9月最後の日は、気持ちの良い秋晴れであった。 こんな日は、居酒屋に行ってほろ酔い加減になって、風に吹かれながら歩いてみたい。コロナ禍になる前は、こんな望はごく簡単に叶えられたのであるが、今の時期は、それほど簡単なことではなくなってしまった。
まぁ。朝から飲みに行くことを考えるのも、あまりほめられたことではない。
写真は、台風で半分が倒れてしまった桜の木である。毎年、春になるとこの桜の木の下を歩くのが楽しみになっていたが、来年は違う形になっている。
あんな丈夫そうな桜の木が台風にやられてしまうとは。考え方を変えると、全部が倒壊しなくて良かったと考えた方が良いかもしれません。桜を見る楽しみはまだ残されていますから。
9月17日土曜日、鹿児島県青少年開館で、『司法書士が押さえておきたい相続法の最新動向』のテーマで、研修会が開催された。
コロナ禍になってからというもの研修はズームで受講していたが、講師が立命館大学の本山敦先生だったことと、司法書士の顔を見たいとの思いがあり、生の講義を受講することにした。
先生の講義は、最近(令和2年3年が多かったか)の裁判例を基に行われた。
特別寄与に関する初の公表裁判例、家族信託と遺留分、家族信託の無効・取消し、祭祀財産、遺産分割と特別代理人、特別受益、遺産分割後に発見された財産の分割、遺産分割禁止審判、遺産分割後に認知された子による価額支払い請求、熟慮期間経過後の相続放棄、再転相続における熟慮期間の起算点、特別縁故者に対する相続財産分与、郵便はがきの自筆証書遺言?、全文・日付・氏名の自書の4週間後の押印、怪しい自筆証書遺言、自筆証書遺言の「財産目録」、自筆証書遺言ー無効、自筆証書遺言の解釈、公正証書遺言ー無効(地裁)から有効(高裁)へ、前の遺言を撤回する旨の公正証書遺言の無効、秘密証書遺言ー無効、死亡危急遺言、である。
これらの裁判例の前に、令和2年あるいは令和3年と10年前の、全裁判所の新受全事件数や家裁の遺産分割や家裁の(自筆証書9遺言検認新受事件数、公正証書遺言作成件数の紹介などもあったので、かなりの情報量であった。
講義時間4時間の中に、10分間の休憩が2回しかなかったが、これを一人で講義された先生の知力・体力に驚かされました。
特別寄与や特別受益、家族信託、特別縁故者に対する相続財産分与などは実務で相談を受けることがないので、勉強をする良い機会になった。遺言や相続放棄などは実務に密着したテーマでありかつ最近の裁判例ということでとても勉強になったと同時に身近に感じた。有意義な講義を受けると勉強をしようとするモチベーションが上がるものである。
研修会場に来ていた司法書士は約10人くらいしかいなかったが、別れ際に思わず「皆さん元気でね」と声をかけてしまった。またお会いしましょう。
外国に居住する人からの登記の依頼は、とても気を遣います。
その方が、権利書や登記識別情報を所持していればいいのですが、そうでない時は一工夫要ります。
登記研究の692号、211頁、平成17年10月号に次の記事が掲載されていました。
「登記義務者が外国に住所を有している場合における不動産登記法23条1項の事前通知は、権限を有する官署の作成した証書により申請に係わる不動産の管理処分等一切の権限を授権されたことを証明した代理人あてにすることができる」
「申請に係わる不動産の管理処分等一切の権限」というのが重要なポイントらしいです。
でも待てよ、在日領事館員という立派な公務員の面前で、署名するわけだから、領事館の証明書そのものが、不動産登記法23条4項2号に該当するかのではないかと考えたのですが、この規定による公証人には、在外日本領事は含まれていないそうです(登記研究714号197頁)。残念!
また、外国公証人が不動産登記法23条4項2号の規定に含まれるかどうかについては明かでない(登記研究840号19頁、平成30年2月号)となっています。 さらに、登記義務者である外国人の署名証明書は、原本還付を受けることができない(登記研究692号、211頁)という質疑応答の回答もありました。