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2022年は客観的な予想を心がけます。

京都記念(GI)展望

2012-02-08 21:52:57 | 見解
ヒルノダムール
前走の有馬記念6着は、久々で乗り込みは入念だったが、馬体を戻しながらの調整で466キロ。ベストより少し細かった。下見どころでは少し気負っていた。3番枠から好発を決め道中は後方のインからの追走。歴史的な超スローペースでも道中の折り合いは完璧。前を行くブエナビスタを徹底マークする。だが、マークしていたブエナビスタが3角でまさかのズブさを見せる。ヒルノ自身もここで手綱をしごいてスパートを開始させるも、馬込みに包まれて動くに動けない。直線を向いても捌きに苦労し手綱を押しては引く形。ゴチャついたままゴール版を迎えてしまった。勿体ないレースとなった。昨春の天皇賞・春1着は、中間はレコード駆けの反動を見せることなく1週前に7ハロンから意欲的に追われ、最終追い切りは坂路で抜群の動きを見せ、デキは最高潮だった。レースでは2番枠からスーッと好発を決め、馬任せで先団へ。直後に迎えた下り坂を慎重に運ぶ。一つ目の難関をクリアすると、その後は好位のインで脚をタメる。正面スタンド前から入れ替わりの激しい流れになるも、気にせずヒルノのリズムを第一に考えて自然とポディションを下げる。ここでの判断が最後に勝利を大きく引き寄せることになった。経済コースをぴったりと立ち回り、3角手前で少し気合いを付けてポディションを上げるも、一気には行かせず再び手綱を抑える。3,4角の下り坂で仕掛けたくなるところだが、手綱はジッと持ったまま。4角で満を持してスパートすると直線は馬込みを割って抜け出す。バテた先行馬を交わしたところで2着馬に猛追されるが、そこで右手前に替えてもうひと踏ん張り。ゴール前で馬体を併せられたが、そこから粘りに粘って押し切った。凄い勝負根性だ。馬の力も素晴らしいが、鞍上のペース判断が素晴らしかった。追って頭が高い分、長く脚は使えないが一瞬の末脚はかなりのもの。折り合いにまったく不安がないタイプでインで脚をタメて一瞬の脚を生かせれば。

ダークシャドウ
前走の天皇賞2着は、中2週の間隔の詰まったローテーションを懸念されたが、叩いて上向いていた。7番枠からそれほど出脚は良くなかったが、直後に気合いを付けて中団を取りに行く。道中はブエナビスタの外に位置し、超ハイペースに戸惑うことなく、むしろ掛るくらいの行きっぷり。前走とは違い、レースの流れに乗って自ら勝ちに行く正攻法の競馬。残念だったのは4角から直線にかけての入口。前のミッキードリームとトゥザグローリーの間のスペースは空いていたが、ベリーはミッキーとアーネストリーの間の進路を狙う。このスペースはミッキードリームに締められる形となり、行き場をなくしたシャドウは手綱を引っ張りバランスを崩す大きな不利を受ける。そこから立て直して大外へ持ち出すロスも発生する。結果として外のトーセンジョーダンに出し抜けを食らう形となり、ゴール前はトゥザとトーセンの間の狭いスペースを割る。最後はステッキに反抗して尾を振っていたように馬自身も相当なストレスを感じる競馬になった。着差が着差だけにもったいないレースだった。負けて強し。毎日王冠1着は、久々になるが、この中間は負荷の掛るWコースで入念に乗り込まれ下見どころでは身のこなしの柔らかい姿が目に付いた。今春のエプソムC時は大阪杯激走の反動で腰に不安を抱え、負荷の少ないポリトラックでしか追えなかったのとは雲泥の差だ。レースでは発馬後から無理することなくスッと後方に控える。レースの流れは超スロー。これを道中は後方3番手から追走する。気負うことなくリラックスした追走姿で鞍上との呼吸はピタリ。3,4角でも流れは一向に速くならなかったが、鞍上は無理することなくジッと我慢する。直線を向いて右手綱を引いてシンゲンの外めに進路を求める。だが、外のミッキードリームに締められる。立て直して追い出すと坂上で今度は前のアクシオンがフラついたために一瞬手綱を引っ張るシーンはあった。正味1ハロンから追い出しを開始した時にはまだ中団より後ろ。そこからグーンと豪快な末脚で差し切った。底力、瞬発力勝負、どちらでも対応できる決め手を持つ。元々、体質の弱いところはあるが、この中間はウッドで入念に乗り込まれ体調面での不安はない。

ウインバリアシオン
前走のジャパンC5着は、下見どころで例によって落ち着き十分の周回。12番枠から例によって手綱をがっちりと抑えて後方に控える。折り合いが付き、外めを通りながら脚をタメる。3角で流れは緩み、馬群がギュッと凝縮したところで外めを通って一気に捲る。残り900㍍付近から先頭に並びかけると、4角から11秒2-11秒0と一気にレースのピッチは上がる。坂上で逃げ馬を突き放して単独先頭に躍り出たが、最後はさすがに脚が上がってしまった。3角から一気の脚を使い、さらに4角からは11秒2-11秒0-11秒6(推定33秒8)の脚を使っている。それでいてラスト1ハロンも大きくバテずに粘ったのだから強いのひと言。長く脚を使っている。前々走の菊花賞2着は、下見どころではリラックスした姿で馬体を大きく見せ、デキの良さを窺わせた。レースではトモに力が付いたことで発馬を決めたが、無理することなくスッと控えて最後方に控える。安藤勝の腹を括った騎乗。道中の折り合いは完璧で、大きなフットワークで気持ち良さそうに追走する。3角の上り坂でレースの流れが極端に緩み一気に馬群は凝縮して自然と前とのポディションを縮める。ここでも安藤勝の手綱は持ったまま。4角で馬場の3分どころに進路を求め、初めて手綱が放たれる。直線入口でバテたベルシャザールを捌くのに少し苦労したが、そこからは一完歩毎にグイグイ伸びる。勝ち馬の派手な瞬発力には敵わなかったが、長くいい脚を使って追い込んできた。脚長でトモがパンとした今は折り合い面にまったく不安はない。一瞬の脚力は相当なもの。

トレイルブレイザー
前々走のジャパンC4着は、スッと3番手のインに取り付く。終始、インの経済コースを立ち回るロスのない競馬。道中の折り合いもスムーズで3角からウインバリアシオンが動いた時も無理に追いかけない。直線もインを突き、少し待たされるところはあったが、前が開いてからは伸びずバテずといった感じで4着に入線した。スパッとは切れないが、首を水平に使った重心の低い走りでバテないスタミナはある。本来は4角で早めに動いて粘り込みを図りたかった。前々走のアルゼンチン共和国杯1着は、11番枠からスーッと好発を決めて馬任せで1角からは好位に落ち着く。道中はスムーズな折り合いを見せ、レースのピッチが上がった3角から余裕十分の手応えのまま進出を開始する。4角からは馬群の外めを通らされる。直線の坂上から早々と先頭に立つ。一頭になってもフワッとすることなくしっかりと駆け抜け、GI馬オウケンブルースリの猛追を凌いで押し切った。残り6ハロンから速くなる持久力勝負の流れを正攻法で押し切る強い競馬だった。55㌔のハンデも向いたが、底力を感じさせる強い競馬だった。33秒台の瞬発力勝負になると厳しいが、スッと先行して長く脚を使えれば。早め早めの競馬で押し切りたいところ。

トーセンラー
前走の菊花賞3着は、この日は8㌔増。小柄な同馬にとって心強い材料だった。レースでは1番枠から気合いを付けて中団を取りに行くが、行き脚がつかず後方の位置取りに。最初の下り坂では、少し下の緩い最内を避け、3分どころを通る。正面スタンド前では前のオルフェーヴルの後方にぴったりと張り付き、徹底マークする。3角手前で一瞬、手綱が動いてズブさを見せるが、すぐに落ち着く。下り坂から大外へ持ち出し、いつでも仕掛けられるポディションに移る。オルフェーヴルと共に4角で早めに動いて行くが、馬なりでポディションを上げた勝ち馬に対し、ラーは手綱を動かしても一瞬にして3馬身の差を付けられてしまう。直線はジリジリと伸びて何とか3着を確保した。自ら勝ちに行く強い競馬だったが、4角での動きが勝ち馬との地力の差を印象付けた。前々走のセントライト記念2着は、久々の実践でも走れる態勢は整っていた。2番枠から気合いを付けて中団を取りに行くが、ゴール版前でゴチャついてしまう。1角では外に膨れるロスもあった。その後は縦長のハイペースの流れを中団のインから脚をタメる。3角から馬場の3分どころへ持ち出し、助走を開始させる。大トビで不器用なタイプ。小回りの中山で外へ膨れて思うほど加速できない。直線でインを突くとスパッとは切れずジリジリとしか伸びなかった。広い京都外回りコース向きで、じっくりと構えれば昨冬のきさらぎ賞のように切れる脚を使える。


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