1948年,太平洋戦争が終結して3年を経過した時期に沖縄のアメリカ軍基地に派遣された新米精神科医と沖縄の画家たちとの交流をえがいた物語である。
私もひめゆりの塔に行って,太平洋戦争末期の沖縄における地上戦の悲惨な状況を様々な資料を通して知った。
この小説には,そのような悲惨な状況も描かれているが,絵画を愛する画家と精神科医の心温まる交流が描かれている。
思わず目頭が熱くなると同時に,沖縄の美術館に行きたくなりました。それにしても原田マハさん,沖縄の空や緑や湿気を含んだ風の描写が凄い。まるで沖縄にいるような錯覚に捕らわれます。