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2022年は客観的な予想を心がけます。

弥生賞(GⅡ)回顧

2008-03-12 22:02:01 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約10~14cm。Aコース。馬場ボコボコ。

12.2 - 11.5 - 12.4 - 12.8 - 12.9 - 12.5 - 12.3 - 11.7 - 11.3 - 12.2=2:01.8

【展開】逃げ馬不在、押し出されるようにホッカイカンティがハナ。2番手にシングン、マイネルですんなりと隊列が決まる。向こう正面でもペースは上がら動いたのは三分三厘。2番手から早めに抜け出すマイネルに外からブラックが進出。直線は各馬が余力を残した状態での追い比べ。先行有利。

 常に前向きな闘争心、ソツのない先行力と他馬に動じない根性でマイネルチャールズが戦国クラシックの主役に躍り出た。この中間、放牧先からガレて帰厩したために最終追い切りをセーブ。この日は暖かい気候も重なって4キロ減。男馬にしては線が細く、カイ食いが良くないようだ。レースでは、逃げ馬不在で最初の1Fで各馬が出方を伺うなか、慎重に先行する。だが、1角進入時に口向きの悪さを見せ、そこから折り合いを欠く。何とかなだめられて2番手で我慢。3角からジワッと逃げ馬に馬体を併せて行く。手応えは抑え切れないほど抜群。4角の残り2F地点でゴーサインを出すと、スッと反応する。直線で内へモタれ気味になるも、立て直して坂下で先頭に立つ。一頭になってもソラを使うことなくしっかりと駆け抜けた。1角から行きたがったものの、全体的にはスローで2番手から流れに乗れた。それほど苦しい競馬ではなかった。まだ、時計勝負の舞台を経験していないので不安説が囁かれているが、4角の反応を見る限りは対応できそうだ。今後の課題はカイ食いの改善と馬体増。これができなければ攻めをビシビシ積めないし、残り1ヶ月半で他馬に成長される。

 武豊騎手がリベンジを期したブラックシェル。本番への出走権と収得賞金を加算できたという点では仕事は果たせた。この中間は中2週で長距離輸送が控えていながら、1週前に坂路で半マイルから、最終追い切りはCWで6ハロンからビッシリと追われて攻め強化。目イチの仕上げだった。その甲斐あってこの日は6キロ減。下見どころでも落ち着き払っていたし、すべての面で上積みがあった。課題だったゲートもクリアし、テンから気合いを付けて中団の外めへ。他馬と接触したことと、仕掛けた分だけ行きたがる。道中は手綱を引っ張り通し。4角入り口から馬群の外めを通り、ジワッと進出開始。だが、手応えの割に4角から直線入り口にかけての加速力がなく、ズブい。坂下でも反応は今ひとつ。ゴール前でようやくエンジンが掛かる。そこからはグンと重心を沈め、全身を使った迫力のあるフォームで迫るも、届かなかった。530㌔を越す大型馬で、機敏さに欠ける。この日も4角で外めに持ち出す時がぎこちなかった。傾斜のきつい中山コースは不向きだ。フットワークにもう少し柔らか味がほしい。時計勝負には疑問が残る。目イチ勝負だったため、本番までにケアできるか。

 カケミカヅチは2番枠からジワッと先行し、好位のインをキープ。しかし、1角からは緩い流れに対応できず行きたがってしまう。向こう正面で何とかなだめられる。3角からジワッと進出も、4角で手綱を目一杯しごかれ置かれてしまう。直線で外から4着馬に被され、激しい追い比べに。坂上で突き放したものの、勝ち馬には追いつけず、2着馬にも差されてしまった。テンに折り合いを欠いた分、伸び切れなかった。先行できたのは収穫。流れを考えれば位置取りはベストだった。

 キャプテントゥーレは久々でも坂路で入念に乗り込まれ、万全に近い仕上げ。15番枠からテンは無理することなく好位の外め追走。初めての2000㍍だけに慎重な運び。その甲斐あって折り合いは完璧で、至極順調の道中。4角手前から大外へ持ち出し、仕掛ける。3着馬に馬体を併せて行き、追い比べに持ち込むも、坂上で突き放されてしまった。この緩い流れで最後に脚が止まってしまったのを見ると、やはり距離に壁がある。完歩の小さいピッチ走法だけにどうしても長い距離は厳しい。4角で外に持ち出すロスがあったので、本番では内枠が絶対条件になる。

 キャリア1戦のテラノファントム。発馬で右に寄れて他馬と接触するアクシデントはあったが、動じることなく大きくと力強いフットワークで中団馬群からの追走。ちょうど外の2着馬と馬体を併せる形。4角入り口で他馬がアクションを開始させた時に一緒に動くも、ズブさを見せて置かれる。しかも、4角から直線入り口にかけて激しく内へモタれ、満足に追えない状況。坂上でも藤田騎手は左手綱を引いて矯正している。それでも、鋭く追い込んできた脚力は凄い。一気の相手強化でも善戦。将来が楽しみだし、フットワークが雄大。

 スズジュピターは急仕上げ気味。発馬直後に両サイドの馬と接触し、前へ行けなかった。中団のインに入れる。4角でインから馬2頭分外めに持ち出し、理想的に加速する。直線でチョロッと脚を使ったものの、上位馬との脚色は歴然としていた。インパクトに欠ける走り。案外な成長。

 アインラクスはテンに無理することなく後方で折り合いに専念。前に馬を置き、向こう正面では手応え十分。3角から大外へ持ち出し、4角から直線にかけてロスの多い誘導になったものの、追われてから首が硬く、手先だけで走っている感じだった。

 オリエンタルロックは久々でも最終追い切りは動き、チグハグだった前走時は雲泥の差だった。道中は2着馬を見ながら後方に控える。課題の折り合いはスムーズ。だが、ペースの上がった勝負どころでズブさを見せ、直線は顎が上がって推進力に欠けた。

 フサイチアソートは発馬直後に他馬と接触し、道中は無理することなく後方に下げる。最後方のイン追走。3角で本来なら進出を開始させるところだが、馬場がボコボコしていて砂煙が上がる。ジョッキーはそれほど強く負うことはなかった。何ら見せ場のないレースではあったが、本番を見据えたものだったし、無理はしなかった。中間の気配に注意。

チューリップ賞(GⅢ)回顧

2008-03-12 22:00:51 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約10~14cm。Aコース。馬場良し。

12.6 - 11.2 - 12.3 - 12.6 - 12.6 - 12.0 - 10.7 - 11.8=1:35.8
(36.1-25.2-34.5)

【展開】逃げ馬不在、エアパスカルが2ハロン目からジワッと先行し、3ハロン目から単独先頭。道中は目立った動きもなく一団。3,4角でもペースは上がらず。4角から直線入り口でも12秒0と遅い。直線で10秒7-11秒8というように、実質2ハロンの競馬。それでいて33秒台の脚を使ったのがオディールのみ。脚を余した。

 中1週で巻き返しを狙ったエアパスカルが見事に重賞初制覇を飾った。10番枠からハミを取り、前向きな走りで先行策。鞍上は折り合いに不安のあるタイプだけに慎重に運び、3ハロン目からハナに立つ。そこからは番手馬が手綱をグッと抑えたために12秒3-12秒6-12秒6と緩い流れに持ち込めた。4角から直線にかけてもペースは上がらず余裕十分のまま直線へ。4角で左手前に替えていたためにそのまま手先が軽く弾むようなフットワークでグーンと加速。直線半ばで右手前に替え、もうひと伸び。最後は詰め寄られたものの、何とか振り切った。超スローペースをインピッタリに回って逃げたのだから突き放してほしかった。気持ちで走るタイプだけに、馬体はギリギリのほうがいい。

 2歳女王トールポピーは久々でも入念に併せ馬を消化し、好仕上がりだった2番枠から好発を決めると、道中は抑え切れない感じで好位を追走。緩いペースを大きなフットワークで追走しているために走りづらそう。4角で馬4頭分外めに持ち出し、引っ張りきりの手応えのまま直線へ。スッと左手前に替え、迫力ある前捌きで鋭く追い込む。ただ、追われてから頭が高く、大きなトビでトモの蹴りが弱いために一気に加速できない。差し切れそうで差し切れず、首の上げ下げで僅かに届かなかった。初めて経験する瞬発力勝負が勝敗を分けた。やはり、自身が35秒台半ばの脚で差し切れる展開がいい。兄同様、ハミを噛む癖がきつくなっているのは気になる材料。

 オディールは久々で攻めの動きが案外。馬体も8㌔減っており、万全の状態とはいえなかった。意識的に発馬を遅らせ、後方に控える競馬。前に馬を置き、徹底して脚をタメる。4角から直線にかえても慎重に運び、直線は大外へ。他馬を避けるロスがあり、加速が遅れる。ようやく残り2Fからスパートを開始させると、鞍上の左ステッキに応え重心をグンと下げて弾ける。ゴール前で右手前に替え急追。首の上げ下げで届かなかったものの、流れを考えれば一番強い競馬だった。控える競馬をできたのは収穫。あとは馬体を回復させることと、鞍上が「外へ逃げるところがあった」というように、精神面。阪神JFでカレイジャスミンと接触した後遺症が残っているか。

 スペルバインドは追ってからの重心が高く、瞬発力勝負では分が悪かった。

 メイショウジェイは道中、抑え切れない感じで好位のインを追走。直線でいざ追い出されると、内へモタれたりして伸び切れなかったが、現時点では力不足だった。中間にソエを気にしていたとのこと。攻めの動きから必ず走ってくる。経験を積めば。