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鹿児島市の司法書士喜山修三のブログ

相続や売買の不動産登記,会社設立や役員変更,債務整理,成年後見等を業とする司法書士事務所の所長の法律や日々の雑感を掲載。

不動心

2007年04月14日 | 
 ご存じの方も多いと思いますが,新潮新書から出版されている,ニューヨークヤンキースの松井秀樹選手の著書です。一流のバッターだから出せるのでしょうが,昭和49年生まれにして,「不動心」というタイトルは流石です。

 昨年,レフトへの飛球を捕ろうとして,左手首を骨折したときの映像を記憶している方も多いと思いますが,その骨折に関しての話から本は始ります。

 この本を読んで感じたことは,松井という選手は,自分の身体を知りつくして,たゆまなく努力する選手であるということが分かります。松井は「自分は天才ではない」。何をやっても直ぐに習得できるタイプではなく,むしろ人より進歩は遅かったと思う,と書いています。

 大リーガーのホームランバッターのようにパワーがあるわけではなく,守備や走塁に関しては,黒人選手のようにバネがあるわけではない。しかし,「しなやかさ」をいかしたバッティングを保ちつつ,大リーグの野球に適応していけば,もっとホームランを打てるときが来ると信じている,とあります。

 松井選手は,テレビのインタビューに,どんなに疲れているときでも礼儀正しく受け答えをしていますが,この本を読むとその理由が分かります。

 過去のことには囚われず,前向きに考えること。野球に関してはとことん考えるが,その他のことに関しては余り囚われて,心を窮屈にしにこと。

 プロのアスリートである以上,1日24時間,ちょっとでも頭から野球を切り離してしまうことがあってはいけない。そのための,どんなに遅く帰っても,寝る前にトレーニングをする,等々やはり,一流選手のやっていることは違います。

 父や母から教えられたこと,星陵高校時代の山下監督から2時間ほど叱られたこと,長嶋監督と素振りをしたこと,トーリー監督に励まされたことなど,人間松井秀喜の考え方に大きな影響を及ぼした人達のことも書かれています。 

 「悔しい思いは口にしない」「人間万事塞翁が馬」「努力できることが天才である」「継続は力なり」「節約と誘惑」一流選手の口から出ると説得力があります。

 









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兄弟

2006年08月12日 | 
 「兄弟」 新潮文庫から出版されている、なかにし礼さんの小説です。

 なかにし礼さんの本は、数年前に「長崎ぶらぶら節」を読んだだけでそれ以来読んでいませんでしたが、6月に市民劇場で上演された「赤い月」を観て再びなかにしさんの育った時代や環境に興味を持ち、この小説を読み始めました。

 兄が死だ。
 姉から電話でそのことを知らされた時、私は思わず小さな声で「万歳!」と叫んだ。
 十六年待った。長い十六年だった。
 
 という、ショッキングな文章からはじまるこの本は、ぐいぐい読む人を物語の中に引き込んでいきます。
 
 そして、見たことのない場所あるにも拘わらず、その風景や、登場人物達の立ち居振る舞いがまるで目に見えるように書かれています。鰊漁なんて見たことがないにも拘わらず、まるで鰊漁の現場にいるような錯覚に陥ります。

 満州から小樽に引き上げて来て、青森・東京と住むところを転々としたこと。
 石原裕次郎さんと出会ったことが、作詩するきっかけになったこと。菅原洋一さんの「知りたくないの」を書いた時の菅原さんとのやりとい。
 
 そして兄がどうやって弟であるなかにし礼さんに何度も何度も借金の尻ぬぐいをさせたかということ。そのために、数々のヒット曲を書きながら、兄の借金の為に台所は火の車だったいうこと。兄の死後、兄の行っていた戦友会で、戦争にまつわる兄の話が嘘であったと分かったこと。

 この本は小説ですから、その内容がどこまでが事実でどこまでが作者の創造か分かりませんが、凄まじい人生です。でも、だからあれだけの作品が残せたのでしょうか。

 この物語は「オール読物」に平成9年の6月から掲載されたとありますから、今から9年前に発表されたことになります。なので、すでに読まれた方もたくさんいらっしゃると思いますが、大変面白い本です。

 もうすぐ終戦記念日ですが、終戦直後の生活の大変さも伺い知ることのできる小説です。是非ご一読下さい。

 天才的な作詞家っていうものは、小説を書かせても天才ですね


 







  
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書斎を持たない作家

2006年07月07日 | 
 五木寛之氏の「旅のヒント」という本を読み始めました。まだ,ほんの少ししか読んでいませんが,氏は,書斎を持たず一週間のうち4,5日は移動しており,原稿は新幹線の中やホテルで,ときには俯せや自分の膝を机代わりにして書いているそうです。また,書斎は持たず,旅行鞄に辞書をいれているだけだそうです。
 
 何と私がイメージしている作家というのは,例えば司馬遼太郎氏や松本清張氏の様に,図書館ができるほどの膨大な本に囲まれて,どっしりとした机に向かって執筆するものとばかり思っていましたが,氏の場合はそうではありませんでした。

 考えてみると,同じ作家でも歴史作家の場合は歴史を調べるために膨大な資料が必要でしょうが,自分が考えたこと経験したことを書く作家の場合は,それ程資料は要らないのかも知れません。

 一週間に4,5日も旅をしながらあれだけの本を書くのですから,恐るべき才能です。凡人の場合は旅をしても,生産的なことは写真撮影ぐらいで,朝はバイキングの朝食を食べ過ぎ,夜は友人とお酒を飲んでいい気分になり,早々と眠ってしまうものですが・・・・・





 


 
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もし僕らの言葉がウイスキーであったなら

2006年03月05日 | 
 最近は,焼酎を飲むこと会が多くなり,ビールで喉を潤した後は,焼酎を飲み,二次会でもやっぱり焼酎を飲んでいます。

 私たちが20代,30代の頃は,二次会(スナック)ではウイスキーの水割りを飲んでいましたが,最近は飲み過ぎを警戒し,焼酎にしています。やはりお酒の種類が変わると,美味しいと感じてしまい,セーブがむつかしくなるからです。

 「もし僕らの言葉がウイスキーであったなら」というのは,村上春樹著の文庫本(新潮文庫)です。アイラ島とシングル・モルト・ウイスキー,アイルランドとアイリッシュ・ウイスキーについて書かれています(半分は写真が掲載された)本です。

 この本によりますと,アイルランドやアイラ島の人達は,だいたいウイスキーと水を半々くらい割って飲むそうです(日本人の様に氷を入れたりしない)。その方がウイスキーの味が生きるそうです。

 この本のあとがきに「酒というのは,それがどんな酒であっても,その産地でのみのがいちばんうまいような気がする。」との一文がありますが,私もそのとおりだと思います。泡盛は沖縄で飲んだときが,黒糖酒は奄美で飲んだときが一番美味しかった。

 この本を読んでいると,ウイスキーが飲みたくなります。そう,テレビで美味しそうにラーメンを食べてるシーンがあると,ラーメンを食べたくなるのと同じように。







 
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本(2)

2006年02月12日 | 
 私の好きな作家の1人に「椎名誠」さんがいます。「スーパーエッセイ」というエッセイやSF小説を書く作家です。

 椎名さんの本は,結構読んでいますが(エッセーを中心に),断片的にしか憶えていません。大抵は,日本や外国の田舎や離島に行って,野球をしたり,取材や公演をした後にお酒を飲んだ話です。

 私たちの様に時間に拘束されて仕事をしているものからすると,本当に羨ましい話で,私もつい,「椎名誠さんの様な生活をしてみたい」と思ってしまします。 

 しかし,あれだけ旅行をして,あれだけの本を書くという作業は並の人間には到底できません。多作で知られている作家で,酒飲みの作家というのはあんまり聞いたことがありません。

 やはり椎名さんは,スーパーライターです。

 




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2006年02月10日 | 
 どちらかというと良く本を購入する方だと思います。特に仕事に関する本は良く購入します。
 
 ここ数年の商法改正には参りました。変わる度に,改正に拘わる本を購入していましたら,商法に関する本が増殖しておりました。中には,活用していない本もあったりして・・・

 先日の会社法の研修会で,先輩のK司法書士も「会社法ができっせよネ,今まで買った,改正商法の本はいげんすっとよ」と,おっしゃっておりました。

 同感です。

 さっき以前購入しました「債権総論」の本を,いつ購入したのかと思い,発行された年を確認しましたら平成9年でした。この本を購入してから8年は経過したことになります。十分活用したかといわれると???です。民法の改正されております。

 法律を現在の生活に合うように改正することは大切ですが,本を購入する方の身にもなって欲しい。











 
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「奄美」の写真集

2005年12月29日 | 
 専門書を購入する時はインターネットでも良いが,実際に本屋に行くと思わぬ本にめぐり会うことがあります。

 この本も先日行った紀伊国屋書店で購入した本で,珠玉の写真集です。と言いましても,1962年の奄美を知っている人にとりましては,というただし書が必要かも知れません。

 著書は,沖本平九郎氏で,東京都出身で,同所に在住の方です。同書に「エラブ」の海に惹かれ,当時の日本の最南端奄美を目指したのは,学生生活最後の春であった,との記述があります。

 1956年に日本の最南端に生まれた私は,1975年に,学生時代の最初の夏休みに日本の最北端の島「礼文島」を目指して,初めてのひとり旅を経験しました。青春は,人を旅に誘う。著者の気持ちが判りますねー

 さて同書には,1962年の奄美と200年か,2004年か,2005年の奄美の同じ風景が撮影されておりまして,当時を知っている方には大変懐かしい風景が広がっております。

 私の故郷与論島の1962年当時の写真も掲載されておりまして,未だ開発されていない頃の,私の原記憶にある風景が撮影されております。1978年頃までは与論の海も美しく,50メートルも泳ぐと美しい珊瑚と色鮮やかな熱帯魚が泳いでいました。

 自然というのはそのままが一番美しく,一度人間の手が加わると不自然になってしまいます。

 
 
 

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命をくれたキス

2005年11月22日 | 
 少しロマンチックな題ですが,これは鈴木ひとみさんの本の表題です。

 19歳でミスインターナショナル準日本代表になり,モデルとして活躍していましたが,22歳の時に頸髄損傷で両足の自由を失い車いすの生活になりながら,結婚し,車いすのレースやエアーライフル等様々なことにチャレンジしている女性です。

 11月15日に宮崎で開催された国際ロータリー第2730地区で鈴木ひとみさんが公演されました。私は,それを聴くことができなかったのですが,聴いた方の評判が大変良かったので,本を購入して読みました。

 その本の中で,夫婦は夫婦喧嘩をして一人前であるという記述があります。確か,ひとみさんの義母の意見です。

 皆さん仲良く夫婦喧嘩をなさっておりますでしょうか?今日は11月22日で良い夫婦の日だそうです。

 色んな日があるもんです。

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2005年09月04日 | 
 本という本が講談社から販売されています。講談社のPR誌なので,値段も安く80円です。缶ジュースよりも安い値段で買えるのですが,中身は結構充実しています。 
 それぞれの記事が3頁に纏められているので,記事を読むのにも大して時間がかからないし,読むのを忘れて「積読」状態になっても,場所をとらないので数ヶ月分はOKです。

 8月号で特にためになったのは,東洋大学助教授の井上治代氏の書かれた「ルールーのない時代の『喪主争い』」という記事です。内容は,若貴兄弟の喪主争いを切り口にして,喪主の決め方は法律上どうなっているかということを,旧民法の場合と,現行民法の場合とに分けて紹介されています。一般的な民法の解説書とは少し違う視点で書かれており,面白かった。

 その他にも「夢をみたい」という樋口直哉氏の記事や「続・清原和博は強打者か」という二宮清純氏の記事も大変面白く興味深く読ませていただきました。
 80円でこんなに楽しめるなんて。本屋さんのレジの近くにおいてあると思いますので,一度手にしてみて下さい。

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