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2022年は客観的な予想を心がけます。

ヴィクトリアM(GI)回顧

2007-05-15 09:36:23 | Weblog
【馬場】Aコース。内から馬3頭分は壊滅状態。逃げ馬が4分どころ通る。高速馬場。

12.3 - 10.8 - 11.7 - 11.8 - 11.6 - 11.2 - 11.2 - 11.9=1:32.5

【展開】アサヒライジングの単騎逃げ。3ハロン目から11秒7-11秒8と少しペースダウン。それでも、テン3ハロン34秒8と決して遅くなく、前走で1400㍍の速い競馬を経験した逃げ馬が軽快なラップを刻む。4角でペースアップし、直線は11秒2-11秒2。それでいてラスト1ハロンが11秒9。テンも速くこの上がりを使った先行馬も立派だが、後続は成す術なく。

競走中止のアクシデントから1年、苦杯を味わったコイウタが生涯最高のデキで大仕事をやってのけた。一週前に南Wで64秒0-11秒9を出し、最終追いでは坂路でピッチの利いた抜群の動きを披露。陣営もデキの良さに太鼓判を押し、自信を持っていた。道中はアサヒの作る平均ペースの流れを好位追走。前々走の敗因を胸に刻み、鞍上は慌てず脚をタメることに専念。直線で逃げ馬が馬場の4分どころを通る異様な雰囲気のなか、その内目のギリギリ馬場の良い所を通る。残り2ハロン手前で仕掛けを開始させると、一瞬の脚で先団へ。逃げ馬も11秒2と速い脚を使っていただけに捕らえるのは容易ではなかったが、残り100㍍のところで追い付き、突き放した。勝ち時計は1分32秒5。高速馬場を考えても優秀だし、残り400~200㍍のところでは10秒台の脚を使っている。テンも速かったし、最後の決め手は強烈だった。この日、スタンドに両親を招待していた鞍上の松岡にとって、最高の「母の日」となった。

 2走続けて惨敗を続けたアサヒライジングは〝変貌〟した。この中間は、変化を与える意味で本馬場で追い、浅いブリンカーも着用した。鞍上の柴田善もゴール版を過ぎた後も追い続ける熱の入れようだった。道中は3番枠からスッとハナへ。前走で1400㍍の速い流れを経験しているだけ2ハロン目から10秒8-11秒7-11秒8のラップを楽に刻む。4角手前からペースアップし、直線は馬場の良い4分どころへ。そこから11秒2-11秒2と一気にスパート。本来なら押し切っても不思議でないが、勝ち馬の決め手にやられてしまった。それでも、テン3ハロンを34秒8で入り、直線入り口で11秒2-11秒2の脚を使ったのは立派。決してフロックではない。揉まれ弱いだけにいかにスムーズな競馬ができるかが鍵。

デアリングハートは叩き良化型の真骨頂を見せ付けた。例によって好発を決めると、無理せず外めの6番手。課題だった折り合いは完璧。鞍上との呼吸はバッチリ。すぐ内の勝ち馬と同じ位置。直線で馬群が馬場の4分~5分どころに集中する異様な雰囲気のなか、大外ではなく馬群に突っ込む。一瞬の脚の差で勝ち馬には引き離されたが、ジワジワと差を詰めてきた。スピードの持続力を生かせた。

 4着のキストゥヘヴンは完全復活まであと僅か。好発から抑え切れない手応えで3番手へ。終始、抜群の行きっぷりで3角で早めに2番手へ。直線での追い比べでは見劣ったものの、中山のようなワンペースで乗り切れるコース向き。完全復活は近い。

ジョリーダンスは大外枠発走から中団の外め。終始、カワカミ、スイープの近くを進み、マークする形。だが、結果的に前が止まらない流れだったし、位置取りが致命的になった。直線で何度も手前を替えていたのも響いた。

ディアデラノビアは攻め強化で凄い気合い乗り。発馬直後から抑え切れない手応えで前へ。何とか鞍上がなだめて中団で控える。直線で逃げ馬の内めを突くも、今ひとつ伸び切れなかった。一瞬の爆発力を武器としているだけに直線の長い府中は乗り難しいということか。

 フサイチパンドラはマイルの上がり勝負では辛かった。やはり、中距離の上がりの掛かる展開がベスト。鞍上は「だいぶトモが良くなった」と。

 スイープトウショウはマイラーズCから中3週ながら時計を出し始めたのが、一週前。最終追いも満足にはできなかった。しかも、ゲートが先入れで係員にムチを数発打たれ尻っぱね。レース前にテンションが上がってしまった。坂上で右手前に替えて追い込むも、再び左手前に替えて失速。集中力もなかった。難しい。

断然人気を背負った実質無敗の女王カワカミプリンセス。帰厩当初は理想の馬体重から30㌔近くも減っていたとのこと。調教も本数こそこなしていたものの、ビシッと追われたのは1回だけ。状態が懸念されたが、下見どころでは筋肉が盛り上がり、グイグイ引っ張る抜群の気配。発馬で後手を踏み、仕掛けて中団へ。だが、そこで内から突進してきたアグネスラズベリと接触する不利が。外に弾き飛ばされてしまう。その後は後方でジッと我慢。直線で追い出しを開始するも案の定、反応が鈍い。外へ出すにもジョリーダンスが被せて出せない。残り1ハロン地点では立て直して大外へ持ち出すチグハグな競馬。これでは勝てない。全く良いところがなかった。マイルの速い流れに戸惑ったところもあるが、鞍上もテン乗りで戸惑っていた。

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