梅雨の晴れ間のある日、紫陽花に水をまき終えて、青空をボーと眺めていると、小学、1.2年生と思われる女の子が登校するために右手の方から歩いてきた。その子は、当然私の前を通り過ぎると思っていたが、なぜかしら私と紫陽花の間の狭い空間のところを通り過ぎて行った。
あの年齢の年齢の女の子は、通常男の人を避けるために、必要以上に距離を取って歩くものと思っていたが、その子はまるで私と接触せんばかりの近距離であった。このことを女房に話すと、自分の決めた場所を歩く子もいるのよ、と言った。
ある雨の日、本屋に併設されているコンビニに行った。コンビニに入る前に、傘をビニール袋に入れるために立ち止まった。立ち止まった同じタイミングで、私の前から男の人が歩いて来た。その人は、広い空間の空いている私の右側を通り過ぎていくものと思ったが、私の思いとは逆に、私とコンビ二の壁の間の狭い空間を通り抜けていった。このことを女房に話すと、急いでいたんじゃないの、という返事であった。
その日スポーツジムで風呂から上がって着替えをしていると、私のすぐ上に荷物を置いた年配の人が、近づいてきて何かを探し始めた。もし私がその人であったら、先に着替えをしている人がいたら、自分の荷物をまとめて別の場所に移動し、その人の邪魔にならないようにする。しかしその人は、一向に私の存在を気にすることなく、あくまで探し物を続けていた。このことを女房に話すと、そんなお年寄りもいるのよと、一言であった。
先日スポーツジムに行って、荷物を仕舞うためにいつも使用しているロッカーに行ったら、そのロッカーの下で若い男の人がまさしく荷物を入れてる作業中であった。他のロッカーがたくさん空いているにもかかわらず「すみません。」と一言お詫びをしながら、いつものロッカーに荷物を入れた。このことを女房に話すと、「バカじゃないのあんた」と言われた。自分でもそう思った。