うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

派手な科学技術....(10141)

2010年06月30日 10時41分42秒 | うべプラネタリアン
本来、科学技術は派手なものではない。
喝采をあびるような派手な演出は、科学技術にはそぐわない。
あと一歩及ばずとも、技術の一歩の未達は千歩も万歩も同じだ。
海の深さが2㍍だろうが1万㍍だろうが、足が立たなきゃ溺れる。
勝負も同じ。いくらいい試合運びだったからといっても、負けは負け。
今回は次の試合はない。あとは地道な練習を重ね、4年後に捲土重来を期せばいい。
『はやぶさ』も同じ。
行方不明や満身創痍、奇跡の帰還などと、喉入りのいい言葉を使うから、
かっこいいなと思わせるが、本来、科学技術にそんなことが起きてはいけないのだ。
もちろん、万一のトラブルは起こる。それはそれで、備えるべきは備える。
備えていたからこそ、なんとかあそこまでできたが、当事者は冷静なはずだ。
こちらは、『はやぶさ』が打ち上げられた頃から追いかけていたから、サッカーの試合を応援するように、
ことのほか感情移入してしまい、しかも、帰還の華々しさに酔って我を忘れたが、
落ち着いてみると、もっと醒めた目でみつめるべきだと深く反省する。
多分小惑星の欠片はカプセルの中に入っていなかったろう。
こびりついた砂粒をかき集めることはできるかもしれぬが、それは僥倖というもの。
失敗とはいわない。『はやぶさ』は大成功だ。
しかし、最終目的を果たせなかったが、途中はかつこよかつたじゃないかと、自慢げに
大仰なパフォーマンスをすべきではない。
まさかJAXAはそんなことはしないだろうが、とつてつけたように、へたな笛で一斉に盆踊りをすることはない。
政治目的に利用しようなんて影もちらつくようだから、水を差しておく。
以上は、はないっつぁんの意見を主に記したが、一つの冷静な見方として紹介した。
大いに同感するところだ。