鹿児島市の司法書士喜山修三のブログ

相続や売買の不動産登記,会社設立や役員変更,債務整理,成年後見等を業とする司法書士事務所の所長の法律や日々の雑感を掲載。

司法書士が書いた小説 『紙一重』 深山亮著

2019年01月16日 | Weblog
陸の孤島の司法書士事件簿 紙一重 (双葉文庫)
深山 亮
双葉社

 司法書士にとって,相続登記は重要な業務の一つである。戸籍謄本・戸籍抄本(正確には戸籍全部事項証明・戸籍個別事項証明),除籍謄本,改正原戸籍,除籍の付票謄本。司法書士はこれらの書類と日々格闘している。正確には,毎日のようにこれらの書類を見ていますという程度です。
 そんな司法書士が戸籍の記載方法を物語の重要なポイントとして書かれたのが『遠田の蛙』。幼い日の記憶は美しいものだけが残ると思っていたが,意識の底に沈んだ遠い記憶が愛する人々を苦しめる。
 平成27年1月1日以降に発生した相続税は,基礎控除の額が大幅に減額されたのであるが,それを題材にしたのが『深淵』。
 消費者金融との交渉と司法書士青年会の熱気が伝わってきそうな『マドンナのうしろ髪』。その他三つの物語が収録されていますが,どの物語もとても面白い。司法書士やその周辺業務の方はもちろん,一般の方々にも是非読んで頂きたい物語です。
 「いやーこんな結末になるとは」やはりミステリーは,これが醍醐味ですよね。  

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かがみの孤城

2019年01月03日 | Weblog
かがみの孤城
辻村 深月
ポプラ社

中身をまったく知らないにも拘わらず,2018年『本屋大賞』を受賞したという理由だけで購入した本です。本選びで,面白い本という基準でいうならば,本屋大賞をとった本は間違いないと思います。芥川賞は当たり外れが大きいが,選考基準が『面白さ』ではないから仕方ありません。
 とても分量の多い本で,何と554頁もあるので,読み終わるまで相当の時間かかかりました。そう,『師走の忙しい時にこんな本を読んでいいんか』と半ば自分を責めながら読み続けましたが,面白い本は途中で投げ出すことができない。
「学校での居場所をなくし、閉じこもっていた"こころ"の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうど"こころ"と似た境遇の7人が集められていた―以下省略」(紀伊國屋書店のHPより。https://www.kinokuniya.co.jp/c/20180410193623.html
 鏡を抜けると,そこに城があって,さらにその城に7人の中学生がいるという設定ですから,現実にはあり得ない世界です。しかし,そんな現実にはあり得ない世界で,現実問題に対処する力を与えようとするのですから,小説家の力は偉大です。

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平成31年元旦

2019年01月03日 | 季節,時節

 

今年の正月も『太陽とともに走ろう』からはじまった。
 場所は去年と同じく鴨池の補助グランドである。本グランドである『白波スタジアム』が工事中の措置である。朝の散歩コースであるが,工事がいつからはじまたのかの記憶がない。記憶はあてにならないものである。
 主催者の挨拶で,はじめて,今年鹿児島でインターハイが開催されることを知った。来年国体が開催されることはさすがに知っていたが,インターハイは知らなかった。
 ところで,国体のスローガンはご存じでしょうか。昭和47年のそれは『太陽国体』でした。来年の国体のスローガンは『燃える感動鹿児島国体』だそうです。
 燃える感動を抱いて日々を暮らしたいとは思いませんが,「今年一年が穏やかな年になりますように」と雲に隠れてなかなか顔を出さない初日にお願いしました。 穏やかで健やかな日々,これが一番です。

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