相続人に対する遺贈による所有権移転登記が令和5年4月1日から単独で申請できるようになることは以前このブログにも書いたが、今年に入って早々とこの案件を依頼された時には「まさかこんない早く依頼があるとは」と驚いた、と同時にこの依頼者は、とてもラッキーだと思った。何しろ他の相続人の協力が要らないのである。
書式に関しては司法書士会から連絡が入ると思っていたが、4月になっても何の連絡もないので、ネットで調べてみたら、ちゃんと法務省のHPに懇切丁寧な説明がされていました。 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001388918.pdf
単独申請だから、相続と似たような申請書になるかと思っていたのですが、様式は遺贈の様式でした。登記権利者の所に(申請人)を書き込み、登記義務者は、被相続人です。被相続人の登記簿上の住所が、同人の最後の住所と異なっていた場合は、変更証明書は必要であるが、所有権登記名義人表示変更は要らない。
原因は、年月日「遺贈」で登録免許税は、1000分の4。この点はこれまでと同じである。登記原因証明情報も住所証明書も、これまでの遺贈と同じである。
単独申請ができる遺贈は相続人に対するものに限るので、あまり大きな影響はないかもしれませんが、遺言者が「相続させる」と書かずに、「遺贈する」と書いていても単独で登記の申請ができるようになったのは、一つの進歩であると思う。