えているわけではない。

「かに座」は2千年前にできた星座で、源平の戦より先輩格だが、
せめて、物語くらい、平家の悲劇を、カニにのせてやりたいのだが。

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